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異世界ってスゲェェェ!!(仮)  作者: ポチでボッチなポッチポチ
アランの想い人
52/87

52話 俺ってそんなに弱そう?

 護衛依頼と討伐依頼を終え、報酬を貰うべく冒険者ギルドに向かったのだが……。相変わらずの列だよ。しかも、一緒に王都まで来た二人が、アタフタしてて面白いから、暫く観察して列が減るのを待ってると。


「シュン帰ってたんだ。何見てるの?」

「あ、カノンさん。二日ぶりです。さっき戻りました。冒険者に成る為に、ユニップから来た二人を観察してます」

「もしかして? バンディさんの馬車で帰ってきたのかな?」

「バンディさん? 凄く身奇麗で小父様って感じの?」

「そうそう、冒険者に成るために王都に行きたい子を応援して、率先して乗せてくれる人なんだよ。ギルドを通してる仕事じゃないから、誰でも請けれると言っても、ギルドカードが無いと、殆どの人は馬車に載せてくれないもの」

「そうだったんですか。知らなかった」

「もしかして。バンディさんに勘違いされたのかな?」


 カノンさんが、クスクス笑ってるんだけど……そうですよ……勘違いされましたとも。


 恥ずかしくて視線を逸らしたら、『やっぱりね』って更に笑われたし。


 列がそこそこ減るまで、カノンさんと話し、カノンさんは近々パーティーを組むらしい。しかも女性だけのパーティー何だって、女性の依頼人には嬉しいパーティーだね。ああ、男でも嬉しいか。


 俺にもパーティーは組まないのか聞かれたけど、はぐらかしといた。だって、俺の旅は普通の冒険者とは違って、正真正銘の危険と隣合わせだから、組み難いんだよね。下手したら邪神と関わりそうだし。組むとしたら、ネイルさんやメイルさんクラスなら、喜んで組むよ。ん? 駄目だ。追加条件で優しい人が良いです!!


 あ、列が減って、狐耳が見えた。カノンさんと別れ。狐耳もとい、カルアさんの列に並んだ。で、あの2人は、あらら、ウサ耳のクレイユさんの列に並んじゃってるよ。南無南無。


「お帰りシュン君。依頼を三件はやっぱり無―」

「カ・ル・アさん。約束通り依頼は達成できましたよ!」

 耳と尻尾を触らせてくれる約束が楽しみだな。討伐部位と受領書を渡して確認して貰ってるんだけど、カルアさんの笑顔が引き摺っているよ。約束を覚えててくれたのかな?


 うわぁ、そんなに触られるのが嫌なのかな? 不備が無いか超真剣な顔をして探してるよ。そんなに、嫌なら良いんだよ、無かった事にして……あ! 数えなおした。面白い、カルアさんが百面相してる見たいで、表情がコロコロ変わってるし、耳がピンっと張ったと思ったら垂れるし。やばい、これ楽しいな。今度から、賭けして遊ぼうかな……百面相の為に。終ったのかな? 耳が垂れたまま、討伐部位を仕舞ったよ。溜息と共に耳をピンと張り直して持ち直したよ。凄い、受付の鏡だね!


「はい、三件とも達成です。おめでとうございます。オークの討伐は十体で銀貨五十枚、それとバウンドドックの討伐は五匹で銀貨二十五枚、護衛の仕事でカノンさんと半分に成りますので銀貨十枚になります。全部で銀貨八十五枚です」


 うわ、営業トークに変わったよ。フレンドリーな感じが無くなちゃった。


「カルアさん約束の件何だけど―」

「は、はい。あ! シュン君。その手に持ってる手紙は何かな?」

「あ、これも渡すの忘れてた」


 手紙をカルアさんに渡し。それを読んだカルアさんは――。


「シュン君!! そこで待っててね」


 あ、嬉しそうに走ってたけど……誤魔化す気だな、あれは。あの手紙の内容で嬉しそうにしてて良いのか?


