44話 え・・・あ・・・うそ・・・なにこれ
早めに執筆できたので、投稿しました。
目を覚ますと、知っている何時も寝泊りしている、ランディールの宿だった。あれから、どの位、寝ていたのだろうか。身体の痛みは完全の引いていて、気分も何だか何時もと違ってスッキリしている。今は、朝なのだろうか? それとも夕方なのだろうか? オレンジ色に染まっている光が窓から射している。
朝だったら、人を起したら悪いので、少し待つ事にし。する事が無いので、ステータスを確認する事にした。
「え? えええええええ!? 嘘…だろ」
シュン
人間/男/15歳
剣術 体術
隠蔽 迷子回避 危険察知 隠密
適性魔法 雷 風 水 光
使用可能魔法
魔法(火、水、土、風)
魔法
暗視(闇)、罠解除(闇)、発光(光)、収納魔法(時空)
「スキルのレベルが…無くなってる…どうして…せっかく体術が5もあったのに…」
適性魔法で水と光が増えて嬉しいはずなのに、スキルレベルが無くなったのがショックがでかい。
どうしよ…今度こそ剣術レベルが上がったのかと、思ったのに…むしろ無くなる何て…。
誰に相談すれば良いんだろう…。すみません、スキルのレベル下がったんですけど、どうすれば良いんですか? 何て聞けないし…参ったなぁ。俺、この世界に来て何回、参ったって思ってるんだろう…。そうだ、闘気は!?
「っほ…問題なく使えてる。魔力操作も…大丈夫みたい…」
剣は振って見みないと解らないな。下がってるんだったら、違和感あるし、魔法だって何かやって見れば解るはず…。どっちにしろ、ここじゃ出来ないし。ギルドの訓練場に行ってみるか。
外を確認して、少し暗くなっていた。どうやら夕方だった。気兼ねなく移動できるので、トタトタ走って、宿を出てギルドに向かった。
ブレンさん達は、忙しく事後処理に追われていた。訓練場を使うと伝えた時、心配されたが、無理はしないと伝え許可を貰った。後でギルドマスターの所へ行くように言われたが、覚えてるか解らないと伝えた。
だって、もし能力が下がってたらショックで、忘れているかもしれないから…。
いろいろ試した。剣を振り闘気をコントロールして行き。木の人形に向かってエアカッターを放ったりと。違和感を探した。
「おかしい…普通に使えてる…別に弱くなった訳じゃないし…強く成った訳でも無いみたい…」
最後の巨大ナイトスコルピオンを倒した時にやっていた、闘気の纏い方に挑戦し。
「おお! すげえええ!!」
たまたま出来ただけなのに、簡単に出来た。身体が覚えていたって事なのかな?
でも、直ぐに全身に痛みが走りだし、痛みで集中力が切れ止まった。
痛いし、疲れるな…これ、でもネイルさん達は、これを維持してたんだよね。多分だけど、そんな気がする。ステータスは見た事ないけど、あの闘気の練り方だったから、あんなに早く動けたんだと思う。誰かネイルさん達と親しかった人で、ステータスを知っている人が居たら聞きたいな…教えてくれるか解らないけど。でも、俺と同じ状態だから、探求したのかもしれないし…、解らない事でいっぱいだよ。
問題なく使えるって解ったし。ギルドマスターに会いに行くか。本当に忘れそうだし。
「お呼びでしょうか?」
「おお。来たか。見ての通り君の御蔭で、仕事が増えて、この有様だよ。でも、まぁ今回は嬉しい忙しさなのが、救いかな…座ってくれ、病み上がりの身体で辛いだろうからな」
ギルドマスターの部屋は、最初に訪れた時よりは、少ないが書類で机を埋め尽くしていた。
「シュン、本当に有り難う、君の御蔭で将来有望な冒険者を失わずに済んで、本当に良かったと、ホッとしている。それとブフを殺さずに捕まえてくれた事にも、礼を言わせて貰うよ。有り難う。御蔭で彼を拷問に掛けて、いろいろと自白させる事が出来た」
「…いえ、ただ単に命を奪いたくなかっただけです…あの感触は最悪で、今でも思い出すと吐き気がしますから」
「君は、良い冒険者…いや、立派な人間だな。冒険者をやっていると、命の遣り取りをしている分、命を軽視してしまい。何時の間にか、悪人だからと言って軽く奪ってしまうのが、当たり前になってしまう。命の重みをしっかり解っている人間は貴重な存在だ。その思いは、これからも失わないで大切にして欲しいと、私は思うよ」
「…って言われても、その生かした命が、再び脅威となって襲って来ると言う事もありますけどね…」
照れ隠しで、何て捻くれて見た。
「はっはっは。無責任だが、その時はその時さ。だが、今回は根源とまでは行かないが、その1つを潰す作戦が立案されているし、彼を帝国に引渡し、然るべき罰を受けるだろう、その方が被害にあった者にとって、ほんの僅かだが、立ち直る糧になると、私は信じているよ」
「そう…ですね…」
