51話 帰りはもっと暇でした
のんびり執筆中。
目の前で、馬車を護衛してる冒険者が五人……オークと戦闘を繰り広げてたんだけど……護衛してた馬車を放置して逃げました……。一緒に見守ってたカノンさんは、彼等はベテランのDランクの冒険者だと言うのですが、ベテランならCランクじゃね? と思った訳で……。そんな彼らの尻拭いをする為に、俺は今……オークと戦闘を繰り広げてます。
「はあああああ!」
速さでオークの後ろに回りこみ、オークの首を的確に刎ねて行き、今、最後のオークを仕留め終わり剣を振るって、溜息と共に鞘に納めた。
馬車を見ると少し壊されては居るけど、移動は一応出来るみたいだ。ゴブリンの時から思ったんだけど、王都の冒険者って、若しかしてだけど碌なのいないんじゃね? あ! 馬車から、おっちゃんが出てきてこっちに向かって来たよ。
「君が……助けてくれたのか……」
「え、まぁ。そうですけど」
「本当にありがとおおおおお」
「え、ちょ、鼻水汚いんですけどおおおおおおおおおおおおお」
おっちゃん、超泣いてるよ、鼻水タラタラのままで、抱きしめないでえええええええ、そう言う趣味ないから、そう言う趣味ないからああああああああああああ!!
ふぅ~。遅れてカノンとケリーが、こっちに来たけど二人の顔は、ポカンと口を開けたままだった。可笑しいな? オークを倒しただけなのに変だよ? アレくらい普通出来るよね? 多分だけど、フェイミィ達のパーティーでも、あれ位は倒せると思うんだけどな? 何度か薬草採取しに行った時、四人がオークを倒してたの見たし。変なの。
おっちゃんの行き先は、俺達と同じ材料の街、ユニップだった。その街はあらゆる原料や材料が集まる街で、職人の街と言われているらしい。また、武具や防具の店など、国中で営業してる店の殆どが、この街にいる職人さんから教わって、一人前に成れたら各自で店を出してるんだと。
ケリーさんの護衛依頼は、行き成りの出発で説明なしで行ってたから、実は何も知らなくて、今さらになって、何処に行くのか知りました。
カノンはケリーの馬車で、俺はおっちゃんの馬車で目的地に向かう事になった。俺は、バウンドドックとオークの討伐に成功させ、あとは王都に帰って報告すれば仕事は終わり。それに帰れば丁度、本格的に勇者を送り出すお祭りが始まるから、楽しみなんだ。だって、勇者の姿が見れるらしいんだよ。いったいどんな人が選ばれたか気になるじゃん。
それにしても、おっちゃん五月蝿い。さっきからグチグチと愚痴ばっかり。さっきの五人の冒険者の事なんて知るかよ。冒険者ギルドに勧められたとか、オーク何て楽勝とか言ってた癖にとか、本当に勘弁して。
あれからは、何事も無く無事にユニップに着き、ケリーから受領印を押された紙を受け取り、これで護衛依頼が終った。
「シュン、貴方って強かったのね。また今度、護衛依頼受けてくれたら嬉しいわ」
「依頼書を見つけられたらね。では、カノンさん、俺は街を一通り見たら帰りますんで」
「ええ。私は、次の仕事があるから」
「次の仕事?」
「ああ、言うの忘れてたね。この街、ユニップから王都までの護衛があるのよ。ギルドは無いけど、依頼書が入り口の掲示板に張られてるから、それで見つけると良いわ」
「解りました。ありがとうございます」
ケリーは街の奥へ、カノンは入り口で王都行きの馬車に乗り込んでいった。