 んで時間を潰す為に、ルーキーに成ろうとしてる、2人の方を見ると、やっぱりね。周りの男から刺さる視線を浴びてタジタジだよ。頑張れ誰もが通る道だよ? 多分だけど。


 あ、戻ってきた。


「シュン君、悪いんだけど、ギルドマスターに報告してくれる?」

「え? 何で? 冒険者が持ち場を放棄しただけじゃん?」

「はぁ~。シュン君は知らないから、しょうがないけど、冒険者を(おとし)めようとして、態と依頼未達成の手紙を出す人がいるんだよ」


 溜息と共に耳が垂れたのが可愛い。


 んで、御馴染みのギルドマスターの部屋に、カルアさんと一緒に来ました。御馴染みって言っても王都の部屋は、これで2回目だけどね。


 ギルドマスターこと、バートランさんに手紙の内容通り、その冒険者達がオークと戦闘してて勝てないと解って、持ち場を放棄して逃走し、俺が引き継いでユニップまで護衛した事を報告した。

 それを聞いたバートランは、カルアに引き継いだ依頼の報酬を持ってくる様に告げ。カルアは報酬を取りに部屋をでた。


 逃走した連中に関しては、ペナルティが科せられるらしいんだけど、知ったこっちゃ無い。便宜を図る気もないしね。


 そう言えば、王都で探してる人が居るんだけど、バートランさんは知らないのかな? メイルさんの手帳に書いてあった、“ドロシー・ファーベル”って人何だけど、王都としか書いてないんだよね。時間が無かったし、しょうがないよね。駄目もとで訊いてみるか。


「あの、ギルドマスター。ドロシー・ファーベルって方を御存知ないですか?」

「ん? 何だ知らないのか。有名だぞ」

「有名何ですか? すみません、世間知らずな者で……」

「フェルニア学園の学園長だ」

「そうですか……会いたいんですけど……会えないですよね、やっぱり」


 やっぱり偉い人だよね……学園長って。


「会えなくは無いが、何で会いたいんだ? その理由しだいだな」


 仕方ないよね……隠す気は別に無いけど、進んで言う気にもなれないんだけどね。


 俺はアーレンで、剣聖ネイルさんと大魔導師メイルさんと出逢い、弟子になった事を話し、そのネイルさん達に尋ねてみると良いと言われ、探していたと話した。


「そうか、あの事件の生き証人だったのか……解った、手紙を書こう。それを持って、学園の警備をしている者に渡すと良い」


 手紙って凄いな……。異世界に来て手紙の効果が凄い。元の世界じゃ、アポ取らないと、駄目だって突き返されそうなのに。


 手紙を受け取って少ししたら、カルアさんが戻って来て。報酬貰いました!! 何でも、引き継いだから、銀貨二十枚の依頼が四十枚になって、支払われたよ。ラッキー! これで、ユニップから行って戻って来るのに、銀貨百二十五枚と小父様から貰った銀貨二枚で、金貨一枚と銀貨二十七枚だよ。アーレンで銀貨一枚を稼ぐのに苦労したのが嘘みたいだ。さて、長いしても悪いので、ギルドを後にした。


 あ! カルアさんの耳と尻尾を触るの忘れてた!! あの狐耳すげえええ触りたかった。 


 渋々、宿屋に戻ってポーションを造ってから、明日に備えて眠りについた。


 そして、勇者を送り出す祭りの前日の今日、俺は馬車を使って学園区まで乗り、フェルニア学園まで足を運んだ。それは、ドロシー・ファーベルさんに会うためだ。警備をしてる二人の中の一人に、挨拶をして手紙を差し出した。その場で待ってる様に言われ、暫くすると。手紙を届けた警備員さんの後を着いて来る女性が居て。

「私は、このフェルニア学園の学園長秘書のジェニファと申します。学園長室まで案内させて戴きます」

「はい。シュンと言います。お願いします」


 確かに案内して貰わないと迷子になっちゃうもんね。この学園広いんだよ……。そもそも王都が広過ぎるんだよ。冒険者ギルドと商人ギルドがあった場所は、ギルド区と言われててギルドに関係がある、冒険者と商人が多いんだよね。んで、居住区に商店区そして学園区に分かれてる。学園区と王城の間には、魔法の研究施設と兵舎等があるんだけ。覚えられないよ……。


 あ、生徒さんだ。何ていうのブレザー系の制服でまるで、高校だ。俺は学ランだったけどね。ブレザー系の制服に憧れたりもしたよ。だってお洒落じゃんブレザー。でもブレザーに武器って何か変。これってさ絶対、勇者の趣味だよね。ある意味グッジョブっすよ先輩。あ! 俺は勇者じゃないから後輩でも無いのかな? それにしても、可愛い子がいっぱいだよ、この中にフェイミィ達が通うのか……うん、良いね。不自然じゃないと思う。


