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何故現代兵器をファンタジー世界へ持ち込んではならないのか?  作者: ウォルギリウス
第六章

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銃後の世界

銃を置き、剣を収める

君塚は一旦後処理確認の為龍の国解放時に回収した神堂の上級妃達や下級妃達を捕らえていた収容施設に赴いた。

彼女達が大会の資格の放棄をしたかどうかの確認の為であり彼女達を生存させるかどうかの判断基準は満たしているか見極める為であった。


無論護衛に一個小隊の歩兵とナディアを連れ施設の警備兵に入場の許可を取り施設内に入っていった。

以前ヤドヴィガ以外の王族達を軟禁していた離宮を再度活用した収容所であり降参していない転生者の隔離の為にヘリ部隊の巡回や戦車部隊も駐屯している程警備は厳重かつ閉鎖的な施設に成っていた。


下級妃達や上級妃達のリハビリもこの施設では行われていて彼女達の介助は兵士達も駆り出される程神堂による後遺症が深いものであった。

ある者は排泄をトイレでする事を理解出来ておらずまず排泄から教えたり、廃棄する残飯を漁ろうとする下級妃達を捕らえて部屋に戻したり挙句の果てには名前も頻繁に忘れてしまう者さえ居て処女を神堂に奪われた事を悔いて自殺未遂した者は可愛らしい方という有様である。

無論脱走しようと試みた者もいたがそのような者は軍用犬やドローンで発見され拘束された上で居室に監禁された。


やむを得ないので今彼女達の施設は内情としては学校や保育所のようなサナトリウムと化していて全員が大会参加者としての資格や権利を放棄していた。

今は彼女達に学問を教え生活に対して指導を行って生活支援を主に行う事で彼女達の無害化を図りつつ更生施設として稼働していたが彼女達の保有するギフトもまた歪みきってしまったようでそれらの対応について君塚は施設長から相談を受けていた。


「摂政閣下、彼女達のギフトについてですが出力が著しく低下しております。神堂による洗脳や性的暴行による後遺症かと思われますが正直彼女達にもう閣下へ刃向かえるほどの戦闘能力は無いかと」

「それはそれで問題が起きているんだが…何だありゃ、ファイルによると30代の女性の筈なのに見た目が女子高生に成ってる奴が居たぞ。何かの間違いではないのか?」


外で体育の授業に励んでいる女子生徒達を見ながら君塚は足を組んで施設長に向けて尋ねた。

20歳以上の妃達に起きていた現象で肉体年齢の若返りが起きている件について原因の究明を行いたかったのである。


「理由については不明ですがとにかく血管や臓器等は既に10代前半から後半程度に成っているようでして…全く以て解りませんな。やはりこの世界は奇跡に満ち溢れているのでしょう」


それの条件を突き止めるのも私達の役目ですがね、と施設長は笑い飛ばしながら再度彼女達を身体に纏わるデータと睨み合いながらこの現象を解析する為に再度研究部門にデータを送る様を見届け退室した。


そして護衛部隊と少しだけ離れ危険を承知で彼女達の授業風景を観ることにした。

彼女達は異世界へ転生させられ戦ったか、それとも戦いに巻き込まれたかで神堂により服従させられて知能や記憶、そして尊厳を砕かれて喪い折角得たギフトという異能も最早機能しない程全て削り落とされて無様な姿に落ちぶれていたのである。


彼女達は綾錦に仕立ててもらったブレザー風の学生服へ袖を通して幸せそうに授業を受け文化的な営みを過ごしていた。


(もしあのクズ野郎の体液に若返りの効果が有るなら無害化した上で俺も飲みたかったよ、若々しい思考と言うのは老いれば老いるほど価値が発生するからな)


