11話 新たな相棒その名は・・・・
前回、予約投稿を試して未完成のまま投稿してしまい、申し訳ありませんでした。10話を書き直しましたので、お願いします。
「ん・・ん・・・・!?ヤバ、寝過ぎた。」
昼下がりの、強烈な日の光が、顔に当たって強制的に、起された・・・
俺は、昨日行けなかった鍛冶屋に行くため、1階に降りて行く。
カウンターに昨日受付をしてくれた、爺さんが椅子に座っていた。
「おう、若いのやっと起きよったか。」
「爺さん、昨晩は悪かった、さっさと部屋に行っちまって。」
「いいんじゃよ、疲れて、今まで寝ておったのだろう?」
「ああ、あと、ちょっと出てくる。」
「食事は、いいのかい?わしの孫娘と婆さんの料理は、絶品じゃよ?」
「すまない、終わらせたい用事があるんだ、帰ってから頂くよ。」
「そうか、鍵は預かるよ。」
俺は鍵を預け、鍛冶屋に向かって歩く。
昨日は、夕方でアランさんに案内されて歩いていた時と違って、街は露天で賑わっていた
街行く人は、人間と獣人が多かった、昨日は観察する余裕がなかったので、今は獣人さんを見て、顔が少しニヤけていた。
昨日、紹介してもらった、鍛冶屋の前まで行き、収納してあった相棒を出し、店に入った
「すみませーん。」
少しして
「おう、いらっしゃいませーっと。」
奥から店員が出てきて抱えていた木箱を陳列棚の下に置いた、その中は、数本の片手剣とナイフが、無造作に入っていた。
「こいつと同じ片手剣で欲しいんだが?」
120センチ位の声は青年、顔はおじさん?ドワーフだろうか?てかドワーフであって欲しい、店員にルーキーブレードを渡した。勿論、折れてしまっていることも、付け加えて。
「なんだこりゃ!?酷い剣だ!!こんな剣が出回ってるなんて、これじゃウルフも斬れねーじゃねーか!!ちょっと待ってな。」
この街に来るまで、ずっと一緒にいた『相棒を』酷い剣扱いされて、ムっとして心の中で(グリーンウルフくらい切れるっつーの)キレた。
「親父!おやじぃぃ!!」
店員は大声で店の奥にいる、親父さんを呼んだ。
「うるせぇぇぇ!!そんなに声を張り上げんな。」
「見てくれよ、この剣。」
これは、見て解る、ドワーフだ。
「あん?・・・見てくれだぁあ?」
俺の亡き相棒をジット見て、俺を見る
「おい、坊主この剣どこで買った?」
ドスを効かせた声で、聞いてきやがった。
「選別に、貰いました。」
少し・・・・いやかなりビビッて答えた。
「フン、貰っただ?贈り物にも飾りにもならねー、この剣と呼べない程の粗末な物をか?」
鼻で笑って、相棒を蔑んできた。
「ふ・・・・ふ・・・・ふ、ふ、ふ、ふざけんじゃねぇぇえええ!!」
店の外にまで、俺の声が響いた。
我慢の限界だった、造りがどうとか、そんなのは関係なかった。
「お・・・おい、どうしたんだよ?」
驚いた青年は、急に声を荒げた俺に尋ねた
「俺の相棒を、馬鹿にすんな、俺は相棒に命を助けられ、相棒に命を預けたんだ、剣の出来前を馬鹿にするなら、使われてない剣にでも、いいやがれえええ!!」
この街に来るまでに、数え切れないほど程、振って戦った相棒を、『剣とも呼べない』と言われ、俺の怒りは、頂点にまで達した。
「坊主、愛着があるのは分かったが、剣に適さない鉄を使ってる形だけの、こいつは、ウルフどころか、『ゴブリン』も斬れねーような代物だ、お前が何を狩ったか知らねーが、鍛冶師として認められねー。」
さっきから店員とおっさんが、ウルフ、ウルフと煩い。
「おっさん、ウルフを狩った事実があれば、良いんだな!!」
俺は収納魔法に収納してあった、まだ剥ぎ取りしてない文字通り首の皮が一枚繋がってる『グリーンウルフ』を無造作に置けるだけ床に出した。
「「・・・・・・・・・・・・・」」
鍛冶屋の2人は言葉を失った
「・・・うそ・・・だろ・・・おい。」
「坊主・・・・調べさせて貰うぞ・・・・。」
俺は黙って頷いた。
おっさん達は、折れた相棒の切っ先を鞘から出し、グリーンウルフの切り口と合わせ、一匹ずつ照合していった。
鍛冶師としての誇りなのだろう、一匹ずつ丁寧に調べている。
「・・・・悪かったな坊主・・・ウルフも、いやゴブリンも斬れねーと言った事は悪かった、この通りだ、ガルお前もだ。」
