47話 王都の冒険者ギルドの受付事情
ステータス以外は出来るだけ漢数字に変更して行こうと思います。
昼過ぎに王都に着いた俺は、最初に用事を済ませようと、冒険者ギルドに向かおうと歩いたのだが。
「王都は、人口が多いから、先に宿を探さないと、後が大変だぞ」
と、ファルクスさんが去り際に助言してくれたので、宿を探す事にした。
王都は広い。在り得ないほど広い……ギルドが在る場所は“ギルド区”と呼ばれている場所に在る。宿屋はあっちこっちに在るけど、ギルドの傍が良いので、ギルド区で探してるんだが。
「……あ! すみません…うぅ! むぎゅ~……すみません」
人混みが凄過ぎて、上手く歩けず、人とぶつかったり押し潰されたりと、人の流れに乗れなかった。
都会で人の流れに乗れてたから、自身あったんだけど……人の流れは、その場所場所で独特なのかな? それにしても、流石、王都。人で溢れてるよ。これじゃあ、何処に何が在るか解らないし、立ち止まって確認する事も出来ない。お勧めの宿の場所って、冒険者ギルドと商人ギルドの間に在るって言われたけど……何処だろう……。
「おわ! ……ん??」
体格の良い人にぶつかり、路地裏まで弾き飛ばされ。そこの視界に入ったのは、地べたに座り込んで下を向いている、ボロボロの服を着込んだ小さな子供達の姿だった。
迷子なのかな? って、そんな訳ないよね。迷子にしちゃあ多過ぎるし。ああ! それより宿を探そう。事情は知らないけど。下手に関わると大変な事になりそう。
何とかしてあげたいと言う気持ちは、少しばかりあるが。今は自分の事で手一杯で、申し訳無さそうに大通りに戻った。
それから、暫くするとファルクスさんのお勧めの宿を見つけ、やっと入る事が出来た。
「おう! 泊まりか? 泊まりなら一泊、銀貨一枚だ。食事と御湯は別料金だ。その変わり味は保障するし、好きなタイミングで摂る事が出来るが、余り遅いのだけは、勘弁してくれよ」
食事は別料金で銀貨1枚か……高い? アーレンは銅貨50枚だから倍の値段だ。ランディールの場合は親父さん達の御厚意に甘えて、屋根裏部屋に無料で住まわせて貰ったから……判断出来ない。
「あの……田舎から出て来たので、その御値段が安いのか高いのか解らないのですが? 王都では、その御値段が普通ですか?」
「ああ? そうだな、家は他の所よりは、多少安いと思うぞ? この辺だと銀貨二枚~五枚位が普通だな、食事と風呂付でな。家は風呂は無いし、食事は別でやっているが、食事の方は別料金の分、サービスが良いぞ。他の宿だと、出て来る料理は選べないが、家は注文を受けてから作るからな。それに、外で食うよりは、安い!!」
じゃあ、泊まろうかな。
「じゃあ、泊まりで、取り合えず十日で」
銀貨を十枚渡し、鍵を受け取り、部屋で今後使うかも知れない道具を出して確認し、ランディールのギルドマスターに書いて貰った手紙を懐にしまい、王都の冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに向かうの道は、大通りとは違って、人の数が少なく、すんなり辿り着く事が出来た。中に入ると、かなりの冒険者で溢れていた、此処では、ランディールのギルドの十倍以上の人で驚いた。受付と書かれた看板が、天井からぶら下っている。そこには、長蛇の列が出来ている、俺は比較的に列が少ない所に並んだ。
………遅い………一時間近くは、待ってやっと、自分の番が回ってきた。
「すみません、ギルドマスター宛の手紙を預かってるのですが? ギルドマスターにお会い出来ませんか?」
俺は手紙をそっと出して渡す。
「え!? あ、はい……少々お待ち下さい!!」
ウサ耳の受付さんが、席を離れギルドマスターの所へ向かった…その直後後ろから、刺さる視線がシュンを襲っている。
何だろう? 視線が痛い…余所者だから警戒してるのかな? 超怖い…身体に穴が空きそうだ…。
シュンの身体から変な汗がダラダラと流れ始めた頃、隣の受付から声を掛けられた。
「知らずにクレイユの列に並んじゃったのね」
「え? 並んじゃ駄目だったの? でも、受付って…」
「クレイユはね、家のギルドの看板娘なの、あの子、可愛いでしょ? それで、男達に口説かれてるのよ。その御蔭で私達の仕事が捗ってるから、良いんだけどね」
隣のお姉さんは、丁度交代何だろうか、書類を片付けて、後ろから来た人と交代して、俺に説明を続けてくれている。
「冒険者ギルドの受付って美人が多いでしょう? それでチョッカイを掛けて来る馬鹿が耐えないのよ、それで、とった方法は顔が一番いい子に任せて、私達がその子の分まで働くって方法を取ったのよ」
「そうなんですか? でも、受付の人が美人なら、さっきの人と変わらないんじゃ?」
「う~ん。他の受付が十人が見て十人振り向くなら、クレイユの場合は百人が見たら百人振り向く感じかな? ウサ耳族ってそう言う子が多いのよ」
……そうだったんだ、全然顔を見てないから、解んないや。人の顔を見て話せとは言うけど、初対面の人の顔は、なかなか最初から見れないよ…人見知り? みたいな感じかな?
