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異世界ってスゲェェェ!!(仮)  作者: ポチでボッチなポッチポチ
初めての街
23/87

23話 決着!!

 だんだん難しくなってるような・・・気がします。

 「・・・・ぁ!」

 ネイルは、未だに振り下りて来ない剣を不思議に思い、顔を上げ目を疑った!! そこには、この1ヶ月間で、何度も目にした、弟子の剣が邪神の剣を、受け止めていたのだ!!


「シュ・・・ン!?」

「ほう、小僧が我の相手をすると申すか。 その脆弱で貧相な闘気でか。」

 邪神は、詰まらなそうな表情で、剣に軽く力を込め剣ごと振り抜こうした。


「く!? んぐ・・・んん!!」

 シュンは、邪神の力を逃がし、何とか3人まとめて、斬られる事を免れた!!


「フッハッハハハ!! 小僧が頑張って凌いで見せたぞ!! これもまた、興味深い!! そこの2人の弟子と言う訳か、ウム。決めたぞ、我を満足させた2人の弟子の力を試させて貰うぞ!!」

 さっきとは違い、シュンは、邪神に興味を持たれてしまった!! 邪神は、シュンから感じる闘気より、強めの闘気にまで、落として、シュンと戦い始めた。


「お前が、メイルさんが、言ってた邪神か・・・くぅ・・・アランさんの体から出て行けええええええええええ!!」 

 アランの体に、憑いている事が許せなくて、噛み締めてから、思いを込めた剣を振った!


「ふむ、弱き者よ!その程度の力しか無いのか!」

 ネイルの剣速に比べたら、余りにも遅い剣速、そんな剣など受ける事せずに、優雅に避けて行く。シュンは、ひたすら剣を振り続けるが。単調になった所で、邪神は剣でシュンを弾き飛ばした!!


「う!? ぐ・・・・ぬあああああああ!! うぐ!!」

 最初は踏ん張って、体制を維持して地面を引きづったが、踏ん張りが足りず地面を転がり、障害物にぶつかって、止まった。


「フム。あの程度で、ああ容易く飛んで()くのか! 加減とは難しい物だな!!」

 どうやら、あれでも手加減をしてるらしい。


「シュン!! 逃げなさい!! 貴方では無理よ!!」

 傷付き戦意を失っていた、ネイルが叫んだ。それでも、何度も挑み続けるシュンを見て、何度も飛ばされる所は見ていられなくて目を瞑ってしまった。倒すには奇蹟を起すしかないが、メイルが起きない事には、その奇蹟も起こらない!!


「メイル・・・起きて・・・シュンが・・・戦ってるのよ・・・」



「うおおおおお!!」

「何度も向かって来るのは良いが、何度も飛んでは、何の面白みも無いわ!!」

「ぐ・・・・ぐぬううううううう・・・ぐぐ」

「ほう堪えられる様には、なったか!!」

「まだまだあああああああああ!!」


 何度も飛ばされながら覚えた、ネイルさんの業、攻撃を弾いて相手の隙を作る業・・・・あと少しで掴めそうになっている!! その少しが、埋まらない!!


 いつの間にか、攻撃をする度にアランとの思いでを、一つ一つ思い出していく。初めて街に着いた時、エプロンネコ亭で食事した時、クエストの事について相談した時、剣術について教えて貰い見せて貰ったの記憶が脳裏に現れてきた。


「!?」


 そして何度も邪神の攻撃を受けて、一つ解った事がある。それは、邪神の剣の太刀筋が、アランが、見せてくれた剣の太刀筋だった!!


「アランさんの太刀筋だ!」

 邪神の太刀筋は、アランの得意の剣技、そしてアランさんは言った、この技には弱点があると。


 そしてシュンは、邪神の中に潜んでいる、アランの部分を見つけ、怒りが込み上がってきた!


 剣を握る手に力が入り、邪神に対しての怒りが闘気になり始めた!! 


