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何故現代兵器をファンタジー世界へ持ち込んではならないのか?  作者: ウォルギリウス
第四章

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龍は進撃する

朝は左右の山脈に囲まれて

朝君塚は愛と幸せに包まれた空間で目を覚ました。


「相変わらず暑いなこの布団は…」


綾錦とナディア、そして桂木と雨宮が一緒の布団の中で絡み合うように密着させながら寝ているからだ。

両手に4人の美少女と美女を侍らせているが君塚は少しだけウンザリした顔をしていた。このような男性にとって羨ましいであろう状況でさえ彼女達への責任感に苛まれ今にも潰れそうでは有ったがそれでも耐えられたのはもうここまで進んで来たから今更逃げる訳には行かなかっただけである。


だが君塚悠里と言う男にはそれ以上は不要でありそれ以下に成ることは無いだろう、わざわざヤドヴィガどころかカジミエシュの代で王族を全員ロマノフ家のように誅して乗っ取れば良かったのだから幼君擁立もしなくても何とかは成っただろうしわざわざ回りくどい遠回りをしている、それがこの君塚悠里なのである。


同居していた元弟の君塚透はしばらく聖女教の研修と正教会構想の会議に出席している為君塚の屋敷から転居しており今は破門時焼かれた後正教会創設の為に再建されたズラトポルの大聖堂に居住している。

本人は不服だったものの兄の国家運営に欠かせない人事であったが故に兄を想ってやむなく我慢して屋敷から退出したが彼女は「いつか必ず戻って来るから楽しみにしててね兄さーん!!」と満面の笑みで言っていたそうな。



「なぁみんな、もう朝だぞ…起きてくれないか?」

君塚がそう嘆願していたが

「むにゃ…ご主人様ぁ…もっとぉ…」

美羽はすっかり君塚に抱きついて動かないのでナディアに声をかける。

「かっかぁ…えへへ…だいすきれすぅ…」

すっかり夢の中の君塚悠里に夢中なようで現実世界へは戻れないようであった。

つむぎももちろん夢の中の世界でだらしない笑顔になりながら

「らめれすご主人様ぁ…そこぉ…」

何やら不埒な事を考えているようである。

綾錦の方を見ると

「旦那さま…太郎は寝ましたよ…」

太郎なる息子が生まれているようである。


「はぁ…仕方ない。こんな事はしたくなかったが」


仕方ないので君塚は覚悟を決めて息を整えた後関節を外したりしてタコのように拘束から抜け出すと一人そそくさと全員分の朝食から全員分の着替えの準備まで完了した。

朝食の調理が完了するとつむぎ、美羽、ナディア、繭にそれぞれの服を寝室に持ち込み全員の枕元に置いてすぐさま配膳や清掃を完了して朝の準備を終えた。


最近は色々と家を留守にしていることも多かったので彼女達へのサービスとして今日は朝を担当する事にしたのだ。

ちなみに関節を外す事は権力者に成った後でもし万が一でも敵勢力に囚われた際に再起を図ったり味方勢力圏内への逃亡を目的として覚えたものである。


「お~いみんな、支度が終わったから早く来てくれ〜!」


「おはようございます、ご主人様。今日はありがとうございます」

つむぎはいつも通り凛とした佇まいに戻り君塚へ感謝していた。


「ありがとうございますご主人様。おはようございますぅ」

美羽は眠そうに、だが彼女なりに頑張りながら身嗜みは整えていた。


「閣下、おはようございます。今日も閣下は偉大な存在として─」

「それより早く朝食を摂ってくれ。冷めるぞ」

「はい、閣下」

ナディアは君塚を褒め称えようとしたが彼に遮られ朝食を食べる事にした。


「おはようございます悠里さん。あら、ネクタイが緩んでいますよ」

「別に緩んでいないが…」

そう君塚は断ったが

「緩 ん で ま す よ ?」

「はい…」

繭はそっと夫(仮)のネクタイをキチンと整えていた。


四人と朝食を食べて終わった後君塚はかねてより疑問を抱いていた事を彼女らに尋ねる事にした。


「何で皆俺のことをそんなに好きになったんだ?俺に良いところなんて一つも無いだろうに、神堂よりは遥かにマシなだけで…」


ナディアはそっと昔を思い出しながら思いのまま伝えた。

「私の母親を戦狼の国から救い出したのは閣下ご自身です。あの時のご恩をまだ果たしきれていませんしそれに私はこの世界を変えようとされる閣下ご自身を崇めております。私にとって閣下は神であり、神話を今描かれている方ですから」

そうまるで楽しみにしている物語を待ち望む少女のような表情で君塚を見ていた。


「ご主人様とあれを比べるのは万死に値する行いかと考えますが」

つむぎは一瞬目から光が無くなり嫌な思い出が一気に蘇っていたようである。

「私は美羽と共にご主人様にあの日拾われた命で御座います。そしてこの地獄のような世界から守ってくださるのに私は何も返せておりませんからせめて好意だけでも受け取って欲しいだけです」


