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異世界ってスゲェェェ!!(仮)  作者: ポチでボッチなポッチポチ
ランディールの街
40/87

40話 間に合え!!

 のんびり、執筆中

 調合を始めてどの位経ったのだろう…。未だに聖水の調合から先に進めないでいる。工程的に出来ない訳ではない、ただシュンに遅い来る重圧が先に進めさせてくれない。


 これが、命の重みなのか…手が震えるし、魔力も上手く操れない。…吐き気と眩暈がする…。医者って凄いな、こんな重圧に耐えてメスとか握るのかよ…俺は薬を造るだけなのに…何て重いんだ…。正直言って、逃げたい。このままじゃ、呼吸も上手く出来なくなってきそう。


 ベッドで呼吸が落ち着いて眠っている、アイシスさんを見つめ、一緒に過ごした日々の思い出だけが、逃げたい気持ちを踏み止まらせてくれた。


 手帳を、また読み込んで脳内で薬を調合していく。難しい所は魔力の操作だけだ! 計量だけは終えている。まるで料理番組の様に小さい小鉢に小分けにした様に。魔力操作さえ失敗しなければ…だ。魔力を流す所を重点的にイメトレし始めた。


 カラコロンとドアが開く音が聴こえ。長い髪のヒューマンの女性が店に凄い勢いで入って来た。

「母さん! 母さん!! 母さん!!!」


 母さんって言ってるから、ブレンさんの奥さんかな? 名前は確か…ファラさんだっけ?


「あの! ファラさんですよね? やっと呼吸が落ち着いたんで。そんなに揺すらないで下さい。アイシスさんの御身体に障りますから…」

「え!? あ、はい…すみません。私は、ファラです。ブレンの妻です」


 良かった、人違いじゃなかった。ファラさんも、フェイミィ達と一緒でアイシスさんに拾われたんだよね。そう言えば、アイシスさんには実子は居ないのかな? 居るなら見てみたいな。


「変な言い方になってしまうんですが。ファラさんは如何して此処へ? ブレンさんには、調べ事をして貰う為に、ギルドへ行ったはず何だけど?」

「ブレンに会ったからですよ。私もギルド職員ですから。制服じゃないのは、出勤して早々、知らされたからです。仕事の方はお休み頂きました」

「そう言う事ですか。解りました。ファラさんには、アイシスさんの事をお願いします。呼吸が乱れたら、この薬を飲ませて下さい。あとまめにタオルを変えて上げて下さい、それと店の栄養ドリンクを使って下さっても構いませんから、食事の変わりに飲ませて下さい」

「わ…わかりました。私に出来る事が在るのでしたら、言って下さい」

 これで、調合に集中できる。それに、不思議だ。アイシスさんと2人だった時は、調合に踏み入れる事が出来なかったのに、1人近くに居るだけで出来る気がしてきた。 

 

 材料は聖水を除いて10種類。それを、一つずつ混ぜて行くだけだ。もちろん魔力を使ってだが、一つ増える度に、魔力操作が難しく成っていく。問題なく出来るのは、6種類目まで。7種類目からが勝負だ。


 邪魔が入らない様に、店のプレートをCLOSEに裏返した。

「ファラさん、調合に入るので。成るべく声を掛けない様にお願いします。ブレンさんが着たら用件は後で聞きますと、お伝え下さい」

 ファラさんの返事を聞かずに。今は使われていない部屋に道具を移した。光に触れさせない為の部屋で、昼間なのに真っ暗だった。


 魔力を使わない、使い捨ての発光石で部屋を明るくし。戸を閉めた。


 順番を間違えない様に、何度も何度も確認して、番号を書いた紙を小鉢の下に挟んで行く。何時もなら、簡単に出来る作業なのに、難しく感じる。そして、いよいよ本格的に調合を開始した。





「おい、お前ら行くぞ! ささっと馬車に乗りな」

 黒服で2振りの剣を提げた男が、フェイミィ達に指示を出した。この男、本当に何もしない。口だけは達者で、あれこれ指示は出すが、戦闘に全く参加せず『お前らなら、これ位は倒せるはずだ!』などと言って、自分は馬車の中で座っているだけだ。野宿する時は『これも、これからの為の訓練だ!』っと言って自分は寝てしまう。


 ダンが馬車の手綱を引き馬車が動き出す。カタカタっ揺れ出す荷台の中でフェイミィは、謎の男と話している、グエン達を見ていた。


 何なの、この男! ダン達は信じきってるし…グエンまでも、あの男に何か訊きに言ってるし。そもそも本当に、あの『ナイトスコルピオンを倒したの?』Bランク冒険者のパーティーでも発見したら逃げ出すのが当たり前なのに。ソロで倒す程の人なら、貴族等に召し抱えて貰えるはず…なのに何故!? この男は、私達をドルデ荒野に連れて行ってくれるの? 何の得があるのかしら? 解らない…まったく理解できない。


