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何故現代兵器をファンタジー世界へ持ち込んではならないのか?  作者: ウォルギリウス
第三章

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いつだって英雄は

神堂の股は犠牲に成ったのだ

「ぐあああああ!!……君塚、てめぇって奴はいつも俺を……!!」


股間を抑えながら必死に君塚を睨みつけ怒りの眼差しを向けていたが君塚はほぼ無視していた。

だが流石に説明責任は有ると思い少しだけ釈明する事にした。


「いや、たまたまだな。あ、わざとそんな言い方してる訳じゃないぞ、本当。悪意は無いわけではないが、わざわざ貴様の股間を狙って当てれるほど腕は良いわけじゃない。兵士達に混ざって訓練してもここまでしか上達しないとはな、次は頭を狙うから安心してくれ……」

「何も安心しねぇわタコっ!!」


神堂は撃たれた股間を悶絶しつつ抑えながら、ドッシリとPKPを構え近づいて来る君塚を激しく睨みつけつつ、手元に即座に出したポーションを飲み干してゆっくりとだが回復するまで待つつもりだった。


その間に今回の戦闘で君塚の援護を担うレーナはスペツナズ隊員の隊長と月白もねの前に立ち二人を庇うように動いた。



「レーナ!彼を安全な場所へ、もねは俺が対応する!!」

「は!!」


悲惨にも喋る生首と化したスペツナズの隊長をソコロワ中尉は急いで抱き抱えて近くの生き残った隊員達の籠る家に運び込み、隊員達は恐慌状態であるものの隊長の救出により何とか統制を取り戻そうとしている。


「それともう一つだが、今俺の空挺軍が展開を完了した事をたった今報告を受ける事が出来た。だからまぁ、なんだ……逃げ道は無いからここで降伏するのが貴様の為に成るとは思うがいかがかね?」

「はっ、冗談きついぜおっさん!はぁ、あっ……てめぇは……はぁ、今美嶺のギフトの射程圏内なんだぜ」

「そっか、そうか……」


確かに白濁汚濁の濁流で君塚は飲み込まれて死ぬであろう事は誰の目に見ても明らかであった。

だが──君塚にはギフトでは無く別の物が既に見えていた。ハナから火力で劣るギフトでの勝負などするつもりは毛頭ない。


「確かに白濁汚濁は非常に強力な殺しの道具だ。だが……やりようはある、残念な事にこの街なら幾らでもな」


そして身悶えして動けない神堂の股間へ執拗に再度弾を撃ち込む。


「王子様!!おねーちゃん!そのクソ野郎は任せたよ、私王子様を後ろに下げるから!!!」

「ちっ……まぁ良いわ。貴方と遊んであげるから、せいぜい私を楽しませなさい!!」


怒りに任せて白濁液をホースから出る水のように噴射する美嶺、そして君塚は少しだけなら浴びても無視できる事を逆に利用して咄嗟にもねの許へ走って行った。


「す……すい、ませんっ、君、塚さん」

「もね、遅くなってすまない!!くそ……こんなにやられているなんて……」

「ご、めんな、さい……よわ、くてっ」

「謝らなくて良い……悪いのは神堂ただ一人だ」


もねの柔らかな肌の感触を鋼鉄の理性で振り切り、そっとガラス細工の工芸品のように優しく抱き抱えてスペツナズ隊員達の籠る家屋にもねを連れて退避した。


「はぁ、はぁ、……危なかった。あと一歩で俺も下半身が無くなっていたかも知れないな。何であんな危険な女が神堂のもとにいやがるのか……」


ふと君塚はスペツナズ隊員達の姿を見たが、彼らは今まで見てきた修羅場でさえ生ぬるい地獄である部隊長の尊厳が打ち砕かれた姿に正気を失いかけていた。


中には自殺しようとしていた隊員も居て部隊は士気崩壊を起こしている有様だった。


「止めてくれるなソコロワ中尉!もう俺は限界だ、隊長が、まさかあの隊長があんな事に!!」

「しっかりなさい同志!このような事で怯えるなど言語道断です!!今死んでも彼奴等に、ろくでなしのファシストに魂から屈するだけです!!なら今からでも残された物で足掻きなさい!!」