布団君塚は年齢や老いへの抗いについて下らない事を考えていた中ふとある生徒と目が合ってしまった。

そっと目を逸らしたが彼女の方から君塚の方へとすたすたと歩きそして隣に無言で立っていた。

咄嗟に距離を取ろうとしたがすぐに距離を詰めてきて離れようとはしなかった彼女に君塚は逃げようとしたが彼女の握力に負けてベンチに座らされてしまった。


施設長や職員の介入により早とちりし救出しようとしたナディアや兵士達は制止され彼女と君塚の時間が始まった。


「…それで、君は俺に一体何のご用かい?お嬢さん、言っとくが俺は今交際お断りシーズンなんだ」

「そういう訳ではありません、今日はただ摂政様お会いしたかっただけです」


そういう彼女─九重 依子はその長い姫カットされている黒髪を靡かせながら君塚へとはにかみながら視線に熱を込めて見つめていた。


「成る程、それで俺に会って君はどう思ったのか感想を聞いても良いかな?ガッカリしたか?」

「いえ、お噂に違わぬ良きお人である事は良く分かりました。それに…」

「それに?」

「授業で摂政様の事を讃える授業がございましてそこでお伺いした内容とほぼ合っている方で皆も早くお会いしたいと考えてるので先にお会いしたく」


気になるワードが九重より出てきたので君塚は聞き返していた。


「授業…何の授業だ?俺の事をわざわざ取り上げるなんて一体全体そんなトンチキな授業が有るなんて聞いてないぞ」

「はい!道徳の授業で摂政様の偉大なる業績を称えたり平原の国の王国をお支えするという素晴らしい役割に見合うように己のギフトを磨いたり…それはそれは素晴らしい授業なのです!!」


少し興奮して九重の頬はすっかり紅潮しており大人しそうだった彼女は今は元気活発に美化された君塚の武勇伝や君塚クーデター以降の平原の国の歴史、存在しない君塚の名言集語録やらをペラペラと闊達に話てもういっその事殺せと思っている君塚である。


「…もう…そんな教科書…禁止しちゃう…悠里もう耐えられない…」

「そ!そんな殺生なことをおっしゃらないでください摂政様!!貴方は私達の英雄なのですからもっと誇りを持って振る舞ってください!!!」

「無理…てか誰だよ…そんな荒唐無稽の極みな稀覯本を拵えた奴…」

「はい、綾錦様です。綾錦様が編纂された『君塚摂政語録』は私達にとっての聖書であり善悪を規定する私達の正義なのです」


もう君塚の脳内はパンク寸前であった。

ちなみにナディアはその『君塚摂政語録』を渡されて熱心に読み耽り、近くに居た君塚警護部隊の指揮官をドン引きさせ続けていた。


そして施設ではそんな九重の様子に気付いた他の女子生徒達が寄ってきて黄色い歓声の荒波に飲まれながら必死に脱出しようと藻掻く君塚、そして何とかナディアに引っ張られてトラックに乗り込み無事脱出した。


ただ一人客が増えている件を除けば。


「あの、閣下…所でその方は?」

「…何で付いてきてんだよ九重。お前は一応学生なんだから向こうに居なさいよ全く…」

「でも折角摂政様と共に外の世界へと出て色んな事を見聞き出来るならきっと幸せな事だと思うんですよ。だってあの施設では何も外を知る術がありませんでしたから」

「はぁ、そう。なら外に出てみたら良いんじゃないかな、まぁすぐ帰すけど」

「ありがとうございます!」


そして一人追加で帰還した摂政君塚はもう暫く一人で居ようかと思っていたが、ついでに持ち帰っていた収監者ファイルの九重の内容を確認していた。


「死霊通信か…死んだ奴から情報を聞き出すことが可能なら少し便利かもしれんな。これでは情報戦においては死体程有益な物はなくなってしまったよ」

「ですが彼女のメンタルに支障をきたしてしまう場合が想定されますのでそこまで酷使する事は不可能かと愚孝します。その使い手がメンタルを病んでしまったら元も子もないのでその点が気がかりですね」