おっさんは頭をさげ、ガルと言う店員も頭を下げた。
「坊主、一つ聞きたい、この剣で倒したのが、事実なのは証明できたが・・どうやって斬った?剣には適さない鉄と重心もズレている脆いだけの重い剣としか、オレにはわからねー。」
興味深そうに尋ねてきた。
俺は剣気を纏わせて、首を刎ねただけと、答えた。
「そうか・・・それなら、まぁ・・・納得は出来る。」
「親父、剣気使ったとしても、これだけの数は無理じゃねーのか?」
「馬鹿息子!!それでも鍛冶師のいや、俺の息子か、剣気ってのは剣を体の一部として始めて使えのが一般だが、本物の一流が放つ剣気は剣と身体が本当に一体になってるんだ、あの剣を心から信頼して戦って、相棒っと言ってたのは、本当の事だ。」
おっさんはガルの頭をゴツンと殴り、説明していく。
俺は出した、グリーンウルフを片付けていく。
「相棒が、ちゃんと剣として使われていた事を認めて貰えたんなら俺は、もう良いです。」
「そうか・・・・・悪いがお前の相棒はもう元には戻らんぞ?そいつと同じ片手剣で探すなら、詫びもこめて一振りくれてやる。」
「ありがとうございます、あと相棒をナイフに打ち直せないですか?」
お金に余裕がないので、貰うことにした。
「そいつは無理だな、店にある材料じゃ、できねーな、そこまでソイツに拘るなら、本当かどうか知らねーが、剣の精の加護を貰って、打ち直すしかねーな。」
出来ないのか・・・・・・ん?剣の精ってなんだ?
「なぁ、おっさん剣の精って何だ?」
「ああ、代々鍛冶師に受け継がれる、御伽噺だ、どんな剣でも最高の材質に変化させ、絶対に折れず曲がらず、切れない物が無い剣にするっつー話だな。」
「そんだけ、難しいって事か・・・・」
「まぁ、そういう事だ。」
おっさんは、ガルに店の奥に行くように指示をし、俺の接客をする
「お前さんは、どんなんが、良いんだ?」
「あいにく、相棒しか触った事無いんだ。」
「そうか、なら幾つか持ってくるから、確かめてみな。」
おっさんは、陳列されている剣を4本持ってきた。
「ざっくりに言うと、一番軽い剣、バランスの取れてる剣、長剣、頑丈な剣ってな具合だ。」
一通り手にとって、試しに振ってみたが、どれもしっくり来ない。
「うーん、すみません、これって言ってしっくり来ないです。」
「だろうな、重心がズレていた剣を使っていたんだ、急に馴染む剣があるわけねーわな、だがそれが標準だから、それに慣れな。」
「じゃあ早く慣れるために重いので、お願いします。」
「おう、頑丈なのだ。」
っと言って今度は頑丈なのを5、6本持ってきた、その中には、細いのに見た目は凄く軽そうなのに、持って見たら、一番重かったそれを鞘から抜いて見ると、刃が黒く光っていた。脳裏で剣も黒にするのは、と思ったが命を預ける物だからと、その考えを振り払った。
「これで、お願いします。」
「そいつを、選ぶか、待ってな、そいつ専用の剣帯を持ってくる、普通の剣帯じゃ重さに耐えられねーからな。」
おっさんが剣帯を持ってきたのを受け取り、装備しながら剣の手入れに付いて聞いた。
「おっさん、あんがとな。」
少ないけど金を払おうとした俺を、おっさんが静止させ
「そいつは、材料は良いんだが、重すぎて誰も買わなかった剣だからな、さっきも言ったが、やるよ。」
「えっ!?良い材料って高いんじゃ・・・やぱっり・・・」
「いい、いいやるよ、実は、そいつはな、俺が昔『剣の街アーレン1番の鍛冶師』として名が売れて、材料に拘って、俺の持ってる最高の技術で剣を打った、・・・使い手を考えずに打った剣は、とうぜん誰も買う訳がなかった・・・・今じゃ店に飾っちゃいるが、『戒め』として、置いてたんだ。」
何も言えなくなったので、頭を下げ店を出た、俺はギルドに向かって歩いて行きながら名の無い剣に名前を付けようと考えていた。
店で眠り続けた剣に思う存分、力を発揮してもらおうと、こう名付けた。
『リべレーションソード』
開放を意味する言葉だ!
剣の柄先が微かに光った
執筆するのは、楽しいです。お気に入りして貰えたり、評価して貰えたりと、嬉しくて、執筆が止まりません。
本当にお目を通して戴きありがとうございます。