まさか、捻くれて適当に返した言葉が、立派な言葉になって返って来るとは思わなかった。
「さて、病み上がりの所、申し訳ないのだが、1つ私の願いを聞いてくれないか?」
「願いですか?」
「さっきも言ったが、闇の奴隷商を1つ潰す作戦が立案されて居るのだが、なにぶんブフを捕まえたのを、奴等に知られて逃げられる事だけは、避けたい。そこで、うちのギルドのメンバーで腕の立つ冒険者、並びに職員を連れて潰して欲しいんだ。勿論、拒否権はあるが、受けて欲しい、腕の立つ冒険者と言っても、Dランクの冒険者しか居ない。職員の方でもCランクとBランクは居るが、前線を長く離れてしまった者達だ、不安は残る…報酬は弾む、受けてくれないか」
頭を下げられたらNOって、言えないじゃないか。このマスター、最初に会った時から、人の心を誘導するのが、上手い。計算してる様に見えないけど、計算だったら絶対に友達に成りたくないタイプだ。気が付いたら、きっと知らないうちにパシリにされそう。
「解りました」の一言で受け、明朝に街を出る事になった。速度が命と言う事で、先行する組みと捕獲した奴を乗せる後続組みに分かれた。勿論、俺は先行組みに成り、討伐並びに捕獲作戦に参加した。
何ていうの? ナイトスコルピオンと戦って5日間眠り続け、起きて直ぐにって、人使い荒い世界だな…ってどの世界も一緒か。末端がシンドイ目に遭うのって。でも時給制でも固定給料じゃなく、それ相応の対価が貰える分、こっちの方が良いちゃ良いのか? 命とかその他もろもろの保険や保障は無いけど?
ドルデ荒野を横断して、村と呼んで良いのか判らない小さな村の近くまで来た。どうやら、この村の全てが闇の奴隷商の関係者らしい。
着いたのが夕方、暗く成るまで、村を観察し、攻める戦略を決め夜襲を掛けた。
夜襲? 戦略? 要らなかったじゃないの? って思える程、簡単に終った。確かに、護衛をしていた奴は、強かったと思う。俺と一緒に来ていた冒険者達は悪戦苦闘していた。でも、俺から見れば、ブフ以下の実力の奴等ばかりだった。あ、でも一番強そうだった奴は、ギルド職員さん達が倒し捕縛していたので、個人的な見解に過ぎないかもしれない。もしかしたら、あの職員さん俺より強い? すっごく手際が良かったよ。
で、一番大きな、家に入ったら、囚われている人達が居たよ。しかも女性オンリー。やっぱり女性は高く取引されるからなのかな? それとも偶々? みんな震えているから、同じ女性である冒険者とギルド職員のマルチナさんに任せた。
無事に、ランディールに着いたのは良いけど、問題が山済みだった。
1つ、カチュアにこっ酷く怒られた。
2つ、フェイミィにもこっ酷く怒られた。
3つ、アイシスさんに怒られた。3人とも、病み上がりで行ったのと、何も言わずに行った事でご立腹でした。
4つ、助けてあげた人達の寝床が確保出来なくて、うちの魔道具屋で預かる事になった。そこまでは、良いのだが、何か薬でも飲まされたのだろうか、焦点の合ってない子が、何人か居て、調合する事になった。
で、何時まで預かるかって言うと、王都から、ちゃんとした奴隷商の人が来るまでって事らしい。別に、奴隷として、売り買いとかの話しじゃなくて。闇の奴隷商で刻印を付けられたのを消す為だって話だよ。詳しい事は解らないけど、そこら辺の奴隷商じゃ解除は出来ないんだってさ。本当に迷惑な話だよ。
フェイミィとの仲直りは、直ぐに出来たよ。何ていうの、ドラマとかで言うと尺を目一杯使って、ごめんとか言う長い感動シーンを想像したのに、ごめんなさい…母さんの事も含めてありがとう…って説教序でに謝られた。その場の勢いって凄いよね。あんなにギクシャクしてたのに、今思うと5秒で解決だよ。
アイシスさんは、病気の方は取りあえず治ったみたい。でも、暫くは様子みって言う形かな? 俺に出来る事は、薬を調合する事しかないから、主にブレンさんが検診してる。そんなアイシスさんは、自分は元気だって事をアピールするかの様に毎日、魔道具屋に来てくれて、手伝ってくれてる。それに、未だ知らない調合などの手解きも受けながら、日々勉強してます。
さてさて、家で預かってる子達の様子なんだけど、とても良い人達で助かってます。狐耳さん、ウサ耳さん、ネコ耳さん、タヌ耳さん、犬耳さん、ヒューマンさんの、俺と変わらない位の年齢だと思う女性が、魔道具屋の看板娘として、お手伝いしてくれてるんだ。本当に強いよね、この世界で生きてる人達って。
他にも、10歳以下の子供も居て、狼耳の子に、トラ耳の子、豹耳の子、狐耳の子に、ヒューマンの子供も預かってますが、主にアイシスさんとファラさんが、面倒見てくれてます。特にアイシスさんは凄かった。子供の扱いがプロ級で、最初はママーママーって泣いてたのに、今じゃ、アイシスさんにベッタリです。