で!! 俺は助けてあげた、おっちゃんから、手紙を貰った。もちろん、ギルドに送る抗議の手紙だよ……俺が捨てるとは思わないのかね。捨てないけど。さて、あんまり好きになれない、おっちゃんと別れ、街を見て回った。流石、職人の街だな至る所に店が並んでるし、作業音の他にも怒鳴り声があっちこっちから響いてる。何だか、楽しくなってきて、口元が緩んでニヤニヤしてきちゃった。
アウトレット商品って訳じゃないけど、お弟子さんが造った物が、無造作に籠に入ってて安めに売られてたり、師匠の陳列棚の横に“師匠が認めてくれた商品”と書いてあったりと、見てるだけで楽しかった。
最初は、王都で見つけた魔法玉みたいな、面白そうなアイテムを探してたんだけど、この街には無かった。それでも、充分な程この街の活気が凄くて、王都とは違って、純粋に楽しめた。王都の店の半分近くは御土産品で、残り半分は冒険者として必要無さそうな物ばかりで、見てても興味を引く物が少なかった。
ユニップと言う街は、冒険者として必要な物が沢山並んでる店と俺は認識し。武器やに防具、魔道具は微妙だったけど、許容範囲で楽しめた。
「メイルさんの魔道具屋って、凄かったんだな……改めて解ると、もっとゆっくり見るべきだったな」
ユニップの魔道具屋に何件か入ったが、売ってるものは解毒剤各種にポーション二種類、たまに上級があったけど、金貨十枚は凄かった。それ以外は、残念な事に余り無かった。
店の人に、俺が腰に付けてる中身を保護するポーチとか、そう言うアイテムは無いんですか? と聞いたら、詰まらなそうに、『そう言うアイテムはエルフにしか造れないから、エルフの居る街に行くんだね!』と言われた。
俺、造れますけど? 何て返すと揉めるので、『そうですか』で終らせた。
どうやら、ヒューマンはヒューマン。エルフはエルフで割り切ってるらしい。多分、魔力操作が難しいから、ヒューマンには出来ないとされてる見たい。
その変わり、武器屋と防具屋は凄かった。多分この世界での花形職業何だろうか? 一軒一軒にいる御弟子さんの数が多くて、樽の中に無造作に入れられてる剣等が、驚くほど並んでた。
剣は別に要らないけど、他の武器には興味があるんだよね。たまに、これって剣? って思える程の歪な形してたりと驚く物がチラホラしてて、ワクワクしながら、店を梯子しては面白そうな物を探しては、如何使うのか想像して楽しんでた。
気が付くと、武器を買い込んでいた。ダガーが五本に、薙刀が一本、槍が一槍、鉄で出来てる六角形の棒が一本、トンファーが二つ、そして、極め付けが、死神の鎌などで有名な鎌を一つ。全部で合わせて金貨五枚。うん使い過ぎだ。
それにしても、御店がこんなに在るのに、お客さんが少ないんだね。って思って、宿屋の叔母ちゃんに聞いたら。やっぱり勇者の祭りで、殆どの人は王都に集まってるんだってさ。
この街は冒険者や兵士、又はそれを目指す者が装備を買いに来るんだってさ。
さて、無駄遣いしちゃった武器どうしよ……。取り合えずダガーだけ装備で、剣二振りは収納しとくか。実は剣二振り装備って意外と目立つんだよ。擦れ違うたびに笑われたり……何で笑うんだろう? 王都でも笑われないのに……不思議だ。リべレーションソードが黒いからかな? まあ偶には、他の武器でも良いよね。オーク位なら素手で倒せるし、バウンドドックの時は……魔法でがんばります!