ナディアと君塚はつい連れ帰ってしまった九重の処遇をギフトと兼ね合いながら徐々に決めていくことにした。



革命の灯火は決して消えぬ

雨に流され泥に塗れようと

たとえ夢と嘲られても

我らの解放の陣太鼓は鳴る

それはきっと虐げられし弱者の為に

同志よ、耐えよ、さらば救わん

暴君の血で旗を染め、城門に我々の旗を掲げよ



そして執務室に戻りヤドヴィガ殿下の為に今日も最後まで労働せねばならないと思い王国の書類達と格闘していた君塚であったがふと外から煌めく何かが勢い良く跳んでくる姿が見え咄嗟に伏せた。


そして轟音と共に長槍を手にした少女が室内に突入してきた、そして長槍は君塚には命中せずそのまま槍が壁に刺さりこむ。

君塚は即座にRsh-12を抜きじっと見据えるように乱入者へ冷たく横に水平に構える。


「一体何の真似だ!?俺を殺したかったようだが残念だな!!」

「ぐっ!?何、槍が抜けぬだと!??ならば!!」


素早くサーベルを抜き放ち切り裂こうとするが空振りになり床にこれまた柔らかいバターを切るように刺さりまたもや抜けなく成った。


「はにゃ!?け、剣が抜けぬだと!?お、おのれ君塚悠里!!卑劣な真似を!!!」

「武器のリーチぐらい把握してから暗殺しろ間抜けが」


赤い羽根飾りの付いた甲冑では小さな部屋での立ち回りは向いておらずすぐ引っ掛かり身動きが取れなくなっていた。


「ぐぬぬ、かくなる上は!!君塚覚悟し─」

「足元注意、近接戦闘の基本中の基本だぞ」

「ぎにゃ!?」


そしてついにメインウェポンの槍とサーベルが使えなくなった乱入者はメイスを手に君塚へと振り被ったがアッサリと足払いで制圧され弾みで兜が脱げ落ちた。


「ぐあっ!ぐっ、離せ!離さぬかこの卑怯者の悪魔の魔王めが!!!」

「犯罪者相手に離せと言われて離す馬鹿がいるか?さぁ、さっさと降伏しろ」

「こ、断る!くっ、や、殺るなら、さっさと殺れ!!この卑怯者の好色独裁者!!」


華奢過ぎる身体の少女でありその碧眼で必死に睨み付けるが、押さえつけられてはもう何も出来ず彼女は必死に足掻いていたがその騒音を聞き付けドカドカと警備兵達が駆け付けて来ていた。


