20話 Sクラス冒険者ネイルとメイル (後編)
のんびり執筆中です
メイルの問い掛けに、アランは肩を震わせ強張った表情で語りだした。
「はっはっははははは・・・君達の言う、生きるって何だい? アーレンは生きている!! 住民は笑い、買い物をし、食事もして、賑わっていたじゃないか! 何処に死んだ者が居ると言うんだい!? 『死にながら生きている者』と、『生きながら死んでいる者』の違いは何処にある!!?」
「「・・・」」
アランに圧倒され、ネイルとメイルは言葉が出なかった。
「夢も希望も無く下を向いてる者! ただ人を騙し欺き、目の前の利益のために、生きている者! 権力を傘に着て人を虐げる者! 種族が違うだけで、嫌う者!! 俺が今、守ってるアーレンは誰もが笑い、誰も悲しむ事も無く皆幸せに生きてるんだ!!」
アランは息を切らせ、己の感情を吐き出した。
「そこに、アーレンに暮らしていた者達の意思は何処にあるのよ!!」
「貴方はそれで、良いと思っても、他の街で帰りを、待ってる家族達の気持ちは何処にもないの!!」
「ならその家族がアーレンに来れば良いだろう、あの『少女』の様に!! 結界が包んだ中では、皆が幸せに暮らせるんだからな!!」
アランの声が戦いのゴングと言わんばかりに、両者が走り出した。
ネイルとアランは、剣戟を始め。メイルは邪神と魔法で激戦を繰り広げている。
剣戟では、ネイルの方に部があるが、魔法戦を繰り広げているメイルと邪神。いくらSクラス魔法使いと言えど1人で邪神の相手は無理だ。
「くぅ・・・強いわね・・・貴方・・・」
「剣聖であるネイルさんに、そう言って貰えて光栄です」
アランは、微笑んだ。
「久しぶりに剣聖って呼ばれたわ、こっちは、一刻も早くメイルの加勢に行きたいのよ!!」
「そうはさせませんよ!!」
お互いの剣撃が、さらに加速して行く!!
「我が大地に恵みの壁をウォーターウォール」
「なかなかやるぞい、短い詠唱で、そこまでの威力、良い言霊ぞい、邪神に落ちたとは言え、無詠唱で放つ我が魔法は、最上級魔法と同等ぞい。何時まで持つのか、楽しみぞい!!」
邪神は、嬉しそうに、火、土、水、風っと連続に魔法を放ってくる。
メイルは防御で手一杯で、攻撃する余裕がない、普段なら、上級クラスの魔法の3つや、4つ同時に無詠唱で放てるが、洗脳魔法の防御も同時に行ないながら防いでるのだ。
「このままでは・・・まずいの・・・」
「いいぞい! いいぞい!! もっと楽しませてくれぞい!!!」
邪神の魔法の威力が、どんどん上がっていく。
「!? ・・・さすが・・・邪神なの・・・性格も陰湿なの!!」
剣戟を繰り広げる、ネイルとアランは、ネイルが押し始めた。
「さすが・・・剣聖ですね・・・だが俺は、ここで負ける訳には行かないんだぁぁぁぁ!!」
アランの体から、血が流れ出し、動きも鈍くなっていた。
「そろそろ、諦めてくれると、助かるんだけどね、ハァア!!」
剣気を乗せた強い、1撃でアランを、邪神方面へ、吹っ飛ばした。
「ぐぅ!!・・がは・・・うぅ」
アランは、剣で受け止めたが、その衝撃には耐えられず、ネイルの思惑通り邪神の足元まで、飛ばされた!!
「主君情けないぞい・・・!?」
ネイルの剣が、邪神に迫ったが、邪神は魔力で剣を創り、簡単に受け止め弾き返した。
弾かれた衝撃を利用して、メイルの前に立ったネイルは、狙いを邪神に絞るため、メイルと作戦を立てようと相談しはじめた。
「待たせたわね、メイル」
「姉さん、遅いの」
「邪神だけでも・・・・何とかしないと・・・」
「姉さん、あの邪神が、何の神か解からないと、簡単に倒せないの」
「それはセオリーだけど、力で倒せばいいじゃない!!」
「それ前代未聞なの!」
忘れられた神、それが邪神!!