「へぇ~そうだったんですか…だから、こんなに視線が痛いんですね…」
「今度から別の列に並んだ方が良いわよ。例え、列が少しだけでも短くても、あの子の列に並ばない方が無難ね」
受付のお姉さんが笑って居ると、クレイユさんが戻って来て、ギルドマスターが会ってくれると伝えに来てくれて、俺を案内しようとしたが―。
「クレイユ、私が変わるから、そのまま仕事に戻りなさい」
っと言う訳で、談笑してくれた、受付のお姉さんと変わった。
「すみません。休憩に入ったのに…潰してしまって。俺、シュンって言います、ランディールと言う街から、今日、王都に着いた田舎者で…勝手が解ってなくて…」
「気にしなくていいって。私は、カルアよ。宜しくね」
っと挨拶序でに、狐耳がピョコンっと跳ねた。
……可愛い……狐耳……。
ギルドマスターの部屋にノックして、入ったカルアさんの後に続いて入ると…そこには、書類の山で埋め尽くされた、光景が入った。
えっと……ギルドマスターの部屋って、何処も書類だらけなのかな? ……本当に忙しそう。
「お前がシュンか? カルアお前は、仕事に戻って良いぞ」
カルアさんは、部屋を出て行った。その時、俺に向かって、今度から並ぶ列には、気を付けるんだよって声を掛けてくれた。
「はい。お……自分がシュンです」
「俺は、王都のギルドマスター、バートランだ。アスレイからの手紙を読ませて貰ったが、率直に言わせて貰う。レイア第三王女に御会いするのは、難しい」
ですよねー……だって、相手がお姫様なんですから……。これも、レベル高いよ。しかも敷居も高いよ。本当だったら御会いしたくないな……でも、アランさんの頼みだから、直接手で渡したいし。参った……参った。
「何とか、頼まれた事を成し遂げたいんです……向こうで、御世話に成った人の頼みですから……」
「無い事も無いのだが……大変だぞ? お前の様な子供では、無理と言ってもいい」
「……一応……その方法を聞いても?」
無理なんだろうけど……知っとかないと、諦めも付かないし。
「その方法は、国に取っての手柄を上げるか。偉業を成すしかない」
手柄? 偉業? 無理だわ…絶対…。
「無理そう……ですね……」
「まぁ。何だ、俺の方でも如何にか出来ないか、手を打ってみるが期待するなよ」
「はい」
俺は部屋を出て、クエストボードを少し覗いてから、外を出た。日が沈み始めた為、商人ギルドに行く事を諦め宿に戻り、旅の道中で手に入れた薬草を使って、メイル式のポーションを造り、食事を摂るのを忘れて眠りに付いた。
朝、起きると机の上に、メイル式ポーションで、机が埋め尽くされて居て、昨日どれだけ集中して造っていたかを、物語っていた。最初は、二~三本造るのに苦労していたのに、今じゃ瓶を造って淹れるまで、余裕に出来る……だけどメイルさんの手帳に書いてある、調合と錬金を一緒にして造るのは無理だった。
「まだまだ……半人前だな……」
さて、商人ギルドに行って、登録しないとな。その前に腹ごしらえか。
空腹で腹がなり食堂に向かい、食事を摂った。宿屋の亭主が言った通り、食事は美味かった。
べ、別に、向こうで食べた料理が不味かった訳じゃないよ。何て言うか、カチュアの宿の料理は家庭の味で、こっちの店はレストラン? って感じなんだよ……って何で言い訳してるんだろう……。
満たしたお腹と共に、商人ギルドに向かい、中に入ると……凄かった……如何凄いって?
「家の店の、仕入れた商品がまだ届かないんだけど!? 如何言う事だよ!!」
「大通りの魔道具屋が、下級ポーションを銅貨九十枚で売ってるぞ!! あれは協定違反じゃないのか!!」
「仕入れた商品の数が頼んだ数と合わないんだが、如何言う事か説明しろ?」
「紹介して貰った店の場所は既に使われてるじゃない!! 別の場所を紹介しなさいよね!!」
等……苦情が殺到している。
俺は、その殺到の嵐の中を掻い潜って、受付の下に辿りついた。
「い!? いらっしゃいませ…きょ…今日は、どの様な…ご、ご用件でしょうか?」
何か怯えられてるんだけど? もしかして、俺も苦情を言いに来た人と勘違いしてるのかな?