宿屋で一泊して、街の入り口で依頼書と睨めっこしてたら、丁度王都まで行く馬車が在ったので、御一緒させて貰いました。
来た時と違い護衛の数は三人になっただけで、する事は同じです。前方警戒と後方警戒だけです。王都までの護衛の仕事はギルド外の依頼なので、誰でも受けれる変わりに報酬は一人当たり銀貨2枚と安めです。そして、今一緒にいる護衛さんは、男で俺と同じ15歳です、冒険者に成るために王都に行くんだとか……。王都のギルドで本当に良いのかね? ランディール良いよ。みんな優しいし、クエストは直ぐに受けれるから。昨日見たDランク冒険者はEランクにしか見えなかったもん。だから質だけでそう思った。彼らだけが弱いだけかも知れないけどね。
それにしても、暇だな。本当に『馬車に座ってるだけで銀貨2枚が貰える簡単な御仕事です!』
正直、仲良く成るべきか悩む面子で困ってるんだよね。商人の小父様は、ダンディで優しそうな人で、冒険者とか騎士に憧れてる子供を応援して、ユニップから王都まで率先して乗せてるんだって。そんな、小父様は昔冒険者をしてたから、一人で王都まで行けるとの事です。うん、優しい人だな……ん!? って事は俺も、この二人と同じで、冒険者か騎士を目指す若者に見えたのか……俺、冒険者ですよー。しかもDランクのー。……見た目が子供だし……しょうがないのかな……。
二人は友達なのかな? 楽しそうに話してるよ。小父さんは「そうかそうか」と相槌うってるし。良いな。俺もあんな風に話してみたいよ。二人は、Sランク冒険者に成ってバンバン依頼をこなすだってさ。そんなに良いのかね、Sランクって。
「お前は? 冒険者になるのか? それとも騎士を目指してフェルニア学園に入るのか?」
「ふぇ? ああ。まぁ冒険者かな? 世界を見てみたいから……」
びっくりした。行き成りお前とか言われたの、久しぶりだよ。
そうかって、返事して終ったし。話しを広げるんじゃねぇのかよ。まぁ~良いけどね。
さて、馬車が停まったって事は、ここで野宿か。うん、昨日と違って、一箇所だけ見張ればいい、良いポイントだ。まさか馬車ごと入る洞穴が在るとは、驚きだ。
小父さんが言うには、最近までここら辺を縄張りにしてた、賊の拠点の一つだったらしいけど、つい最近捕まったんだってさ。多分、それ捕まえたの俺ですね……。しかも、勘違いで襲って返り討ちに遭った可哀想な賊さんですね。
さて見張りなんだけど、冒険者予定の二人で次は、小父さん。で朝まで見張るらしいんだけど。あれ? 俺の順番は? って小父さんに聞いたら、ずっと後ろでちゃんと警戒してたから、ゆっくり休んで良いって言われちゃった。詰んないの……。
寝てて模様したくなって起きると、小父さんが見張りをしていた。どうやら夜もかなり更けている感じだった。用を足し終え小父さんに変わるよって言うと、暗い中での見張りは難しいから、辞めとけと言われたが、俺がDランク冒険者であると言う証拠にギルドカードを見せ。小父さんと交代した。その時の小父さんは驚いて、『済まなかったなてっきり、そこで寝ている二人と同じだと思ってた』と言って笑ってたな。
そして、朝になり小父さん達を起こし朝食を摂って、王都に向けて出発をした。そして、何事も無く無事に王都に到着した。小父さんから銀貨二枚受け取った、二人は嬉しそうに銀貨を眺め、小父さんから安い宿を紹介して貰い礼を行って一目さんに、冒険者ギルドに走っていった。
「小父さん、お世話になりました、また縁がありましたら、お願いします」
「おう、俺もまだまだだな、ルーキーと一人前の区別が付かないなんてな」
銀貨二枚を受け取り、小父さんと別れた。あ! 名前聞くの忘れた。
俺は、報酬と助けた、おっちゃんから預かった手紙を届けるべく、冒険者ギルドに向かった。
ノリノリで執筆が進むと気持ちが良いですね♪ そして誤字脱字を見つけて、凹んでます。修正すればする程、また新たに出て……さらに落ち込んでます。難しいです。
こんな私の作品ですが、これからも。異世界ってスゲェェェ!!(仮)を宜しくお願いします!!
次話のサブタイは『俺ってそんなに弱そう?』です。