「アランさんの体を乗っ取った! お前が許せない!! その体でネイルさんと、メイルさんを傷つけたお前が許せない!!!」


「だめえええええ!! シュンその闘気の練り方は!! だめえええええ!!」

 ネイルは、怒りで闘気を練るシュンを止める為に叫んだ。


 怒りで練る闘気は、一時的に、闘気は跳ね上がるが、その分デメリットが大きいのだ!!

 

 それは、簡単に、戦意を喪失してしまう事!!

 怒りで練るからこそ、自分の体の限界を簡単に超えてしまう、そんな無理をすれば当然、戦いに勝っても、身体が廃人になってしまうのだ!! 



 ネイルの、声は届く事は無かった。


「アランさんの体から出て行けええええええええええええ!!」

 その思いを全て、剣気に込め放った一撃が邪神の体に届いた!!

 アランが教えて呉れた弱点!! それは・・・



「ぐ!? 褒美だああああああ!! こぞおおおおお!!」

 まさかの一撃で傷を負った邪神は怒り、本気の一撃をシュンに放った!!

「!?」

 シュンは、全く反応できなかった。ただ解ったのは、『死』のみ!!

「ぐぅ! うぅ!!」

「まに・・・あ・・・たの!」

 ネイルが剣を受け止め、メイルがシュンを後ろに引き寄せ後退した!!

「なんで・・・きたの」

「ごめんなさい・・・でも大切な人が・・・」

 俺は戦闘中だと言うのに、また泣いてしまった。

「シュン・・・くん・・・泣き虫さんなの・・・」

 メイルさんも泣いていた。


「ほう、また剣を交わしあう気になったか! だがもう遊ぶ気は失せたわ!!」

「ぐぅ! っは!」

 ネイルは剣を捌き、2人の下へ後退した。

「ネイルさん・・・」

「シュンの、御蔭で助かったわ、メイルが動けるまで、良く粘ってくれたわ、もう無茶をしないで!!」

「そう・・・なの」

「すみません・・・」

「手加減してたとは言え、邪神に良く一撃入れたわね、師匠としては鼻が高いわ」

「実は・・・」

 俺は邪神の太刀筋の中に、アランさんの太刀筋があった、とネイルさん達に報告した。

「なるほど・・・」

 ネイルさんは、何かを納得したようだ!!

「メイル、魔法の準備をして、シュン悪いんだけど・・・・」

「言っても無駄みたいなの」

俺も戦います!! と言う視線を2人に向けていた!!


 とうとう、朝日が昇り始めた。


「シュン君は、私の合図に合わせて風魔法を放つの」

「はい」

「じゃあ、行くわよ!!」

ネイルの合図で、皆構えた。


「さあ!! 引導を渡してやろう!!」

 邪神とネイルは、お互いに向かって走り出した!!


「ほう!! 持ち直したか!!」

「弟子の前よ! 見っとも無い所は、もう見せられないのよおおおおおお!!」

 ここに来て、一番の剣戟が始まった!!


「シュン君、エアカッターの準備なの!」

 メイルさんに、言われるまま詠唱を始めた。俺は、剣のぶつかる音、剣が空を裂く音しか判らなかった。


「なぬ!? 何故だ!? なぜ貴様は、また強くなる!!」

「強くなんて、なってないわ!! 貴方が邪心では無く騎士アランだからよ!!」


 ネイルは、完璧に邪神の攻撃を防ぎ、斬り付けて行く!


「我が、アランだと!? どう言う事だ!! アランの肉体は完全に我が支配しているはずだ!!」

「せっかくのチャンスなのよ!! 教える訳ないじゃない!!」

 ネイルは、邪神を追い詰めていく!!


 邪神は、確かに剣術の腕が上がった、それは、自ら見に付けた技では無い。アランが今まで、血の滲む努力で身に付けた技だ!!