「えっと。商人ギルドに入りたいんだけど? 大丈夫ですか?」
「え! あ、はい。誰かに推薦状または、御紹介はありますか? 無ければ、入る事が出来ませんが?」
「ええええええええ!? 推薦状と紹介が無いと駄目なの? 訊いてないよ。マユさん」
「?! すみません…すみません…き、き、き規則なので…し、し、し新規の方で紹介か推薦状が無いと、ら、ら、ら来年の初めじゃないと、審査しませんので…」
……ああ、怖がらせちゃった……。
「えっと。怖がらせて、すみません。ここ商人ギルドのサブマスターである、マユ=サカキさんに誰でも入れるって聞いて、まさか審査の日が在るとは、聞いてなかったので…つい驚いてしまって。すみませんでした」
「マユ様ですか? 解りました、今、確認して来ますので、少々お待ち下さい」
何とか、持ち直して貰ったけど、周りの苦情が上がる度に肩がビクって震えてるよ。気が弱いんだね。俺も気が弱いから、親近感が湧くなぁ。
それにしても、苦情の嵐は止まないんだね。そのうち暴力沙汰に成りそうな勢いだな…苦情を受けてる男性の職員なんて、イカツイ人達の苦情を受けて震えてるし。隣の女性職員の相手は冒険者何だろうか? 剣とか携ええてるし。……周りの苦情がヒートアップして来てるし……光モンでも出て来たらアウトだな……こりゃあ。そう言えば、初めて冒険者ギルドに行く時、こう言う感じで荒れてるのを想像してたけど、まさか商人ギルドの方が荒れてるとは、思いも寄らなかったよ。
「お待たせし―」
「いい加減しろよ!! こっちは金を払って、頼んだんだぞ!! 遅れて済みませんじゃねぇえ!! 生活が掛かってるんだよ、こっちは!!、ギルマス出しやがれ!! そうじゃねえなら、金返したうえで、迷惑料払いやがれ!! このカス」
掴み掛かって捲くし立ててるよ。誰か止めないの? 早くしないとケガしちゃうよ。
「「そうだ! 迷惑量払え!!」」
周りの連中まで、便乗し始めたし…
「俺は、迷惑料じゃなくても良いぜ。なぁ、姉ちゃん。変わりに俺と楽しもうぜ!」
冒険者ぽい奴が、対応してる人に身体を強要し始めたし。本当に良いの? 誰か助けて挙げてよ。っと言う視線で、俺の対応している、受付の人に目線を送ったら、泣いてるし……他の人はビビって我関せずだし。駄目だな……このギルド……登録辞めようか、考え直そう。
「だから、ささっと何とかしろって、言ってんだよ。このポンコツがあああ!!」
「大人しく俺に付いて来いって言ってるだろ」
イカツイ方は拳を振り上げ、冒険者ぽのが、剣を抜いて脅し始め。
!! 流石に来れはヤバイ。ここで爆発したら、他の奴等まで爆発しそうだ。
「はい!! ストップ!! 暴力と強要は駄目ですよ!! ここは、穏便に済ませましょう。それこそ、商人として御互いが、赤字になっちゃいますから……ね?」
ああ……貧乏クジ引いちゃった。
右手と左手でリべレーションソードとネイルさんの剣を抜いて、手を挙げる直前の二人の喉元に剣を近づけて静止させ。
何とか二人共、血の気が一気に引いて、大人しくなり。そんな二人を見て、便乗してた奴も黙り。静寂が生まれた。
「何で揉めてるかは知りませんけど、冷静に話し合わないと駄目ですよ。力で訴えても解決しませんし、今後の事を含めて、自分が不利に成るだけですって」
剣を収めながら、他の連中に聴こえる様に語り、俺の担当をしてくれてる人の所に戻った。
「あの? さっきの続きお願いします」
「え…あ…はい。サブ…いえ、ギルドマスターである、マユ様が御会いに成るそうです」
え、もうギルドマスターに成ったの、速いな……って、何か俺って……ギルド行く=ギルドマスターに会うが、定着しそう何だけど……。
それにしても、あんな事が遭っても、周りの人は助けに入らず、見ているだけ何て、どの世界も一緒何だね。あ! 剣を向けちゃった二人……後で仕返しに来ないよね? 来ないよね? お願い来ないで。あと、今になって、自分がした事で恥ずかしく成って来た……。早く行こう。
受付の女性に案内されて、ギルドマスターの所へ向かった。
最初から読み直すと、ん? って思える事が出てくるし、文章おかしくね? って思えて、恥ずかしくなってきました。
時間が掛かると思いますが、話しを変更せずに、修正して行きたいと思います。
こんな、おいおい!! って思える、私の作品、異世界ってスゲェェェ!!(仮)ですが、宜しくお願いします。




