13話 宿屋とステータス
ゆっくり執筆中、主人公もゆっくり中
雑貨屋で手帳を2冊購入した、1冊銀貨1枚とは高いが、紙が貴重なのだろう。
「爺さん、ただいま」
「おお~若いの、今戻ったか!」
爺さんから、鍵を受け取り、部屋に戻って買った物を置きに行こうとした時、鳴りを潜めていた腹が鳴った。
「ぁ・・・」
「あれから、何も食ってないのか、余程大切な用だったんじゃな」
「ああ、新しい出会いを求めてな」
と、盛大に腹が鳴った事を無かった事にしようと、格好を付けて、背中にある『リべレーションソード』を、つんつんと、指して言った。
「ほほう、食事は、いつでも食えるよ」
っと爺さんは、食堂の場所を指して、教えてくれた。
「ああ、分かった」
俺は食堂に行き、席に付いた。
「いらっしゃい、貴方が、お祖父ちゃんが言ってた若いお客さんね?」
っとエプロンと髪が邪魔にならないように、後ろで纏め三角巾をしている、女の子が片付けている食器を持ちながら話しかけてきた。
「俺以外に若い客が居なければ・・・・俺だな」
「じゃあ、貴方で決まりね、私はカチュアよ、お祖父ちゃんが言ってたのよ、珍しく若いお客さんが来たって」
「へぇ、そうなんだ、俺はシュンしばらく泊まるから、よろしく」
「ええ、よろしくね、今、持ってくるね」
っと言ってカチュアが、厨房に戻っていった。
「アランさんが安いって教えてくれただけあって、人がいっぱいだな」
と、呟いていたら。
「あら、アランさんと知り合いなの?」
「早いね、カチュア」
「まぁね、食事付きで安い宿の特権の、ひとつよ」
と言って、料理を置いた。
「へぇ~、ではでは、爺さんの言う絶品料理を頂きますかね」
料理は簡単な物で、ワンディッシュ料理だった。
「ねぇねぇ、アランさんとは、どんな関係なの?」
カチュアが聞いて来て、俺の向かい側に座った。
「ああ~、俺がボロボロになって、この街に来た時に、色々と世話になった人だよ、この宿もアランさんに教えてもらったんだ」
「はぁ~、流石は、アラン様って所かしら?」
「アラン様?」
「アランさんが、アーレンに来てくれた御蔭でこの『町』が『街』に変わった、て言われてるわ」
「町が街に?」
俺は食べながら、質問を返した。
「私は、ここに来て1年しか、経ってないから詳しい事は分からないの、皆話そうとしないのよ、お祖父ちゃんもお祖母ちゃんも話してくれないし・・・・・」
「何か事件でも起こって、アランさんが解決して、『様』なのか?」
「そう言う事みたい、街でアランさんを知らない人は居ないんじゃないんかな?」
「へぇ~、ただの優しいイケメンのお兄さんだと思ってたよ」
「確かに、イケメンで街の女性に人気ね」
「カチュアも?」
「私は、パスよパス」
「顔じゃないと?」
「顔と性格は好みだけど身分がね・・・・」
「身分?門番やってるんだから?平民なんじゃないの?」
「普通は、そうみたいだけど・・・アランさんは、貴族の次男だって噂を聞いたわ」
「そうか、ご馳走様でした、じゃあ、俺は部屋に戻るよ」
「待って、剣を背負ってるって事は、冒険者なんでしょ?」
「ああ、駆け出しだけどな」
「だったら、食材になる物持って来たら調理してあげるわ、値段は上がらないから、安心して」
「取れたらね」
俺は部屋に戻る時、お湯の入ったタライを貰ったんだが、カンテラも渡された。
年寄りには、階段の上り下りは辛いって言ってな。
俺には暗視スキルがあるから、カンテラ要らないんだけど、折角用意してくれたので貰っといた。
部屋に戻って、雑貨屋で購入した手拭いを出して、久しぶりに、本当に久しぶりに、お湯を使って体を綺麗にした。
「いよいよ・・・明日から冒険者デビューか・・・。
着替えが終わり、ベッドに横になって呟き、ステータスカードを確認した。
シュン
人間/男/15歳
剣術2 体術2
隠蔽 迷子回避 危険察知 隠密
適性魔法 雷1
使用可能魔法
生活魔法(火、水、土、風)
特殊魔法
暗視(闇)、罠解除(闇)、発光(光)、収納魔法(時空)
体術が成長してるけど、他は成長してない。
とりあえず、隠蔽使っておこういつ見せるか分かんないしステータスを変更しとこう。
シュン
人間/男/15歳
剣術2 体術2
適正魔法 雷1
使用可能魔法
生活魔法(火、風)
これで、行こう。
雷と剣が上がってると思ったんだけどな・・・・説明書には習得までは、書いてあったけど、レベルアップに付いては触れてないな。
夜が更けて行くなか、説明書を読んで行き、深い眠りに付いた
~~~~~~~~~~女神様~~~~~~~~~
歪んで行く空間と、侵食して来る黒い世界
「シュン、私は貴方に謝らなければなりません、貴方の『夢』を思う気持ちを勝手に奪ってしまったのだから・・・・・その御蔭で、闇の進行を大分遅らせる事ができました。」
その進行速度は、非常にゆっくりと女神を蝕んでいた。
「私の、マナである名前を、どうか・・・・お願いします・・・。」
彼女は、そう言って、静かに眠りについた。
今回は、冒険前の準備段階のお話です。
早ければ朝8時に、もう1話投稿したいと思います。
多くの人に読んで貰えるとは、思わなかったので、本当に有難う御座います。
これからも、宜しくお願いします。