 剣を振ったりナイフを振ったりと、やってる事は怖いけど、学校だなって思える。


「ここが学園長室です」


 ジェニファさんが先に入り、その後に続いて入ると。そこには、エルフの女性が椅子に座り書類と睨めっこしていた。


「ああ。君がネイルとメイルの弟子か」

「あ、はい。シュンと言います。貴女がドロシー・ファーベルさんですか?」

「そうだよ。私がドロシー・ファーベルだ」


 書類から目を離し、ジェニファさんに渡した。ジェニファは書類を持って学園長室を出て行き、部屋には俺とドロシーさんの二人だけとなった。


「それで? 私に用があるんじゃないのか?」

「俺は、今は祀られて居ない神殿または、その跡地を探してるんですが、ネイルさん達に時間が無かったので、頼りになる人の名前と街だけを書いて貰ったので、訊ねさせて貰いました」

「ふむ。今は祀られて居ない場所ね……済まないが余り力に成れそうに無いが、私が知る限りでは、“ゴルドン帝国に居る『考古学者』”か、『ディスティア連邦の長』などの古株位しか思い当たらないかな? ……いや、“ミクティーナと言う島国に住む『天使族』”が何か知ってるかもしれない。それとも、“クエリア共和国の『神官』”が何か知ってるかもな」


 いやいや充分な程、情報持ってますってば。メモが追い付かない。


「解りました、その国々に行って訊ねて見れば良いんですね」

「そうだね。君が何を探してるか解らないが、質問に答えたんだ。こちらの質問に答えて貰うよ」

「俺に答えられる範囲内なら……」

「なあに。ネイルとメイルの話しを聞かせてくれれば良い。あの二人が邪神を倒したと言う事と亡くなった事は、知っている。だが、私が知っているのは、それだけだからね」


 俺は、アーレンに辿り着いて、冒険者ギルドに登録しに行った時にネイルさんと出逢い、そのネイルさんの紹介でメイルさんが経営している魔道具屋に行って、メイルさんに出会った事から始め、厳しくて楽しかった修行の日々を話した。ネイルさんが、無茶な修行させて上手く行った時には、本人以上に喜んだ事を話したら、ドロシーさんがお腹を抱えて笑ったり。メイルさんの簡単そうで難しい魔法の修行に付いては、感心したりしていた。修行の話しが終ると「良くそんな修行に、ついて行けたな」と俺を褒めてくれた。

 話しが邪神との戦闘に入ると、『流石だ』とか『無謀過ぎる』などの反応をしていた。話しが終ると「君もよく邪神に剣を向ける事が出来たな」などと呆れていた。


「君も大変だったね」


 一通り話し終えて暫くすると、部屋をノックする音が聴こえ。ドロシーが「どうぞ」と返答すると、ヒューマンの女生徒が入って来た。


「失礼します。ドロシー学園長、生徒会の方で集めた、次期生徒会候補の生徒達の名簿を用意が出来ましたので御持ちしました」

「ああ、すまないね。ヒースロー生徒会長」


 あ! 目が合った。凄いな自然と微笑んできたよ。得物はレイピアか、久しぶり見たな。それにしても高そうなレイピアだな。何故かって薔薇の装飾品が付いてるからだよ? 御洒落かな?


「ふむ。シュンよ! ヒースローと戦ってみる気は無いか?」

「「え?」」

「ドロシー学園長、流石に生徒以外の人と戦うのは不味いのでは? ケガしちゃますよ、その子どうみても素人にしか」


 !? うわ!! 俺……また見た目で判断されたし。でも戦いを避けるのは賛成。


「そうですよ、ドロシーさん。無駄な戦い――」

「お前さんが勝ったら、私がお前の協力者になろう。さっき言った各々達に、手紙をだすぞ」

「な!? 解りました! 如何なっても責任は取りませんからね」

「?!」


 生徒会長さん、ごめん。戦いたくないけど、餌が良かったんだ。それと、睨まないで可愛い印象が一発で壊れたよ。睨むならドロシーさんにして……いや、マジで。


 ドロシーさんに連れられ、闘技場に移動する事になったんだが。ヒースローさんだっけ? 背中で何かを語ってるよ、凄い怖いんですけど、何を語ってるかは考えるの辞めよう。


 

 何で、学園に来たら戦う事になるのさ……どうか、御互いケガだけには気をつけようね。

 執筆は楽しいですが。一人一人のキャラクターを如何露せば良いのか悩んじゃってます。


 そんな私の作品、異世界ってスゲェェェ!!(仮)を宜しくお願いします!!

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