邪神に対抗するには、その名を知る事、名を知れば邪神の攻撃への耐性が付き、倒す事は不可能では無い。
知らずに戦うのは自殺行為と言われる程、無謀なのだ!!
「誰も、やらなかっただけじゃない!私達が成し遂げればいいのよ!!」
「姉さん・・・相変わらずなの」
もはや、作戦ではなかった。
「くそ!! 剣聖ネイルの名は・・・ここまでとは・・・・がは」
吹っ飛ばされたアランは、その衝撃で内臓が傷ついいたのか、吐血した。
「主君・・・弱すぎるぞい?」
「馬鹿言うな、彼女が強過ぎるんだ!!」
「主君が、人間である事を辞めれば、まだまだ強くなるぞい!」
「ふざけるな、そうしたら、俺がアーレンを守る騎士では、無くなるじゃないか!」
「変な、主君ぞい、・・・・・・もう既に騎士では無いぞい・・・」
邪神は、アランに聴こえないよう呟いた。
「姉さん、邪神は洗脳魔法は多分使わないの」
「どう言う事メイル?」
「邪神は、私達と戦うのを楽しんでるの」
「そう、それを、衝くしかないわね」
「チャンスは多くないの」
「メイル・・・」
「姉さん・・・」
今まで、何度も強敵と立ち向かい、何度も切り抜けた2人だからこそ、細かい打ち合わせは要らなかった。
「けんせいいいい!! 決着を付けさせてさせて貰うぞおおおお!!」
アランが、渾身の力で、剣を構え走り出した!
「メイル頼んだわよ」
「分かってるの」
ネイルがアランへ対峙するかと思われた時!!
ネイルは、真横に飛び、アランの剣は空を裂いた瞬間、メイルの氷魔法がアランの自由を奪った。
「ぐ!? これは!? けんせいいいいいいい!! 卑怯だぞおおおお正々堂々、たたかえええええ!!」
自由を奪われ、力付くで足掻くが、ビクともしない苛立ちを、ぶつけ叫んだ!!
「悪いわね、私は騎士じゃないわ!それに、戦いに卑怯も綺麗もないのよ!!」
「不意打ちをしたのは、貴方達が先なの!!」
ネイルは鞘でアランの意識を絶ち、そのまま邪神まで、走って行き、メイルは、付かず離れずとネイルの後に付いていった。
「主君・・・いや、アラン本当に使えん男だ!! さっさと俺の提案を呑めば、こんな事に成らんかったと言うのに」
邪神の雰囲気が、一変した。
「雰囲気が変わったわ、メイル! ここからが本番よ!!」
「わかってるの」
「さぁ、足掻いて足掻いて、我を楽しませるが良い」
邪神は、2対1になったと言うのに、未だに余裕の表情だった。
「行くわよ、邪神!!」
ネイルの剣が邪神に迫るが。邪神は簡単に剣で往なし、魔法で反撃をして来た!!
邪神の魔法はメイルが防ぎ防御を担当し、ネイルは剣で攻撃を担当する!
2人だから出来る! 双子だからこそ出来る! 今まで常に傍に居るからこそ!!
今、2人は最大の境地に至った!!お互いの考え、動き全てが考えるより早く、まるで呼吸をするかのように、完璧なまでに完成された連携で邪神と渡り合いネイルの剣が邪神の体に掠り始めた。
「く・・・たかが!! エルフ如きがああ!! 調子に乗ってんじゃねええええ!!」
邪神には余裕の顔が無くなっていた。
「「いま!!」」
邪神が魔力を高めようと力をタメた時!!
メイルの十八番エアバーストが邪神の目の前で爆発した!!