「だ、だが」


ソコロワ中尉は情けない隊員達に檄を飛ばした。


「口答えしない!!さっさとこの家屋を防衛する準備をなさい、早く!!!」

「は、はい!!」


(ロシアの女は怒らせると怖いとは聞くがまさか普段大人しい彼女がこんなにも厳しく対応してくるとは…しかも相手の階級大尉だぞ)


君塚は内心、彼女の気の強さに少し動揺していた。


「君塚さん、…申し訳ありません。私の家族が…ぐっ、ごめい…わくを…っ!!」


もねはなくなった右腕を抑えながら君塚に座らせてもらっていたが、自身の姉妹の件をひたすら謝っていた。


元を正せば彼女は被害者だが、それでも家族が生き恥を晒しながら低地の国や君塚の部隊に対して迷惑をかけたのは変わらなかった。

だからこそ、彼に月白もねは人生をかけて頼んだ。

女性支配の影響から抜け虚ろな目から光が戻った眼差しに成り、もねは君塚の服の裾を掴み涙を流しながら頼んだ。


「お願いです……私の、私の姉と妹を……神堂を……纏わり付く、全部の悪夢を終わらせてください……!もう、アイツに奪われるのは、嫌なんです……!!もう……もう……私のアトリエを……壊させないでください……!!!」


もねはみっともなく泣きじゃくり鼻水も垂らしながら君塚へ自身の願いを託そうとしていた。

自分の手に負えない惨劇を引き起こそうとする悪鬼と化した家族の介錯を見ず知らずの誰かに託すなんて本来なら彼女はしなかった選択肢だろう。


そっと君塚はサイズの合わないだろう上着を彼女に被せた。


「取り敢えず寒いだろうからこの服を暫く貸しておくよ。それと君みたいなお嬢さんに頼まれたとあっては断る事が果たして出来るかな。……このままここで待っていてくれ、少ししたら全て終わるから」


重たいPKPを君塚はしっかりと携えて兵士達に指示を出すレーナに話しかけた。


「レーナ、俺があの白濁液スプリンクラーの相手をするから俺とアイツが遠ざかったら部隊を率いて神堂を探せ」

「了解しました。ですが神堂を見つけたら私達は攻撃してもよろしいのでしょうか?」


「ああ、そうだ。だが神堂を見つけたら暫く注意を引く事に徹するんだ、あんな能力の真奈に君達では勝てるか怪しいからな。指揮権や階級については今も後も俺が何とかするから、兎に角あの部隊を率いてくれ。良いな?」

「了解しました同志」


「では始めるか」


下水の様な生臭い濁流がすっかり収まった市街地に飛び出した君塚は即座に美嶺に弾幕を浴びせかけて注意を引いた。

美嶺は咄嗟に白濁液で壁を築き弾薬を消し飛ばしていたがそのせいで注意が家屋から外れてスペツナズ部隊を率いたソコロワ中尉が神堂捜索のために飛び出た事を目撃出来なかった。


「こっちだこのドロドロ女ぁ!!俺のこのデカブツにメロメロのようだな!?ああ?神堂にはもう飽きたってか!!!」


君塚はPKPを腰だめで撃つため、肩はボロボロに成りかけてはいたがアドレナリンやら何やらが出てもう痛みや疲労に関しては前後不覚であり、弾は美嶺にまともに向かっていないものの白濁液は自動防御の為近付く弾全てに反応していた。