「どうしたのフェイミィ? 身体の調子でも悪いの?」

 何時の間にか、メディがフェイミィの視界に入って顔を覗き込んでいた。

「え? ん~ん、何でもないよ」


 言える訳が無い。証拠も何も無いのに、その男が怪しい何て。ダン達は、2年も冒険者やってるんだから。私なんかより、人を見る目あるはず。私が冒険者に成った時。いろんな人に話しかけられたけど、その殆どが、私の体が目当てだったのを、見破って止めてくれたんだから。きっと、今回の事も2人が正しいはず。2人を信じよう。


「!?」

「フェイミィ、やっぱり何処か悪いんじゃ?」

「何でも無いってば」

 首を振って否定をした。『そう、なら良いけど』と言って、メディは、ダンと交代する為に御車台に向かった。

「いま…母さんに呼ばれたような…」

 何となく、荷台の隙間から空を見上げた。




「はぁ…はぁ…うぅ…はぁ…」

 本格的に調合を開始して。かなり時間が経ち。何とか調合の6種類目まで来ていた。あと4種類を混ぜれば完成なのだが。シュンの体からは、まるでサウナにでも入ったのかと言うほどの、大量の汗が流れ落ちていた。息も乱れ、意識までも奪ってしまうのではっと言うほどだ。

 今のシュンを繋ぎとめているのは、純粋なまでな程の気持ちだけだ。アイシスさんを助けたい。一秒でも早く完成させて、フェイミィの捜索をして、『アイシスさんの病気は治ったよ』っと言う為だ。それに…

「母さん…大丈夫だよ。きっと薬を造ってくれる人が来てくれるから…」

 っと、シュンが、その調合をして居るとは知らずに、ファラさんが頑張ってアイシスさんを励ましてるのを、間近に聞いているだけで、シュンは頑張れた。



「ふぅ~。これで、7種類目…次は…鎮静花の粉末か…」

 慎重に鎮静花の粉末を、少しずつ入れて魔力を流し込んで行く。既に日は完全に落ちて、夕飯時なのだが、日の光が入らず、重圧やら疲労でシュンは時間と空腹の感覚が、麻痺し始め行く。それでも、休み事無く調合を続けた。





「グエン! 交代の時間よ」

「シュンドランさんは?」

「シュンドラン? …ああ、あの男の事? いつ自己紹介したの?」

「昨日、宿屋で『ナイトスコルピオンを倒した冒険者の噂』を聞いてさ。その人の名前が、『シュなんたら』って名前なんだって。それで、今日の馬車で名前を確認したんだ。そうしたら『俺の名前は、シュンドランだ』って教えてくれたよ」

 そう言えば、シュン君がドルデ荒野から戻って来た時に、噂話が広まった様な…。そんな訳ないよね。彼の剣の太刀筋は綺麗だったけど、そんなに強そうに見えなかったし。でも、本気じゃなかったら…まさかね。

 彼女の頭の中で、初めて出合った時の、ギルド前で震えているシュンが浮かんだ。

「グエン! 私達は、そのシュンドランって言う人の、戦ってる姿を一度も見てないのよ! だから、信じきるのは辞めなさい! 私達を、ドルデ荒野に連れって行っても、あの男には、何の得も無いんだから、明後日には、ドルデ荒野に入るんだから、気を引き締めなさい」

「でも、噂されている姿が一緒なんだよ。姉さん、どうしたんだよ! 前の姉さんなら、喜んでるだろ!! 変だよ…絶対変だよ!!」

 苛立ちをぶつけ、その場を後にし、皆の待つ馬車まで戻った。


 確かに、昔なら。ん~ん、変わったのはシュン君に出会ってから。私は、低ランク冒険者だから助けて貰えて、当たり前だと思ってた。今まで、ダン達に助けて貰ったり。同じ女性冒険者の人達に甘えてた。何時の間にか、考える事を忘れていた。初めて1人で薬草を取りに行った日の帰りの事を。あの時、帰り道で偶然ゴブリンの集団に出会ってしまい。必死に逃げて、どうやって母さんの下へ帰るかを考え抜き、生還した日だ。あの時の私は冒険者だったんだと思う。