ファラさんは、皆の帰る場所等を聞いて調べてくれているので、奴隷商さんが着て解除が終ったら各々を安全に送り届ける様、整えてるそうです。皆が皆、帰れる訳じゃありません。故郷を失った子、守ろうとした家族を失った子も、居ました。
行く当ての無い子が、絶望する間も与えずに、私が引取りますってアイシスさんが名乗りを上げた。ちびっ子と狐耳娘さんは、戸惑ったが、アイシスさんの子供である、ファラ、フェイミィ、グエンが孤児である事を話し、居ても大丈夫と説得した。2人は、新しい居場所が生まれた事で、その場で泣き出して、全員がうれし涙を流していた。
王都から、奴隷商が来るまで、あと15日。俺も、この街から出ようと思う。奴隷商はきっと、王都まで帰るから、一緒に乗せてってくれると良いんだけどね…。
俺は、今後の事を考える為、魔道具屋をアイシスさんと、今の看板娘達に任せた。
俺のするべき事それは。
・女神様の名前を探す事。(今の手掛かりに成りそうなのは、メイルさん達が去り際に執筆してくれた手帳のみ)
・ネイルさんとメイルさんの言う世界の矛盾に付いて調べる事?(ステータスの事があるから)
・アランさんのペンダントを王都に居るレイア様? って人に届ける事。
ネイルさん達のは、頼まれて無いけど、自分で決めた。女神様の名前と、どっちが困難何だろう? でも、女神様の名前を見付けたら、羽を触らせてくれる約束だし、その時に聞けば、きっと答えてくれるはず。
で、1番この中で簡単なのは、アランさんに頼まれたお届け者って訳で、次の『目的地は王都』だ。あと、メイルさん達が示してくれた場所に王都があるしね。
そうと決まれば、準備だな。主に知識とか。さて、どうするか…っと何気なく、宿を出て見たのは良いけど、行く当て等なく歩いていると。
ちびっ子達と手を繋いで街を歩いている、非番のブレンさんに呼び止められ、ギルドマスターが、また呼んでますよ? と言われた。
一回で話しを終らせて欲しいと思いながら、ギルドに向かった。
「えっと、何の御用でしょう?」
「はぁ~。何の用って? シュン、君は、何時に成ったら報酬を受け取りに来るんだい? ギルドは君の貯金箱じゃ無いんだから…それも、ナイトスコルピオンの素材も含めて全てだよ」
貯金箱? この世界には銀行が無いのかな?
「ああ。ナイトスコルピオンは、解りますけど? 他に報酬貰う事しました?」
ギルドマスターは、椅子から転げ落ち。
「君は、冒険者だろ…善意であれ何であれ、行なった行動と結果に相応しい報酬が出るのは当たり前じゃないか。それと、ギルドのランクアップの話しもあるぞ」
「ん~。じゃあ、お金は頂きますが、ランクアップは要りません」
「そうか、そうか嬉しいか、ギルドランクのランクアップは、皆の憧れだからな…うんうん…て!? はいぃぃ!?」
まさかのランクアップ辞退すると聞き、勢い良く立ち上がった。
「Dランクに成れれば、ダンジョンに入れるし、人の信用も其れ成りに貰えるじゃないですか? 他にありますか? 現にナイトスコルピオンって言うランク以上の魔物と戦って報酬貰ってる訳ですし」
「いや、まぁ。報酬は出るが…本当に良いのか? 今回のランクアップはAランクだぞ? 皆の憧れのSランクまで、あと1歩のランクなんだぞ!!」
「別に要らないです…Aランクに成ったら、あれをしろ~。これをしろ~って言われるのが嫌です。自由に旅をするのに、邪魔になるだけじゃないですか?」
早めにランクアップしたって良い事なんて無いって、特に友達とか…友達とか…出来にくそうじゃん。
「ふむ。指定依頼が、そんなに嫌か…女の子にモテるぞ?」
なぬ!? やば…顔が一瞬喜んじゃった。
「そ…それでも…嫌です。戦わないといけない時は、戦いますけど。直ぐAランクだからって頼られるのは嫌です。どうせ、拒否権あるって言っても、逃げ道を言葉巧みに塞がれるのが落ちですから」
あぶな…釣られそうに成ったし。
「そ…そうか。なら、仕方ない。気が変わったら、私の所に来い。変えてやるから」
何とか、諦めてくれた…。
そして、奴隷商が来るまで、あと3日。そろそろ、みんなに言わないと…。別れの言葉を、切り出すのは、難しい。魔道具屋を閉め、街を照らす月を見上げた。
「どうしよう…」
後ろから、自分に近づく足音が聞こえた。
実は…この作品ユニークさんの数字が、余り伸びてないんですよね。でもPVの数がドンドン伸びてます。って事は、リピーターさんが、気になって読んでくれてるって事だと思って、1人で舞い上がって執筆してます。
皆様には、本当に感謝です。
こんな私の作品、異世界ってスゲェェェ!!(仮)を、これからも宜しくお願いします。
次話のサブタイは、『ヘタレなりの、けじめ』です。