「ぐ・・今のは、痛かったぞおおお!! もう許さん!! 貴様ら転生出来ぬよう・・・!?」
ネイルは、後退し最大の剣気を剣に流し、爆風が収まる瞬間に邪神めがけ走り出し全身全霊を掛けた剣戟を放った。
「はあああああああああ!!」
「ぐわあああ!!・・・たかがエルフ2匹如きに・・・手古摺らせるなああああああ・・・・!?」
苦し紛れで反撃をした、邪神の攻撃は空を裂いた
ネイルは後ろに下がって回避したのだ!
「メイル!!」
「我、放つは我が道を阻む者に鉄槌の裁きを、その力は全ての者を無に帰し、汝らの肉体と魂を母なる大地に帰す、その力は時には風、時には水、我が魔力でその裁かれし者を示す、サンダーボルトおおおお!!」
バシャーーーーンっと体に響くような音と共に、邪神を巨大な雷が直撃した!!
「このおおおおおおくそおおおおおエルフがああああああああああああああああああああ!!」
「「はあ・・・・はあ・・・はあ・・」」
最後に全身全霊を込めた、2人は地面に座り込んだ。
「これで、シュンが、街へ行く時間が作れたはず・・・」
「シュン君ならきっと、大丈夫なの・・・」
「そ・・うか・・・その者の・・・・命を絶つ・・事が貴様らに・・・さいだいの苦痛を・・・与えることになるのか」
サンダーボルトで出来た巨大な穴と爆煙から、声が聞こえた。
「さすが邪神・・・まだ生きてるとは」
「しぶとすぎるの」
邪神の体は、四肢を失った状態で尚も敵意は消えていなかった。
「その姿では何も出来ないの・・・」
「私達には取り憑けないわよ!! 私達エルフの魔力量を舐めないで!!」
「肉体なんぞ、そこに在るではないか」
邪神の体は消滅し、球体となった魂が向かった、その先には!!
「姉さん・・・アランなの!!」
メイルはアランの方を視線で、ネイルに教えた。
「う・・・間に合わない」
ネイルは、疲れた体に鞭を打って走った!!
「アラン起きなさい!!」
ネイルとメイルは無防備になっている、アランに呼びかけた。
「遅い!!」
アランの中に入った。
「ぐう!? ・・・あああああああああ」
アランの精神が、邪神に侵食され始めた!!
「ふっふ、フハハハハ、経緯はどうあれ、目的は達した!! あとは、お前らを消せば、我が計画に支障はない!!」
「計画ですって!!」
ネイルは剣を構え、問う。
「そうだ、アーレンの近くには、ダンジョンなど存在もしなければ、出現もしていないのだ!!」
「「な・・・」」
2年前の事件・・・ダンジョンから魔物が溢れてアーレンを襲った、その事実が嘘だと、この邪神が言ったのだ!!
「そうさ、我が仕組んだ、我は神として生まれ、崇められ祭られるべき存在だった!! なのに貴様らは勝手に造り勝手に忘れた、その恨みを晴らすのは当然であろう! それこそ好き勝手に扱われたんだ、我だって好き勝手して、当然であろう?」
「間違ってるの、昔は崇められたのなら、また崇めて貰う様に行動すれば良いの!!」
「流石は、勝手な者共だ、我の苦しみも知らずに良く言う・・・まだ体は馴染まぬが。貴様らの弟子くらいは消せる。」
邪神は、アーレンに向かって、黒く光る魔力を放った。
その魔法でアーレンの街の姿は廃墟に変わった!
「メイル急いで!」
「姉さん!!」
「ここは私が何とか時間を稼ぐから!!」
「わかったの・・・シュン君を・・・安全な所に連れてったら戻ってくるの」
「お願い、メイル!!」
「間に合ってなの・・・」
メイルは全速力でアーレンに向かって走っていった。
魔法詠唱は考えるのが難しかったです。
皆様に伝わる様に頑張っているのですが、なかなか執筆スキルが上がらない自分が悔しいです。
異世界ってスゲェェェ!!(仮)を、これからも宜しくお願いします!!