「グエン…貴方は、シュン君に会う前の私と同じよ」

 夜空を眺めながら、ポツリと呟いた。





 朝日が昇り、街が明るくなり始めた頃、魔道具屋のドアの鈴が鳴った。

「シュンさん、解りました!! あれ? あ! ファラ起きて下さい! シュンさんは、何処ですか?」

 アイシスさんの手を握りながら、眠っているファラを起こしながら、シュンの居場所を訊ねる。

「…ん……ブレン? シュン君なら…あそこの、部屋に…」

 懸命の看病で、付かれ切っていたのだろう。寝惚けながら、シュンが入って行った部屋を指し。また眠ってしまった。


 その部屋のドアを、勢いよく開けたブレンの視界に入ったのは。

「…で…き…まし…た」

 と、プルプルと震える手で、ポーション等を詰めるはずだった、複数の小瓶の方向を指した。

「シュンさん! 大丈夫ですか!? 取りあえず休んで下さい!」

「いちにち…さんかい…のま…うっぷ…オエエエエ」

 空になっている。桶に、もどした。

「解りましたから…ありがとうございます…本当に、ありがとうございます」

 楽になるように、背中を摩りながら御礼を述べる。

「おれ…やどに…」

 立ち上がり宿に戻ろうとしたが、体が言う事を訊かずに倒れ、意識を手放した。

「あ! こんな無茶をさせて、すみません…魔力を極限まで使ってしまうなんて…」

 倒れて床に激突する前に、ブレンが体を支え。涙を流しながら、シュンをソファーに寝かせる為に運んだ。 


 風が気持ちいい。って俺は確か、薬の調合をしてたんじゃ・・・。それに、後頭部が程よく気持ちいい様な。

 うっすらと目を開けると。

「良く頑張ったの! シュン君は、本当に優しい子なの」

 メイルさんに、膝枕されてて頭を撫でられながら、誉めてくれている。

「メイルさん…おれ…」

 フェミィの事を話そうとしたが、声が詰って上手く話せず、涙いてしまった。

「うん。解ってるの…本当にシュン君は、泣き虫さんなの」

 何で、こんなに夢の中に現れるか訊いたのだが笑って、はぐらかされ。『今は休むの』っと頭を撫でながら、強制的に休まされた。


 目を閉じ。風とメイルさんの膝を感じた。そのままで良いからと言われながら、メイルさんのお説教が始まった。

「魔力の使い過ぎは危険なの! 魔力を全て使い果たしたら死んでしまうの! だから、やっては駄目なの! 本当にしちゃ駄目なの! 約束なの!!」

 っと言われたが、メイルさんの説教はちっとも怖くないけど。優しさを感じる。本当に心配してくれてるんだと、すんなり心に染みた。


 優しい御説教が終わった頃に、こっちに向かって歩いてくる足音が聞こえ。目を開けた。

「シュン…もう一踏ん張りよ!」

 ネイルさんが、俺の傍に立ち。あの片手剣をもう一度渡してきた。


 剣を受け取り立ち上がって、その剣を背中に差し。

「はい!」

「頑張ってきなさい!」

「シュン君は、1度魔力を極限まで空にしたから。暫く魔法は使えないの、その変わりに魔力が回復したら、今まで以上の魔力を手に入れてるはずなの!!」

「行ってきます!!」

「「いってらっしゃい」」



「んん…」

 目を開けると、魔道具屋のソファーの上で目を覚まし。体を起こすと。

「シュンさん! 大丈夫ですか? 宿に戻ってお休みになられた方が・・・」

 ブレンさんが、そばに居てくれたみたい。でも、言葉に甘えて休む訳には行かない。約束したんだ、もう一踏ん張りするって。

「フェイミィとグエン達の事、何か解ったんですか?」

「ええ。今はギルドを上げて捜索してます」

「俺も、今からドルデ荒野に行きます」

 収納魔法を隠す事無く、装備し。店を出た。

「待って下さい! ギルドから、捜索班に渡している書類を持って来ますから!!」

 情報が無いのも困るから、宿屋の食堂で、食事を取りながら待つ事にした。


「お待たせしました」

 食事の手を止めて振り向くと。鎧を着た、ブレンさんが居た。

「ブレンさん、その鎧?」

「私も結婚する前は、冒険者でした・・・って言っても、Eランクですけど。足を引っ張るようでしたら見捨て下さっても構いません、私も一緒に行きます!!」

 一気に食事を終え。

「行きましょう!」



一番小柄な馬車を借り、本調子で無い身体を休ませる為に、交代しながら馬を駆けさせた!

 やっぱり、執筆って難しいです。上手く出来たと思って読み返すと。あれ?ってなって書き直しが、始まったりと。悪戦苦闘してます。


 こんな、私の作品、異世界ってスゲェェェ!!(仮)を宜しくお願いします。

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