美羽は君塚へ視線を合わせてからゆっくりと話し始めた。

「ご主人様は私とつむぎちゃんを助けてくださったからです。あんな奴なんて比べる方が失礼なんですよ、ご主人様は私達へ役割を与えて、そして居場所をくださったのですから…その…それに…顔も割とタイプですし…」

そう美羽はもじもじしながら君塚への思いを伝えていた。


最後に綾錦を見た。

「悠里さんは私を確かに一度殺しかけていましたが、でも結局全部私を想って行動してくれるから私はこの人の為なら良いかなんて。後私を人間扱いしてくれているし。前世でも、私はあまり何も言えない家だったし神堂の所では…」

「綾錦…」

「繭ですよ悠里さん」

「いやお前の境遇には同情するが俺を好きになる理由としては少しふわふわして」

「繭 で す よ ?」

「はい…わかりました、繭」


(……いや、お前ら絶対に俺の権力と財力に惹かれてる部分もあるだろ)


黙らされる情けない独裁者の朝は終わり、君塚は三人に増えた出かける際の口付けをこなしてからナディアを伴い内務省へ登庁した。

内務省は王宮の少し遠い地点にてすぐに建設を行い建てた施設で21階建てのビルであった。

そんなビルの内部は君塚の影響下に有る警察や官僚達が申請や報告の為の非常に分厚く纏めた書類を持ち決裁や受理を長蛇の列を作って待っている。


「だから最近は官僚の現地人化を進めていたんだがこれではまだそこまで効果がないようだなナディア、見知った顔しか今日は来てないよ」

「後2年程度の辛抱とは閣下が仰せになった事ではございませんか?」

「そう言えばそうだったかもな…」

最近は平原の国の王国政府の現地人化を推し進めていたがやはり公務員に成れる者は少なく未だに王国の官僚達は君塚の官僚創造で創造した官僚達が必死に各地を走り回って行政を担っていた。

君塚自身は後2年で高等教育を受け終えた者達がきっと官僚に成ってくれるだろうと思い少しだけ楽観的な予想を立てているが今のこの惨状を創造してしまったのだ。


すると龍の国のシグルーン派の戦果に関する報告を纏めている報告書が机に置かれている事を確認して内容を閲覧した。


シグルーン派は今龍の国国内へと侵攻しており少なくとも主要都市としてグラニルを落としここを拠点としているそうだ。

グラニル解放戦では事前に国内軍が偵察を行い情報を収集した上で内応させた部隊と民衆により南部軍閥─龍の国解放戦線を撃破して支配領域を併呑する事に成功した。

続いて北伐の為に更に他の軍閥達を征伐を行いつつリンドルムの包囲網を狭めていきつつ有るが神堂の下級妃達は反撃能力で劣り一度攻勢をかけたが敗走し現在正統政府(神堂龍牙)は守勢に転じているものの竜族の総動員による空襲や下級妃達のギフトを用いたゲリラ戦による遅滞戦闘でシグルーン派を苦戦させていた。

更に山の国の傭兵達も応援に駆け付けて来ている為正統政府への攻勢を強めてはいるが陥落までには兵力が不足気味であった。


「神堂の勢力、中々やるじゃないか。シグルーン派にあんなに装備を提供したのに山の国の援助もあれどそれでも尚持ち堪えるとは流石にただの無能ではなかったか」

「閣下は感心されているようですが宜しいのでしょうか?このままでは年内の決着も怪しいものかと思いますが…」

「問題無いさ、それより随行してる連絡員から何か連絡や報告は?もしくは龍の国戦線における報告書の類とかは無かったか?」

「特にはございませんでした」

「ありがとう、そうか…ならその間に少し国内軍を強化するか。多分、もしだが」


もしかしたら長期に渡って出兵する事になるかも知れないと君塚は考えていた。



一方その頃龍の国のシグルーン派の武装テクニカル部隊は神堂以外の軍閥を相手に快進撃を続けていた。


「く、くそ!何だよ王党派の持ってるあの銃、連射可能なものなんて聞いてねぇよ!!」

「あのライフルにどんだけ弾詰め込んでんだよくそっ!!スヴァルをこれじゃ守りきれない!!!」

「あの走る馬車みたいなのも止めきれねぇぞ!大砲も当たらねぇし俺たちじゃどうしようもねぇぞ!!ぐあっ」

「ひ、ひいいいい!突破されてる、突破されたぞ!?何が起きている!!!???」


彼らの持っている単発式ボルトアクションライフルやカービン用レバーアクションライフルではAK-74は勿論、DShk38やハインドの余剰ロケット弾ポッドを装備して前進して来ていたトラック部隊に各個撃破されていった。


