46話 いざ! 王都へ!!
結構溜まってしまったので、一気に投降しようか迷ってます。
ランディールを発ってから二十日目。何事も無ければ、十日前後で王都に着く所まで来ている。マユさんは、伯爵様で多忙の為、急いで王都に戻っている。本来なら、もっと時間が掛かるらしいのだが、マユさんは、野宿を受け入れているから、更に進行の速度が速かった。俺は、異世界に来て初めての集団行動で、勝手が解らず、ファルクスさんに教えて貰いながら、この二十日間を過ごしていた。途中で魔物に襲われて、馬が一頭、亡くなってしまって、俺は馬を降りて、マユさんの馬車に乗せて貰っている。
最初はオマケ状態だった俺だが、ファルクスさんの指南の御蔭で今じゃ立派な騎士…に成り掛けた。最初は集団で野宿するのが初めてだったから、役割とか夜とかの見張りとか、そう言う勝手を教えて貰うつもりが、何時の間にか、騎士道精神等いろいろ叩き込まれそうになって、マユさんが『シュンは、騎士になるのですか?』の一言で、普通の集団行動から外れている事を知った。
いやだって、何も知らないから……一生懸命だったんだよ。ファルクスさん曰く、「一生懸命覚えようとしているから、つい」だそうだ。御蔭でファルクスさん以外の護衛で来ている人と、それなりに仲良くなったよ? それなりに……何故だか壁を感じるんだけど? 何故だろう……。挨拶とかその変は、普通にしてるし。食事の時の分担でも、問題ない。ただ…世間話は、あんまりしてくれなかった。
その事に付いて、ファルクスさんに相談してみたら。
「シュン……それは、彼らに取って君は、畏怖の対象なんだ」
「畏怖ですか? 俺は何もしてないですよ? ただ、一緒に盗賊を捕まえたり、魔物を倒したりしただけですよ?」
「はぁ~。良いかシュン。君は盗賊を捕まえたと言ったが、あの盗賊団は凄腕の盗賊団で世間を騒がせてる連中だったんだ。それを、君は殺すのでは無く捕まえたんだぞ」
「……すみません…解りません……」
「捕まえると言う事はだな。殺す事より難しいんだ。うちの連中は、それがどれだけ難しいか知っているのさ。騎士道として、対人戦は捉える事に重点を置いているんだ。それは、“公の場に連れて行き然るべき処罰を受けさせる”事が、国としての方針なんだ。そうしないと秩序が崩壊する。ただでさえ、ここ最近、各国で多くの犯罪者が蔓延っているのは、罪人が然るべき法で裁かれずにいるからだ。ちゃんと法で裁かれれば、多くの民が国への信頼を持ってくれる上に、罪人になると裁かれると言う意識もちゃんと持ってくれるようになる。だが……今の現状は、法で裁かれずに、冒険者等で指名手配され懸賞金目当てで殺されてしまっている。法で裁けているのは、全体の20%あるか如何かだろう、それを君は見事に捕まえた、他の連中も一緒に捕まえはしたが、十四~十六歳の少年がそんな難しい事をしたんだ、大小あれど畏怖するのは当然だ」
「大変なんですね……騎士って……民とか国とかの為に……俺なんて、ただ漠然と生きてるだけですから……目標と言うか目的は、古い遺跡とかに行って見たいって言う事だけですよ」
本当の事は全部言えないけど、漠然とって言う所は間違ってない。
と言う事で、ファルクスさん以外の騎士さんとは、着かず離れずの関係のまま過ごしています。序でに、捉えた盗賊団は近くの街に連行して、現地の騎士団の人に王都まで護送を任せる事になった。途中で、大型のクマ型の魔物、ボルトベアと遭遇して倒しこれもまた、王都に運ぶ為に、近くの村で人を雇い、人数が増えた。
最初は、マユさん、ファルクスさんと他の騎士と自分を合わせて、六人だったのが今じゃ捉えた盗賊を含めて、四十人と増えていった。何でこんなに増えたかと言うと、盗賊を護送しているだけなのに、他の盗賊団の方が奴隷商が奴隷を運んでる姿と勘違いして、襲って来たんだ。
それを見て、マユさんは、お腹を押さえて笑ってたのが、印象的だった。そうとうツボに入った様だったよ。『今日は、奴隷を運んでおりませんのに』とか言って、時折、馬車の椅子をバンバン叩く音が聴こえた。
捉えた盗賊の人達の人数が、どんどん増えて行き、まるでローレライ? ハーメルンの笛吹き? 状態だった。歌も笛もないですけど……。
まさか、盗賊を三十人も捕まえるとは、予想外だった。それと、『魔道具屋アイル』として、ポーションや栄養剤、他にも解毒薬が、売れて行き。懐がポッカポカになって行ったよ。
そう言えば倒した、ボルトベアをギルドで売らずに、マユさんが買取ったんだけど。何故買取ったのかと訊ねると。
「私は、奴隷商としての許可を王都から戴いてるけど、基本は商人として何でも取り扱ってるのよ」
だそうです。今回のマユさんとは仲良くなり、商人さんに付いて訊いたりして話をする事が出来た。魔道具屋を営業するかもしれないから、商人さんとのトラブルを少しでも避ける為にね。
何と!? 商人さんは商人用のギルドが在るそうで、加盟するかしないかは自由なんだそうです。加盟すると、商人同士のトラブルの仲介や何か在った時には、手助けをしてくれるそうです。もちろん、お金は発生しますが……人手が欲しい時、店舗が欲しい時など色んな事で頼れる、商人ギルドだと紹介されました。……あれ? 俺、もしかして、勧誘されてる?
