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何故現代兵器をファンタジー世界へ持ち込んではならないのか?  作者: ウォルギリウス
第二章

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奇妙な戦争

多分ヤンデレ回

君塚がお粗末な計画に基づき龍の国から暗殺未遂されてから少し経過して、ヤドヴィガ殿下の7歳の誕生日に合わせて祝賀会を行い殿下は様々な自国の有力者を招いてパーティーを開催したが必ず隣に君塚を置いていた。


華やかなシャンデリアの下ヤドヴィガは君塚のエスコートを受け招待された貴族や豪商たちに笑顔で応対している。

幼いながらも出席者の顔と名前、家門の背景まで完全に暗記している彼女の聡明さに君塚は舌を巻いていた。


そんな中身なりの良い容姿も整った伯爵令嬢が艶やかな笑みを浮かべて二人に近づいてきた。


「これは偉大なるヤドヴィガ殿下、ご機嫌麗しゅう御座います。そして君塚摂政閣下もご機嫌よう。ふふふ」

「え、ええ……ご機嫌麗しゅう御座います」


君塚悠里は確かに権力の座に座っているがどうにもこういった社交の場にはいつまで経っても慣れず、幼いヤドヴィガの方が余っ程優雅に慣れ親しんでいた。


「あら、カタジーナ・ポトツカ様。本日はようこそお越しくださいました。ごゆっくりお過ごしください。」

「ありがとう御座います殿下」




「そして君塚様、私実を申しますと貴方様のご活躍をよく耳にしておりまして……二人で少しお話は出来ませんでしょうか?」


(露骨すぎる……)


このポトツカ伯爵家はヤドヴィガ即位後も資産運用や節税等で財を逆に増やして今や王国内の重鎮とかしていた家門であり、彼らは国の実権を握る君塚が傍に女を侍らせていることから好色な人物と思い年頃の娘を差し出してあわよくば政治的に繋がりを、パイプを作ろうと目論み接近して来たのだ。



無論ヤドヴィガはこの様な企みが面白くないがしかし実力者たるポトツカ家に対して個人的感情だけで妨害するのは良くないと幼い彼女にもそれは理解出来ていた。


「ええ……と、ポトツカ様、私は殿下の補佐役でございますので……その……冒険譚はまたの機会にでもお話したいと思います。それに……」


君塚の腕に身体を押し当てて接触している面積を可能な限り増やした。


「私めはカタジーナとお呼びくださいませ摂政様。もしご多忙なら私貴方様のお宅にお伺いしてでも──」


「失礼致します、偉大にして尊き君塚摂政様」


鋭く冷え切る様な、まるでサーベルの振り下ろされた様な凛とした声が割り込んだ。



その割り込んできた長髪の女性スタッフにカタジーナはむっとした表情をするがその表情には侮蔑とか軽蔑しているような眼差しは無かった。

もし、話をするだけなら彼女を邸宅に招いても良いかもしれない。だがそれ以上はヤドヴィガの為には避けることを君塚は考えていた。


そしてそのスタッフは優雅に君塚に向き直るとプラチナの長い髪を僅かにかきあげ少しだけ碧眼が見えた。

そしてその僅かに見えた顔を見て君塚はふと何故か懐かしい感覚を覚えた。


「我が主は摂政様に特別なご要件が御座います故何卒、私と共に主とお会いして頂いても宜しいでしょうか?」


見たことの無い人物ヤドヴィガが君塚を守ろうと一歩前に出た。


「失礼を承知で申します。主とは一体何方のことをおっしゃられてるのでしょうか?君塚様は大変お忙しい方ですからあまりお手を煩わせないでいただきたいのですが」


不審過ぎる未知の相手に対して不信感を抱いていた7歳の女王は毅然とした態度で言い放った。


するとそんなヤドヴィガに対して女性スタッフは一瞬ムッとした表情を見せたがすぐに理性的な笑みを浮かべた。


「殿下は大変お若いからまだお分かりになれない事も多くございます。これは我が主と君塚様の話故、いわゆる『大人の事情』でございます。詳細に対する説明は何卒ご容赦願います。」


その声色はなるべく怒りを抑えて冷たく氷のように話していたものの理性的に振る舞っていた。まるで責任のある立場の如く、そして女王であろうと決して譲れないそれを抱えている様な振る舞いであった。


「……分かりました。なら少し私も、参加者の皆様とお話してまいりますので。どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。……君塚様、お気を付けて下さい」

「ご配慮いただきありがとう御座います殿下。それでは私も少し、私と会談を希望している方と会って参ります」


ヤドヴィガは君塚に単独行動の許可を出して自身は参加者達との会話を始めた。


そして君塚は連れられるままバルコニーに連れて行かれ静かな空間に二人だけ取り残される形に成った。


「それで貴女の主とはどちらにいらっしゃるのでしょうか?まだこのバルコニーにはいらっしゃらないようですが……」


君塚は呼び出されたのにバルコニーに誰も居ない事に不信感を抱き少し警戒した。

以前の下級妃の潜入事件で王宮内であろうと警戒するに越したことは無いからだ。


「ええ、もうまもなく参ります。何故なら──」


そう告げると突然そのスタッフは着ていた服を脱ぎ捨てた。

そこに現れたのは──君塚の前世で(一応)恋人だったエリカだった。

彼女は下に黒い軍服を着ており肩に銀のモールと勲章が飾られたその衣装を一体どうやって隠していたのか君塚は気になって仕方なかった。

その軍服姿は非常に窮屈そうな胸部が特徴でありウェストは絞られていて臀部は安産型、見た目は本当に素晴らしい女性だ。

中身を見ないなら、だが。


「久しぶりね、悠里。私より先にあの世に旅立って寂しかったけどこっちでは元気なようだからつい会いに来てしまったわ。……また女の子を沢山誑かしているようなのだけれど、まさか貴方の恋人である私の事を忘れてないわよね。安易に恋人を捨てて浮気するような方とは思っていなかったのだけど?」


