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何故現代兵器をファンタジー世界へ持ち込んではならないのか?  作者: ウォルギリウス
第四章

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幕間─ただの悲劇

番外編

とある転生者が龍の国の下級妃達にズルズルと引き摺られながら連行されていた。


「ようやく捕まえたぞこのクソ女!全く手古摺らせて何がしたかったのよ、おかげで一人死んだじゃない…」

「どうせ逃げられやしないのに何で抵抗なんて馬鹿な真似を…」

「でもこれで神堂様からご褒美もらえちゃうね!やったじゃん!!」

「高地の国のせいで一人死んだけどあいつの分もご褒美貰えるんじゃないかな?」


引き摺られている彼女こと門脇玲奈は龍の国と高地の国の国境地帯に潜んでいたが龍の国の下級妃達は彼女の所在を突き止めてようやく捕縛する事に成功した。

途中潜入していた事を気付いた高地の国国防軍の戦車大隊に追い詰められたり、たまたま出撃したルーデルの乗ったユーロファイターによる神がかった精密爆撃で1名死亡したが何とか交戦する事に成功した。


尚ルーデルのユーロファイターは烏丸によるバードストライクでエンジン不調になりやむなく脱出して、空軍上層部はこの事態に対し怒りを覚えていた。


高地の国ではバルクホルンが「はぁ?ルーデルが落とされた?しかもただの女に??…油断も隙もないなそいつら」と高地の国に対して脅威を感じて、ラルが「いやいや、あれを落とすって…小型対空砲を両肩に着けていたのか?」とふざけながらその報せを聞いていた。


門脇玲奈、彼女は捕縛と転移のギフトであり戦闘部門の下級妃の大規模な損耗を埋める為に各地で行われている龍の国による転生者狩りの被害者である。

神堂は何でもいいからとにかく損耗した人員に埋める為に転生者を掻き集めるよう下級妃達に厳命していた。


だがここで一つ疑問が起こる。

戦闘向きギフトを持つ転生者よりも火力は劣るものの戦力として申し分ない聖女を何故狩りに行かないのか?

それは単純に聖女について詳しく知ろうとしなかったからであり、聖女に関心が無かったからである。


ただそれだけであったが神堂がふと興味が湧いて聖女を得ようと人身売買組織にコンタクトを取ろうとしたが平原の国の特殊部隊に阻止されて断念していた。

神堂であろうがなかろうが聖女に関しては平原の国では人身売買には非常に強硬的な姿勢を示し他国への介入も積極的に行っていた。


それ以来神堂は君塚が妨害してこない転生者の確保に集中して行う用に成ったのだが君塚の聖剣と綾錦繭の略奪で龍の国は傾き月白姉妹の戦死で戦力はほぼ壊滅して今や王国内は軍閥が跳梁跋扈する悪夢のような国家に変貌している。




そんな中ようやく一人役に立ちそうな人材を確保出来そうな目処が立ったから何が何でも捕縛しなくてはならなかった。


派遣されたなけなしの戦闘部門下級妃は5人だった。

そのうち鳥獣操作のギフトを持つ鷹司舞により位置を捕捉して、光輪拘束の光石莉乃がひっそりと回り込み両足を光の輪で拘束して、樹木生成の森谷菜摘が蔦で頭部を殴打した後絡め取って両足の関節を外した上で気絶させた。