「くっ、このおっさんさっきから弾をバラマキやがるしおかげで何も見えないし何なのよもう!!りゅー君の逃げた方向から離されるし最悪!!さっさと死んでよ!!!」

「バーカバーカ!てめぇの要領が悪いから俺が見えなくて何も対応出来ねえんだよ!!ギフトが泣いてるぜ!!!」

「ああもう面倒!!ぶっ殺してやる!!!」


美嶺は両手を振り上げて白濁液を溜め始めた。


濁流を流し始めた為再度家屋に逃げ込んだ君塚。しかし家屋内部にも流れ込んできた為急ぎ出口は無いか確認した所地下が有りそのまま地下に出た。

するとそこには運河につながる地下水路が有り君塚は一計を案じてその運河に飛び込み息を潜める。


興奮していた美嶺はそのまま家屋に流し込み続けていたが白濁液越しに手応えを感じ君塚を討ち取れる事を確信して更に濁流を流し続けていた。


(よし、これで勝てる!りゅー君の為に私が一番役に立つ女だってアピール出来るわ!!)



次の瞬間頭に衝撃が走った。

川から這い上がり、服がドロドロに溶け落ちて顕になった非常に際どい黄金のマイクロビキニ姿の君塚悠里がそこには居た。


「アハ〜ん❤どうも〜ぷりちーゆーりぃちゃんただいま見参よぉん❤」


低地の国から一瞬で白濁液は消え去った。

白濁液は水より軽かったので水中に逃げれば影響を受けずに移動が可能であったのだ。


沖合に居た平原の国の艦隊は第2陣を用意していたが全て消し去る白濁液で身動きが取れなかった。

だが突然白濁液は消え去った。


外を囲む空挺軍のBMD-4Mやトラック部隊は消え去った橋が白濁液から吐き戻されるように再び架けられると急ぎ市街地内部へと突入していった。


海軍歩兵師団も後続の部隊が続々と投入され部隊が続々と展開していく。


T-80BVMとBMP-3Mが展開して兵士達は続々と市民の保護を行いつつ自分達の首領と合流しようと急いでいた。



「良かったですな同志クズネツォフ。我々海軍がようやく面目躍如の機会を得られましたからな」

「そうだとも同志イサコフ!まぁもうすっかり暗闇だから何も見れないのが悔しいが、だがこの世界でも我々の艦隊は大洋艦隊として存在している事をこの世界に宣言する事に成功したのだ!!!」

「申し訳ございませんが同志イサコフ提督、少しご報告がございまして……」

「わかった。同志、少し席を外すよ」


ふははははとご機嫌なクズネツォフ提督を尻目にイサコフは席を離れて部下の報告を受け取っていた。


そして君塚は真奈の撃破の為に歩みを進めていた。

何処に居るかは銃声で分かっていたからそちらの方向に進むだけであった。


「後退!後退しろ!無闇に命を散らせて同志の期待を裏切るような真似は避けろ!!」

「了解!くそ、いつ俺らが燃やされるか分かんねぇの怖えよ!!」


「私の王子様に攻撃すんなこの醜いゴキブリ共がああああ!!私が大切にしてるものによくも、よくもおおおおおおお!!!!」


真奈はスペツナズ隊員達がじわじわと後退しながら消耗を狙っている事に気が付きながらも決定打が打てず部隊を延々と神堂を守りつつ追いかけさせられていた。


「真奈!川が綺麗に成っていく!!多分だが美嶺が──」

「あんなクソ姉の話はしないで、王子様は私だけを見てよ!!!」


興奮していた真奈は反対側の橋からバイポットを展開して据え付けたPKPを構える君塚の鋭い殺意に気付く事は出来なかった。

それが命取りだった。


真奈は頭部が熟れたザクロのように弾け飛び、彼女の血が顔に付着した神堂はその場でへたり込んでしまった。


神堂に向かってスペツナズ隊員達は包囲するように動き取り囲んだ。

エレーナ・ソコロワ中尉はそのまま神堂に向けて銃口を向けたまま近付き投降を念の為呼びかけた、もし他国の侵略の阻止の為であろうとこんな場所で暗殺は法的に問題が有る可能性が出てきたからだ。