東方のスヴァルは龍の国屈指の鉱山都市、この地にて採掘された鉄鉱石は龍の国の工業を支え軍事力を下支えしてきた歴史ある都市である。

この地にはステラ・ニールセン少将率いるスヴァル革命政府が軍閥として支配しており住民に対して奴隷のように使役していたが強大な軍事力を背景に搾取体制を確立して以来神堂の侵攻にも耐えきって今は龍の国の統一最有力候補であった。

彼女はこのスヴァルを起点に龍の国の制圧に乗り出そうとしていて南方のグラニルにも進出しようとしたがシグルーン派に先を越された上にこのように軍が粉砕されてしまった。


「閣下…北からはリッカルンド、南からはビルカホルム、中央からはリンドボリを敵は突破しスヴァルの周囲を取り囲むように機動しています」

「そう、なら神堂でさえ攻め落とせなかったこの難攻不落の城スヴァルを要塞化して耐え抜くわよ。ほら、さっさとなさいな!!」


ステラは機嫌が悪そうに指示を出した。

しかし副官は気不味そうに「それはよろしくないかと」と答えた。


「なぜかしら?私は─」

「閣下…最早シグルーン派へ降るしかないかと愚行いたします…。平原の国の飛竜によって我らの位置は常に暴露され隠しても嗅ぎつけられ撃破されます故…予備部隊はもう1個大隊程度で敵は少なく見積もって旅団相当の兵力であります。それに要塞化のための物資と人手はもう払底しておりまして…その…」

「でも!このスヴァルは私の故郷!私の領地なのよ!?あんな、あの小娘にくれてやるならもう私は、私は…!きっと斬首されるに違いないのよ!奴隷たちを使って鉱山の採掘をしていたことを指摘されたら言い訳出来ないでしょ?!」

「閣下…」



「おーお、あやつらもう仲間割れかのう。妾の軍の威光を思い知ったか逆賊め!」

ケタケタ笑いながら戦線に出てきたシグルーンはこのスヴァル革命政府が崩壊しつつある様を見てご機嫌になっていた。

もう既にシグルーン派へ投降する将兵たちが続出していたがそれでもステラは降伏を拒みスヴァルの中に籠っていた。

確かに坑道を使ったりした要塞陣地は神堂の下級妃達でさえ攻略不可であったが今となっては奴隷たちが反乱を起こして占拠している以上潜伏は出来ずそのまま地上部で戦わざるを得ない状況であった。


グスタフ大将は既に使者を送っていたが最早ここまで来て今更降れぬと拒み革命政府は徹底抗戦を決定していた。

だがシグルーンは既に策を弄していた。


「しかし殿下、宜しいのでしょうか?」

「? なんじゃ?」

「今回のスヴァルを解放する戦いは…その…スヴァルまで持ちますでしょうか?彼等…スヴァルで働いていた奴隷達にも食糧を分け与えなくては成りませんが我らの食糧も無限ではございませんから不安では有ります」

「それなら案ずるな!あの変態不審者が何とかするわい!!」

「殿下…君塚様でございます…」


翌朝ステラ少将は拘束されシグルーン派の兵士達へと引き渡された。

「離しなさい!私は革命政府首班のステラ・ニールセンよ!!何であなた達が私を捕らえるの!!離しなさい!!!」


だがニールセンを離さずそのままシグルーン派の兵士達が彼女の身柄を受け取った。

シグルーン派の兵士達が既に内通者を作り出していて籠城している間に彼女を捕縛して引き渡したのだ。


「ニールセン少将、貴女がこのスヴァル革命政府と称して我らのスヴァルを好き放題していたようだな?全く…よくもここまで荒廃させられるのだな、貴官といい神堂と言い…何故こんなにも荒廃させる才能だけは有るのやら。感心したよ」


連れて行けとグスタフ大将は連行させてスヴァル革命政府の支配領域を併呑してシグルーン派の勢力はまたたく間に拡大、最早飛ぶ鳥を落とす勢いである。




そんな中竜族が国内軍の国境付近の部隊を襲ったと言う連絡が飛び込んで来た。

神堂はやぶれかぶれでシグルーン派の支援ルートの遮断を狙って竜族を動員したが反撃を受けて竜族部隊は壊滅、更に少数の下級妃も死亡した。

国内軍は何名か負傷者が出たものの以前国境付近の防備は健在でありすぐにでも戦闘行為に入れる予定であった。


「わざわざ開戦事由作成ご苦労だな神堂龍牙、攻撃されたと言うのは不可逆的かつ最高の開戦事由だぞ小童めが」

君塚は特大の開戦事由に対してほくそ笑んだ。


内務省は諸将を集めて『特別軍事作戦』の立案に取り掛かった。

アラモ砦を思い出せ

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