そして物質変質のギフト持ちの灰谷麻紀はその間泥濘を作り出して戦車等を行動不能にして時間稼ぎに努めていた。


ついでに追跡してきた高地の国の国家人民軍の部隊と遭遇して交戦したが返り討ちにして山腹にある小屋まで帰還した。

ここは元々龍の国の国境警備隊が駐屯していた監視所であったが今となっては漆喰は穴だらけになり木材はシロアリに食い尽くされ巣にされていた。


本来ここに駐屯していた国境警備隊は近郊の街、ファーフナーで武装蜂起しゲリラ戦を中央政府に仕掛けていた。

彼らは真の王派でも無く反神堂のみで立ち上げられた軍閥であり統制は取れていなかった泡沫の反乱軍だったが最近の神堂の凋落で勢いを取り戻しつつある。


「ったく何で神堂様に楯突く奴らがうじゃうじゃ湧いてくるわけ?神堂様に従えばいいのに」

鷹司は愚痴った。

戦闘部門下級妃として彼女は日夜すり潰されるように使い回され軍閥の征伐は当然、このような転生者狩りも動員されていた。


「でも軍閥?って奴らもそんなに強くないしあたし達だけでじゅーぶん?ってやつじゃない?」

光石は楽観的な視点で見ているが実態はそう甘くなく山の国から神堂政権への支援は行われているものの傭兵団の派遣について国内で紛糾している。

そして山の国の非主流派が他の軍閥の支援を行っていて彼らもまた一枚岩ではなかった。

更に平原の国の支援で増強され続ける真の王派は龍の国政府の脅威で有り続けていた、特に最近ではモシン・ナガンやマドセンが彼らにも支給され山の国の傭兵団では太刀打ちが出来ず数少ない戦闘部門下級妃が更に消耗させられていた。


「もう無理…お腹すいた…ずっと何も食べれていないもん…」

森谷菜摘は腐ったパンとカビの浮いたビールを摂取しながら空腹に悩んでいた。

彼女のギフトを用いれば食糧に関しては『本来であれば』解決可能ではあった。


「私のギフトでリンゴでも出せればいいのに……王子様が『そんなことより俺を楽しませろ』って言うから、やり方忘れちゃった……」


だが神堂は彼女との夜伽ぐらいでしか王宮内では使わず本来の野菜の生成等の食糧供給の役に立つギフトを無駄にしていた。

こと食糧事情は龍の国では破綻したも同然の状態であり元々有能な農夫や貴族、官僚達が上手いこと調和を保たせてきていた高度に発展させていた農業を彼らを追放して壊滅させてしまった神堂は食糧の徴発を下級妃に任務として与えてはいた。

しかしあまりの暴政に耐えかねた農民達は逃げ出し高地の国や平原の国、低地の国へと亡命していた。


「てか何で現代兵器がこの世界に犇めいているのよ…ずっと追いかけてくるしファンタジー要素何処よ」

灰谷麻紀はつい愚痴が出た。

余りにも現代兵器を装備している兵隊が各地に点在しており彼女達との交戦する機会が多くなった事に対して焦りを覚えていて、まるで自分達が追い詰められているような感覚に陥っていた。

まさにその通りであり斬首作戦を平原の国では既に立案されており高地の国も特殊作戦軍の長官に任命されていたプフールシュタイン将軍が既にエリカの命で作戦計画を練る段階に入っていた。


四人はボロボロの衣服を身に纏っているが元々はもう少し綺麗な衣服を身に纏っていたが君塚悠里による上級妃綾錦繭の拉致により服はほつれ穴が空いてもそれを使い続ける程貧しく成っていた。


そんな中国境のその廃屋とかしている拠点に意外な人物が訪ねてきた。


「!?神堂様ぁ!?何故ここへ」

鷹司は驚き声が上ずっていた。


「ああ、新たな下級妃を従わせるために来たんだよ。たっくこんなクソ汚え山までこさせやがって…で、これがそれか?ちゃんと生きてんだろうな?」


神堂は気絶している門脇の様子に少し不安そうにしていた。

神堂はすっかり窶れており目の周りには隈が浮き出ており、今まで着ていた服は破れている部分が目立ち全身から悪臭が漂っていた。

垢切れた肌は彼の窮状を物語っていて地獄のような龍の国の惨状を誰よりも体現していた。


「は、はい!生きています!!何とか生きてはいます!!」

「そうか、取り敢えずこいつを『従わせる』からお前ら外で見張ってろ」


「了解です!」と四人は外に飛び出して警戒態勢に移行していた。


「ほう…こりゃ上玉じゃねぇか。君塚のおっさん、待ってろよ…これからが本番だぜ」

「な、何よこの臭い」


目が覚めた門脇だったが

「うるせえな!!」

顔面を激しく殴打される。


「俺は王様なんだ、王様なんだよ!!」

「いやっ、やめっ、て」

門脇の衣服を勢いよく引き裂いて彼女の上に覆いかぶさった。


「誰よあんた!臭い!キモい!!離れて!離れてぇ!」

「こうなりゃこうだ!!」


女性支配を発動して強制的に門脇は次第に神堂の事を受け入れ始めた。


「いやっ…やだ、この気持ち…いい…神堂様ぁ…もっと、もっと愛して」

「ああ、嫌というほど今日は愛してやるぜ」


その日門脇の悲鳴が嬌声に変わり、新たな下級妃が1人追加された。

しかし龍の国の未来は黄昏の中にある

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