 アランの弱点、それは騎士に成る為に磨き上げた、純粋なまでに騎士道を体言した剣技だ!! 正直過ぎる太刀筋が、欠点だと以前、シュンに話していたのだ!!


 邪神ではなく、アラン自信が剣を、振るえば欠点を利用して戦っただろう。


 気付かない邪神は、ネイルの剣が、隙間を縫って斬りつけて来るのだ!! そのネイルの剣は攻撃と呼べる物では無かった、言うなら教え子に木剣で、悪い所を指摘する、指導の様に剣を入れるだけの剣技に成っていた。


 (たい)したダメージに成らない斬撃を、受け続け邪神は、苛立ちを増しって行った。

「ぬう!? きさまああああああああああああ!!」

 邪神の怒りに任せて振った剣を、ネイルは下がって回避した。


「今なの!」

「エアカッター」

 メイルさんの合図に合わせて放った、エアカッターは邪神に命中した!!

 

「っぐ!? 貴様も我を愚弄するのかああああ」

 邪神が、俺を睨み付け走って来た!

「駄目じゃない、目の前の相手に背を向けちゃ? ハァアア!!」

 邪神の背中に、ネイルさんの全力の連撃が、放たれた!!

「ぐ!? ぐあ、あう、うぐ!!」

 連撃を全て受け、邪神は、その歩みを止めた。

「サンダーボルトおおおお!!」



「ぎざまああああああああああああああああ!!」


 メイルのサンダーボルトが命中し、爆音が響き渡り爆煙が舞った!!


 邪神の放っていた、常識外の闘気と魔力は、途絶えた!


 シュンは、これで終わったと、アランの事を思い涙を流し黙祷を捧げた。


「シュン、まだ終わってないわ!!」

「そうなの、最後まで油断しないの!!」


 2人に注意され、気持ちを立て直そうとするが、一度下がった気持ちを立て直すのは難しかった。


 ネイルとメイルは、サンダーボルトで出来た穴まで、体を引き摺って歩き、煙収まる前に、確認に踏み込んだ。



「「!?」」

「しまっ!!」

「シュン君逃げるの!!」

 

 一筋の線となって煙を切って、シュンの前に、邪神が現れ剣を振り下ろそうとした!!


「・・・うぐ!?」

 剣を構えたが、タイミングが合わず、恐怖で目を瞑った。

「・・・・う・・・ぐ・・・シュン・・・頼む・・・俺を・・・・きってくれ」

「ぇ? ア・・・ランさん?」

 そこには、邪神の力に抵抗しているアランがいた。

「頼む・・・俺を・・・騎士として・・・人間として・・・斬ってくれ」 

「俺は・・・」

「時間が無いんだ・・・頼む・・・」

「無理です・・・できま・・・せん」

「せめて・・・お前の手で・・・ぐ!!」

 アランの体を巡って、邪神とアランが(せめ)ぎ合い出した。

「俺は・・・・アランさんに!!」

「シュン・・・」

「!?」

 アランは、シュンの構えていた剣に、自ら刺さった。

「あ・・・あ・・・アランさあああああああああああああん!!」

「すま・・・ない・・・・がは!?」

 アランは吐血し、倒れた。そして、邪神の魂がアランの体から抜け出て、シュンの目の前で砕け散った!


 シュンは、アランを抱き起こした。

「アランさん!! 邪神は出て行きました、街へ・・・街へ帰りましょう・・・」

「シュン・・・俺は・・・守りたかったんだ、あの人が愛した・・・アーレンを・・・」

「アランさん・・・」

「これ・・・を・・・王都の・・・・レイア様に・・・」

 アランは、ペンダントをシュンに渡した。

「はい・・・」

「あり・・が・・・」

「アランさあああああああああん!! うあああああああ!!」


 俺の嘆きが、クルワルの森に響き渡った!!

 次回で、初めての街編が終わります。

 これからどうしよ・・・・。


 これからも、異世界ってスゲェェェ!!(仮)を宜しくお願いします

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