「もう観念しろ神堂龍牙!!お前にはもう逃げ道は無いぞ!!」


だが神堂は不敵な笑みを浮かべた。


「おいおい……まさか俺が最後の切り札を残しているのにまだ気付いてねぇのか?頭が」


重い破裂音が5回響いた。


「黙らせておこう。どうせこれで死にはしないだろうから……ポーションの点滴がまさか最後の切り札なんて言わないわよね?」


ソコロワ中尉は緑色のチューブが肘に刺さっていて腰のガラス瓶に直結されている事を確認した。


「やれやれ、取り敢えず同志に報告を入れ……は?」

「おいおい嘘だろ??なん、だありゃ」

「バカな……竜が空を……何処から!?」



復活した神堂は再度不敵な笑みを浮かべ

「だから言ったろ。これが!これこそが俺の最後の、最強の切り札だってよぉ!!!なぁ兵隊さんどもよ、お前らドラゴン殺せるのかぁ?殺した事あるのかぁ!?」


不意を突いて川面にホバリングしているドラゴンに飛び乗り神堂はジルフェルダムから離脱した。


「じゃーな〜バカな兵隊さん!俺はまた女捕まえて復讐してやるから覚悟してろよ〜!!」


一人神堂は愚痴る。

「チィッ、月白の役立たず姉妹どもが……! 覚えとけよ君塚のおっさん、俺の真の力を見せてやる!」


「アイツが逃げる!何とか、届けぇ!!!」


回復したもねは大空に赤の絵の具を塗り竜を次々と焼き焦がしていくがそれでも間に合わない程の数を動員していた。


彼の最後のギフト、竜族支配は女性支配と同様自身を認識させてしまえば竜族が勝手に服属するというもので少しだけ違う点を挙げるなら竜族をいつでもどこでも簡単にポータルを繋いで召喚できる所である。


上空の戦闘機部隊は迎撃したがそれでも圧倒的な数に押され空軍部隊は装備補充のため後退、海軍航空隊も再装填の為に空母にて補給を受けていた。


そして君塚にも竜の魔の手が迫っていた。


「……しまった。こんな手が残されているなら月白姉妹じゃなくて神堂先に始末しときゃ良かった……」


──無念だな。と一人竜のブレス攻撃を前にして弱音を吐いたその時


何処からか飛んできたミサイルが命中し竜が落とされた。


上空にはユーロファイターとトーネードIDSが多数舞い、地上にはレオパルト2A8戦車やリンクス歩兵戦闘車、ゲパルト自走対空砲、フクス装甲兵員輸送車が地上から進軍していた。


低地の国の同盟国が助けに来たのだ。


そしてドラゴン達は神堂によってポータルが閉じられていた為逃げ場を失い高地の国のユーロファイターのミーティア・ミサイルやゲパルトの35mm機関砲によって次々と叩き落されて、トーネードIDSが地上に居た竜を爆弾で薙ぎ払っていった。


そんな中1機のNH90ヘリが君塚に近付いてきた


「随分なご到着じゃないか、エリカ。ヒーローは遅れてくるとは言うがいくら何でも遅すぎないか?」

「ええ、私の国は法治主義の民主主義国家だから貴方の国のように独裁的で権威主義的国家じゃないから遅くて当然よ。で、あなたこそこの国で何をしようとしていたのかしら?事と次第ではただではすまないわよ」


二人は再び時間を取り戻すのか。


「それにしてもどうしたのよその格好、いつもの貴方らしくないじゃない。全く……」

「すまないエリカ……これには事情が……」

「良いわよ、別に。それよりさっさとウィレムの所へ行くわよ、そこから貴方とお話出来そうだもの。……どうせ貴方の事だし女の子を口説くために来たんでしょうから」

「そんなつもりは無いさ、兎に角会えて嬉しいよエリカ」

犠牲の犠牲にな

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