「同志閣下!ご無事でしょうか?!」


扉の向こうから警備兵達を率いるソコロワ中尉が部屋の内部に居るであろう君塚へと状況を確認していた。


「ああ!何とか制圧した!!この、暴れるな、変な事になるから!!」

「は、離しなさい!変態ロリコン変質不審人物!!って何か当たってます!当ててますよこのスケベオヤジ、離して!離れてよぉ!!」


そして妙な所に妙な姿勢でフィットしていまい、更にズボンが運悪く足蹴にされた際にベルトが壊されてずり落ちる事が発生してしまった。


ガンッとドアが開けられて突入してきた兵士達が目に入ったのは幼い下着姿の少女を無理やり手籠めにしようとして腰を前後している自分達の尊敬している閣下である。


「離せ!離してこの、離してよ!!」

「うるさい!今ズボンが、このっ」

「閣下!…閣下?」

「違うんだソコロワ中尉、これはコイツが暴れた結果ズボンがずれた結果であってだ」

「うぅ…お嫁にもう行けません…お父様、お母様…ユリアは、ユリアは穢れてしまいました」

「…では手錠は持参しておりますのでその者の拘束は私の方で引き継ぎますので同志閣下は手を離してくださいませ」

「うぅ…こんな、こんな辱めを受けるなんて…」

「それを俺の弟が聞いてなくて良かったな、言ったらお前ぶち殺されてるぞ?」

「呼んだかな?兄さん…てか兄さんどうしたの、その…下半身、まさか」

「違うんだ!てか俺はまだ献血で喜ばれる血(童貞)だし勝手に勘違いしないでくれ!!」

「ふーん、まぁ兄さんなら余裕で制圧しちゃうだろうね。こんなバカみたいに長い槍で串刺しにするなら車に乗って油断している所から死角からグサーっって刺すべきだし」


そしてユリアと呼ばれる人形を彷彿とさせる少女の転生者はソコロワ中尉率いる警備兵達に連行され、君塚は呼んでもいない愚弟への対応を迫られていた。


「てかあの子はどうするつもりかな?まさか兄さんあんなロリっ子を趣味とか言わないよね?」


底冷えた声で話し瞳から光が消えたように思えたのでズボンを履き直しつつ即座に透に向かって否定を行う。


「当たり前の事を言わないでくれ、俺のタイプは美人で優しくて何もかもそれなりの女性だよ。昔と変わらない、女に対して欲を余りかいてない感じさ」

「へー、…まぁいっか。それより教会についてだけど聖職者達も以前のクーデターとかで怖がってもらえてさ、何とか聖職者達も沈静化されて今私が実権握る事に成功したから半年もしたら正教会を設立出来るよ」

「ほう、そりゃ良き知らせだな。では良い感じにあの生臭坊主共をまとめ上げてくれ」


話題を逸らすことに成功したので内心ホッとしたが何か不満そうで透はまだ退室しようとしない。


「何だ透、まだ何か報告、もしくは相談をしないといけない事が有るのか?」


すると透は無言で手を伸ばし招くようなジェスチャーをした。


「…ダメに決まっているだろう透、お前は一応前世では男だったんだぞ」

「でも前はしてくれたじゃん」

「あれはお前が無理やり抱きつかせたからであって俺は自発的に抱き着いていないぞ。だからノーカンだ」


だが透は決して腕を下ろさずむしろジリジリと近寄って来ていた。

そして一気に悠里の頭に手を回して無理やり谷間に埋めさせてその豊満な胸部に包まれた悠里は慌てて藻掻いた。


「ふふ、兄さんさぁ…いつも勝手に何処かに行って無理してるから私も労いたいんだよ?お陰様で兄さんの事を思っていたらまた胸が大っきく成っちゃったし…だから兄さんにそれを感じてもらいたくって♪」

「むぐっ!?や、やめろ透!俺達は兄弟なんだからそういうのは─」

「やーだ、兄さんから離れたくないもん。もう何処かに勝手に行くのは止めてよね?」


透の成長してIを超えてJに成った爆乳に挟まれて良き香りを堪能するどころか窒息死しかけていて君塚は抵抗して必死に鼻先だけでも出そうと頑張っていた。


「むっ…ぷは。はぁ、はぁ、透っ…頼むから…」


すると透の手から柔らかな布で包み込むような温かな光が出て悠里は猛烈な眠気を感じてしまった。

転生してからという物真の意味で感じた事の無かった安らぎの誘惑に悠里はもう我慢出来なかった。


「透…何故…」

「おやすみ兄さん。兄さん疲れてるみたいだし少しだけでも一緒に休もうよ、昔みたいにさ」


そして透は兄をお姫様抱っこをしながら執務室へと運びソファーに寝かせて自分も添い寝を始めた。


「兄さん。いつもありがとうね、無理ばっかりさせてしまったし今回の件も私がもう少し早かったらこんな事にはならなかったんだけど…でももう少しだからね兄さん。もう少ししたら」


きっと兄さんは私が守り続けれるようになるから。


そう呟く透の目は生気はないものの熱は籠り情念の炎がメラメラと燃え上がっていた。

そして平原の国の裏は均される

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