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【祝累計20000PV突破】何故現代兵器をファンタジー世界へ持ち込んではならないのか?  作者: ウォルギリウス
プロローグ

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時に人は判断を誤る。

君塚君は所詮ギフト争奪戦の敗北者じゃけぇ

平原の国の追っ手から逃れた君塚は、ギフトで創造した兵士たちと共に、人里離れた森の中に陣地(キャンプ)を構築し、潜伏生活を送っていた。

呼び出した兵士たちは基本的におしゃべりをしない。

彼らに「自由意志」があるのか疑わしいほど無口だが、少なくとも命令には自律的に従い、高度な戦闘技能を発揮してくれる。


彼らは前世でソビエト連邦という地獄と言う表現が似合う過酷な環境で人権など無く、消耗品のように扱われてきた軍人たちだ。十分な武器弾薬と食料を即座に提供してくれる君塚(指揮官)など、彼らにとっては未知の存在であり、それだけで忠誠を誓うには十分なのかもしれない。


君塚の仕事は彼らに物資を供給し、大まかな方針を示すことだけだった。


今の平原の国の軍隊に状況でやることと言えば街道を通る奴隷商の隊列の襲撃とか狩猟とかでした。

ついでに巡回に来た領主の兵士を血祭りに上げるとか。


奴隷商の隊列では奴隷商の護衛達と奴隷商を掃討して内部の奴隷達全員も始末する事で経験値を稼ぎ人を一人でも多く殺戮する事で経験値を稼いでいた。

但し奴隷達は位置を暴露されたら困りますが兵士に余計な負担を背負わせたくない為君塚が1人で全て始末している。


「……報告します。哨戒任務、異常なし。以上です」

「あ、ああ。ご苦労さん」


短い報告を終えると金髪の女性兵士――レーナは、砂漠の吹き荒ぶ風に巻き上げられた砂のように逃げるように去っていった。

彼女は以前、君塚が下手くそな演説をした際に唯一質問をしてきた兵士だ。

あの時のことを根に持っているのか、彼女は必要最低限のことしか話さない。「はい」「了解」「異常なし」。まるでロボットだ。


(……完全に嫌われたな。やっぱあの痛い演説が原因か)


君塚は溜息をつき、二度と演説などするものかと固く誓った。

だが、事実は異なる。

レーナはただ極度に口下手で物静かなだけだった。

彼女はかつてスターリングラードの廃墟やプロホロフカの戦車戦、バグラチオン作戦という地獄を生き抜いた歴戦の狙撃手だ。二十四歳にして死線の向こう側を知り尽くした「ハヤブサ」の異名を持つ女傑。


腕前は超一流だが、コミュニケーション能力は壊滅的。彼女自身も敬愛する指揮官─まるで何もないところからボルシチを出せる魔法使いの様な人─とうまく話せないことに、密かに悩んでいたのだ。



現在君塚たちが「業務」として行っているのは、街道を通る奴隷商の車列襲撃や森での狩猟だ。

時折、巡回に来た領主の兵士を血祭りに上げることもある。


奴隷商を襲う際は護衛ごと奴隷商人を蜂の巣にし、さらに「口封じ」と「経験値稼ぎ」のために捕らえられていた奴隷たちも全員始末した。


位置情報の漏洩は何としても防がねばならない。だが、非戦闘員の殺害という汚れ役を兵士に押し付けるのは気が引けたため最後の一線だけは君塚が一人で引き受けた。マカロフPMの冷たい感触が、彼の人間性を少しずつ削り取っていく。


【ヒャッハー! すっかりこの世界に染まってんじゃん☆ よかったねー君塚君! 君は晴れて大会参加者として相応しい『クズ野郎』だね☆ バッヒャッヒャヒャヒャッ!!】


脳内に響く運営の煽り声。

君塚はそれを完全に無視(聴覚さえ拒絶し無視)し、淡々と次の獲物を探した。


そうして拠点を転々としながら殺戮と狩猟を繰り返した結果、君塚の元には莫大な経験値が蓄積された。

ギフトは飛躍的に成長し、ついにはT-55中戦車やBTR-60装甲車、ZSU-23-4対空自走砲を擁する機械化歩兵旅団規模の戦力を抱えるに至ったのだ。


このせいで平原の国の王室から明確に敵対者として認識された。

しかし少なくとも平原の国の正規家は中世ヨーロッパ的な軍隊であり君塚の率いるソ連式部隊なら恐らくは制圧する事は容易かと思われている。


そう幕僚達が君塚へ断言するように進言した。

そしてその進言と報告を受けた君塚悠里は決断を下して兵を動かす準備を始めた。


彼等の助言に従い平原の国の無血乗っ取り政策の実行について調査を始めた。


平原の国の王室は過去に一度栄華を誇ったが、現在は過去の王族内の闘争を理由で衰亡しており、それ故大規模な常備軍は存在せず王族達はそれぞれ自身を支持する有力貴族層に直轄地を報酬として明渡し続けていました。


