吟遊詩人と。
「」の中は曲名。
♪(音符)は演奏中…。
―場所はある王国の、ある小さな城下町の、大広場、そこに一人の青年が居ました―
やぁ、こんにちは。いや、こんばんは?または、おはよう、かな。
まぁ、いいや。
ねぇ、ちょっと寄って行かない?
君の好きな曲やお話を聞かせてあげるからさぁ!
え?私かい?
私は各地を旅してまわっている、ただのしがない吟遊詩人さ。
・・・で、どうだい?聞いてくかい?
聞いてくれる?
よし!そうこなくっちゃ!
何が聞きたい?何でもいいよ。
・・・・え、ボカロ?
「なに、できないの?」だって?
・・・いや、できるよ。できるけど・・・。
また、初っ端からマニアックなとこ行ったねェ~。
ん?いや、こっちの話。じゃ、聞いてください。
「―――――」
♪~~~~~~~~~~♪~~~~~~~~~~~♪~~~~~~
御清聴、ありがとうございました。
―場所は同、王国内の、とある農村―
やぁ、君、君!そこの君だよ!ちょっと聞いていかないかい?
そう!そこの緑の服を着た少年!君のことさ。
なにか嫌なことでもあったのかい?
え?何でわかったのかって?わかるよ。だって君、顔に出てるよ?
で、どうだい?気分転換に何か聞いていかないかい?
え?私かい?私は見ての通り、しがないただの吟遊詩人さ!
・・・で、何がいい?一応、なんでもいけるよ?
・・・・・ふむふむ。「からさわぎ」?戯曲だね。わかった。
では、楽器の伴奏とともにお聞きください。
♪~~~~~~~~~~♪~~~~~~~~~~♪
お聞き頂き、ありがとうございました。
ふふ、気分は晴れたかな?
・・・そう。それはよかった。暗くならいない内に気を付けておかえり。
―場所は、とある村の、とある宿屋の酒場―
おや、お嬢さん、泣いてるの?どうしたんだい?
え?恋人と別れた?
こんなに綺麗で、気立ての良さそうな美人のお嬢さんを捨てるなんて、
その男はなんてバカなんだ!
他人の私が言うのもなんだが、悪いことは言わない。
そんな男、さっさと忘れて新しい恋を見つけるか、
何とかしてその男を見返してやりなさい。
逃がした魚は大物だったんだぞ!ってね。
・・・ふふ、一曲聞いてくかい?
こう見えても私は旅の吟遊詩人なんだ。
貴方の様な綺麗なお嬢さんに、暗い顔は似合わない。
だから、お嬢さんのその暗い気持ちが吹っ飛ぶくらい、楽しくて元気な曲を聞かせてあげる。
どうだい?聞いてくかい?
ふふ。そうこなくっちゃ。
・・・ついでだ。
今、ここの酒場にいる人たちも聞いてってよ!
女将さん!マスター!場所、借りるね。
それでは、聞いてください。
「ファンキー☆モンキー!」
♪~~~♪~!~♪~~~♪~!~♪~~~♪~!~♪~~~♪
フゥ~~~~、お聞き戴き、ありがとうございました。
おや、お嬢さん、元気になったじゃないか。
うん。やっぱり、思った通り、
お嬢さんは笑っている方が可愛いよ。
―所変わって、とある道端―
おや、お貴族様が私のような、ただの吟遊詩人に何か御用ですか?
え?私の評判を聞いてきた。一度、屋敷に来て私の芸を披露してほしい?
え~と、とても光栄なことなのですが、
私の芸はお貴族様に御見せ出来る程、上手くはありませんよ?
え?ちょっと!どこに連れて行く気ですか!?
ああーーー!!楽器は大切に扱ってください!
私の大事な商売道具~~~!!!
む!むぐっ!がくっ。
―貴族の屋敷―
むすっ。
・・・どうも。
先程、無理やり、拘束され、
商売道具である楽器を乱暴に扱われかけ、
挙句の果て、気絶させられ、
無理やり、貴族様の屋敷に連れてこられた吟遊詩人です。
無理やりね!大事なことなので三回言いました。
…たっく、これだからボンボン貴族はっ!