そんな、マユさんはサブマスターとして、働いてるそうです。マスターは御父さんで、今回の件が終れば、マスターとして引き継ぐそうです。年齢は訊けないけど、見た感じ二十代の前半と言う若さに見える。若い美人社長って感じなのかな?
そもそも、冒険者ギルドと商人ギルドは、両立できるのかな? っと思って訊ねると、『出来ますよ』っと、見事な笑顔で言われ、冒険者をしながら商人をやっている人は、少ないけど居ると、教えてくれた。それに、加盟するのに、金銭は一切掛からず、発生するのは対処する時のみだそうだ。事が起こってからの対処は、ギルドは拒否する事が出来るそうで、みんな先にお金を支払っているそうです。人員等の紹介は仲介費だけで、他は何も取らないそうです。入るべきだろうか……悩むな……っと思ってたら。止めの一言が飛んできた。
「家のギルドでは、冒険者ギルドとは違い、荷物の運び屋を主にやっている者が居りますので、安定した人員で、お届け先まで、お届けしますよ。冒険者ギルドだと、何時依頼を受けてくれるのか? そして誰が受けるのかは解りませんよね? 私達のギルドでは、運ぶ者の素性を明らかにし、もし不手際がございましたら、こちらが責任を負う事に成っています……もちろん余り高価な物の場合は、立ち会って貰う事になりますが」
そっか…これなら、アーレンのアイシスさんの所に、メイル式ポーションを届けて貰えるかもしれない。ああ…でも……メイル式ポーションの値段が高くなるのか……。
「もしかして、運び賃の分、売る商品の値段が上げるしか無いのかと御思いですか?」
凄い……さすが、商人さんだ……ばれちゃった。
「商品の大きさに寄りますが。運び賃の場合は、馬車一台と距離の値段のみでやっています。シュンは、アーレンの魔道具屋との取引を、お考えなのでしょう? それでしたら、片道金貨6枚で、彼らは運んでくれるでしょう……ですので、荷台に商品を沢山積めば積むほど、御得に成ると思いますよ?」
……負けました。何に? 全てにですよ。考えを読まれ……やろうとしてる事……悩んでること……全部、手のひらで踊らされたよ。だって、一言も喋る前に先回りされちゃった。
「商人って怖いですね…全部、当てられちゃったし……しかも先回りして、質問させずに……敵に回したくないタイプですね……あっははは」
もう、笑うしかないな…苦笑いだけど…笑っとこう。
「あははは。そう、怖がらなくても良いのよ。商人が皆、そうじゃないから。私にとって、シュンは友人になった訳だし、それに此処まで勧めたのは、ただの庇護欲さ。シュンは流されて、ファルクスに騎士にされそうになっただろう。その時から今日まで、私なりに観察していたんだけど、興味や向上心は素敵だけど、シュンは何も知らなさ過ぎ何だよ。もし、王都に行けば、真っ先に騙されそうだと思ってね」
「騙されそう何ですか?」
「ええ。シュンは、王都やその周辺の街で一番多いトラブルは、何だと思う?」
ん~、何だろう。盗難? 殺し? 酔っ払い? やっぱり盗難かな?
「盗難ですか?」
「残念それは、周辺と言うより、著しく景気が悪化した、街や村に多いかな。王都とその周辺で一番多いのは、偽装商品と詐欺だ」
「偽装と詐欺ですか?」
「ああ、人口が密集してる分、偽装商品が出回りやすい、下級ポーションを中級と偽ったりな。詐欺の方は、仕入れする時に似た様な材料を持ってきたりね。他にもいろいろ在るけど、手口が巧妙で証拠が掴み難くて、手が付けられないの。王都で稼ぎに来て、家のギルドに入らずに商売してて痛い目を見て、田舎に帰ったり、多額の借金を残して自殺したり、奴隷に落ちた人とかを、子供の頃から見てね、私はシュンがその人達と同じ目に遭いそうなので誘いました。家のギルドに入れば、絶対にとは言えませんが、そう易々と近寄って来ないでしょう」
入ろう……今すぐ入ろう……何か、怖くなって来た。
「入ります! 超怖いんで、是非入らせてください!!」
「ふふ、本当に流され易いのね……本当に心配になって来たわ……」
嘘なんですか? っと聞き返そうと思ったけど、本当に心配してくれてる顔で、何か安心してきたよ。
この旅も、残り3日。何故だか……ローレライ? ハーメルン状態は、続き。とうとう、馬車を手に入れる事が、困難になり捕まえた、賊は王都まで、歩かせる事になったが、それが良かったのか……パタリと、ローレライ? ハーメルン状態から開放され、無事に王都に着いた。
捉えた賊、五十八人。馬車は五台使用、うち徒歩十八名。討伐した魔物、ボルトベア。他、ゴブリン等、多数。
無事に、王都に入った俺は、冒険者ギルドと商人ギルドの場所、それにお勧めの宿の場所を聞いて、マユさんとファルクスさん達と、別れ冒険者ギルドに向かった。
さてと、アランさんとの約束を叶えますか。
これからも、異世界ってスゲェェェ!!(仮)を宜しくお願いします!!
最近、学園系のファンタジーが書きたくて、悩んでます。
次話のサブタイは『王都の冒険者ギルドの受付事情』です