お陰で王宮内では豊かな土地が貴族達に抑えられ財政が火の車に陥り、直轄地への民衆への年貢の取り立ては苛烈さを極めていた。

更に聖女教なる宗教に十分の一税を取り立てていてこれも国家財政や百姓達への負担を増加させ経済へ悪影響を与え続けている。


そして、今の王カジミェシュ8世には15人の子どもが居て末の姫と14番目の子ども以外はどれも選民思想が強く、もし君塚が傀儡として置いたとしてもとてもでは有りませんが傀儡にするには性格が向いていないどころか手向かう可能性が濃厚だ。


そして14番目の子ども、ゾフィアは名前に反してあまりにも性格や容姿が地味な女性であり、しかしながら彼女は13歳という既に分別がつく年齢でしたのでこれもまた却下した。


結果消去法になったが、まだ末の姫こと幼き5歳のヤドヴィガ姫を王位に据えることにした。


彼女は生まれてすぐ死別した母親が卑しい出身の者であったらしく、王宮内では居場所は無いも同然であり何故このような弱い立場の姫が作られたのか君塚は不思議に思い調べた。


聞けば更に不可解でヤドヴィガ姫殿下の母親は元々酒場で働くただの町娘であったが、カジミエシュ8世が無理やり連れ去り手籠めにして産ませた娘だった。


ただこの場合君塚からしたら変に抵抗しないであろうヤドヴィガ姫以外の選択肢が存在せずこの項目への調査を打ち切ってしまった。


当然、これだけの規模になれば隠し通せるはずもない。

君塚は「平原の国」の王室から明確な敵対者、あるいは反乱軍として指名手配された。


「同志指揮官。敵の正規軍は中世レベルの装備と戦術しか持ち合わせていません。我々のソ連式ドクトリンと火力、装甲をもってすれば平原の国制圧は造作もないことです」


幕僚として創造された将校が進言する。

逃げ回るだけの生活は終わりだ。君塚は決断した。

この国を乗っ取る。


更なる行政に対しての調査の結果、平原の国の王室は腐敗しきっていた。

かつての栄華は見る影もなく王族間の内紛で国力は衰退。大規模な常備軍は存在せず、王族たちは支持を取り付けるために直轄地を貴族へ切り売りしている事が影を得て歩く絵のように理解できた。

財政は火の車で、民衆への年貢は苛烈を極め、さらに「聖女教」なる宗教組織が十分の一税を搾り取っている地獄絵図だ。


成る程、革命にはもってこいなのだ。


「…チャンスだな、しかもこれ以上の好材料は無いほどのな」


そしてヤドヴィガと言う幼き王女を黙らせるのは君塚には考えが有った、飴を与え続けてるかそれとも鞭で執拗に殴り付けて黙らせるか、或いは実務を全て掌握した事をある程度成長した時点でバラして心を折るか。


この幼子ならばどの道抵抗することなく君塚の「お飾り」になってくれるだろう、そして永遠に君塚によるお飾り人形として踊り続けて狂い勝手に死んでくれる。そう感じさせられる様な物を信じている。


君塚は平原の国での傀儡政権樹立のための動員数と攻勢についての計画書を作成しつつ、ヤドヴィガ姫を擁立する準備を始めた。


まずギフトで航空燃料と弾薬、そして予備の部品を大量に創造する。そして王国各地に兵を分散させて散らばった部隊により破壊工作を行わせつつも主力部隊の動員を開始ふる。


そして平原の国各地に散らばらせていた配下の部隊へ、一斉蜂起の命令を下した。


「全軍に通達しろ。目標は平原の国王都ズラトポル。道中の都市は敵軍が無視しろ。全速力で王都(ズラトポル)のみを目指し、これをネズミの出る隙間さえ埋めるよう包囲せよ」


Mi-24ハインドのローター音が空気を切り裂き、T-55の履帯が平原の大地を揺らす。


君塚は悟っていた。

この理不尽なデスゲームで生き残るためには誰かに与えられる情報や状況、環境や流れを待っていてはダメだ。自らが情報を生み出し、盤面を支配する「強者」にならなければならない。


世界の片隅で怯えて暮らすより持てる力を行使して攻勢に出る。それが唯一の生存戦略だ。



後にヤドヴィガじゃなくてゾフィアを選べばよかったと君塚は後悔する事に成りますがヤドヴィガはただ君塚のその発言を聞いてショックを受けたそうだ。


「どうして君塚様はそのような事を仰せになられるのかしら?」

「…」

「答えてくださいませんこと?」

もうちょっとしたら多分メインヒロインが出るかも。


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