ハッ!ほんと、鼻で笑ってやりたいですよ!!
・・・・・まぁ、百歩譲って仕事だしぃ、
なんだかんだ言って、謝礼金がたんまり貰える筈だから、
連れて来られたからには、きっちりやりますよ。
ええ!仕事ですからね!!
クソっ!!謝礼金がたんまりじゃなかったら、
口八丁手八丁で慰謝料も含めて分取ってやる!!
そしてこの貴族の悪い噂を、有る事無い事流してやる!!
覚悟しとけよ!!・・・フフフフフフフフフッ!!
―*-*-*-
・・・あっ、はい。出番ですね?わかりました。
では、お聞きください。
「闇夜の宴」
♪~~~~~♪~~~~~♪~~~
ありがとうございました。
ふむ、一応、謝礼金はたんまり貰えたな。
とりあえず、噂は有ることだけにしとくか。
・・・え?私を召し抱えたい?
御冗談を!
それでは、これで失礼させて頂きます。
さようなら!(もう二度と、会うことがないよう願います。)
―場所は、同、王国の王城の城下町―
あんれ?これは、これは、王様じゃないですか!
こんなところで何をしていらっしゃるのです?
執務はどうしたのですか?
まさか、・・・また逃げ出してきたのですか?
・・・はぁ~、・・・懲りない人だ。
また、宰相殿とそのお孫さんに叱られますよ?
え?私がここにいると、影の人たちに聞いて、
息抜きと、私の芸を聞く為に抜け出してきた?
はぁ~~~、・・・仕方がないですね。
一曲聞いたら城に戻ってくださいよ?
それじゃあ、
「月夜の舞姫」
♪~~~~~♪~~~~~♪~~~~~♪~~~
ふぅ、ありがとうございました。
それじゃあ、帰って仕事してくださ・・・え?
地方の様子はどうだって?
まぁ、おおむね平和ですよ。
・・・途中でとあるボンボン貴族に、わ・た・し・が、拉致られもしましたが!
あと、極偶に、野盗やスリに遭うくらいですかね。
被害と言ったらそれくらいです。
さぁ、解ったら、さっさと仕事をしに王城に帰ってください。
しっしっ!
・・・・・そんな捨てられた仔犬の様なつぶらな目で見られても知りません。
自業自得でしょう?可愛くありませんし。
ほら、舌打ちしない。
さぁ、わかったら、さっさと帰った!帰った!!
・・・・・・・・ふぅ、やっと帰ってくれました。
・・・べつにあんなにしゅんとして、凹まなくても良いと思うのですけどねェ。
毎回毎回。
もう、二十年くらい同じようなやり取りをしているというのに。
変わりませんねぇ。王は。
さて、次は何処に行きましょうか。
このお話は、昔、家庭科?の授業で、五十音順のどれか一列を使って物語を書け!というのがあり、その時に思いついた話を、復元&追加修正しながら、書き出してみたものです。
授業のとき、思い浮かんだのは、とある王国に、青年吟遊詩人がいて、夕暮れを背景に城下町で子供達に囲まれて、椅子に座った青年吟遊詩人が、楽しそうに、歌や物語を披露する場面でした。足元には楽譜や旅道具、楽器などがいくつも転がっていたのです。そんな光景が浮かんできました。
けれど、授業内容は、「あいうえお五十音順、カタカナでもひらがなでもいいから、一列使って、一字+十文字くらいで話を繋げてA4用紙一枚に書きなさい。」ということでした。圧倒的に足りません。紙が。書く幅が。それでもなんとか詰め込もうとしました。でも、できません。結局、チャイムが鳴り、時間切れで、あまり何も書いていないのに、回収されてしまいました。
意外とこの課題、当時の僕には、難しかったのです。嘘だと思うのならやってみてクダサイ。五十音順、「あいうえお」なら、それを縦、一列に書いた後、それぞれ横に、下に話が続くように、あさ、いえをでて、うらをみたら・・・、という風にします。
まぁ、この授業があったのは、5年以上くらい、前なのですがね。
今回、なんとなく書きたくなって書いてみました。
どうでしたか。暇つぶしくらいにはなりましたか。
なっていたら幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。