エリカは君塚に対して胸ぐらを掴み問い詰めていた、まさか異世界転生したからとはいえこの大切な恋人を裏切ってハーレム形成をしていたのではないのかと。


「なぁエリカ……俺達ってまだ関係続いてたっけ?」

「続いているわ!私はまだ、貴方から別れの言葉を切り出されていないもの!!」


エリカは食い気味に答えて冷や汗が流れている君塚との関係性について認識を修正させる。

そこへ騒動を聞き付けて駆け付けたヤドヴィガが現れて君塚とエリカの間に割って入る。


「何をされているのですか!?君塚様、その方から離れてください!」

「あら、お初にお目にかかります平原の国の女王ヤドヴィガ殿下。私はエリカ・フォン・ホーエンハイム。高地の国の女帝でございます。そして……君塚悠里の婚約者でも有ります、いつも悠里がご迷惑をおかけしているようで」

「な……!君塚様の婚約者?!本当なのですか君塚様!!」


ヤドヴィガは目の前の女帝にショックを受け、君塚は渋い顔をしながら自らの主の問いかけにに回答した。


「畏れながら申し上げます殿下。その方は確かに元は恋人でしたが私と関係は様々な紆余曲折(異世界転生)がございまして、既に関係は終わったものと見なしても宜しいかと」


(後フォン・ホーエンハイムって何だよ。お前の姓は高田じゃなかったっけ?てかユンカー気取りかよ)


君塚はあくまでエリカは関係が終わった上での元カノである事を主張した。


まず転生者達の中で国盗りを最初に成功させた高地の国の支配者である事がまず厄介であり自身を超える軍事力を保有する可能性が有り、まだ厄介なギフトも持っている可能性も有る危険人物である事は間違い無かった。

そして他国の王のパーティー会場に乱入して注目を自身に集めるようなカミングアウトをするような狂人を恋人として認めたくなかった、それ故の恥ずかしさが勝ったので咄嗟に否定した。


「……まぁ今日はこんな所で高地の国に帰らせてもらうとしましょうか。それではお騒がせしました平原の国の幼き女王ヤドヴィガ殿下、そして我が愛しき君塚悠里摂政様。近い内にこちらから使者を送りますので良きご返答お待ちしております」


闇世の中から突然現れたNH90に飛び乗り高地の国の女帝は去って行った。

君塚の部隊に後日確認を取ると一切軍用レーダーにはヘリコプターの動きは確認出来なかったと報告を受けたので、高地の国には練度の高い兵士が居るものと思われる為高地の国の動向は目下最優先事項になりつつ有った。


そしてパーティーはお開きに成りヤドヴィガの誕生日パーティーは散々だった為後日ヤドヴィガは久しぶりに君塚に添い寝してもらい君塚の香りを胸いっぱい吸い込んで心を癒やした。



そんな中ある日決心し君塚は単独ヤドヴィガに許可を何とか取り付けて龍の国に潜入していた。

馬車に揺られて君塚は以前神堂が王宮に侵入してきた際に自慢してきた彼の聖剣について気がかりな情報が有ったから懸念を払拭するために赴いていた。


神堂のギフトである聖剣のジェスチャーが弟と秘密の話をする際に使っていたものとそっくりであったことから弟の関係者がこのような事態に巻き込まれてしまった可能性が有り、それなら君塚は動かざるを得なかったのである。

そして万が一弟の場合も考慮して救出する算段も建てねばならない。


君塚は確かに龍の国全土で指名手配されている身ではあるが彼にはとある策が有った。

それは神堂のハーレムは喪失した人員の補充を行う為に拡大させようと躍起に成っている事で有りそれならつけ込む隙は有る。


「神堂は何としてでもハーレム要員を募集している。なら、これしかないな……ヤドヴィガ殿下には後で謝るとしょうか」


君塚はとある服を着用して覚悟を胸に神堂の居る王宮へと歩んで行った。

そう、その服とは──


「止まれ!ここは神堂様のおわす神聖な王宮であるぞ!!」

「アハーン、私ぷりちーゆーりぃと申しますの〜❤神堂様のハーレムに入りたいと思いまして来ましたわ〜❤」


君塚悠里は黄金の女性用マイクロビキニを着て腰を冒涜的なまでにクネクネさせながら龍の国の下級妃候補として潜入しようとしていた。


「……そうか、なら通れ」

「ありがとうございます〜❤それでは行ってきますわ先輩〜❤」


門番の下級妃がその侵入者を止めようとした、しかし彼女は君塚を全く知らなかったから目の前の不審者だろうが下級妃候補として通してしまった。

黄金のマイクロビキニ。

網タイツ。

そして、無精髭の生えたおっさん。

どうしてこんな奴を通したのか担当者は最低でも最前線送りに成りそうでは有る失態だ。

ヤドヴィガが知れば嘆き悲しんだであろうし桂木や雨宮が見たら卒倒しかねない光景でありエリカが知れば殴ってでも連れ帰ったであろう地獄が既にそこには有った。

そしてあれよあれよと言う間に何故か全ての検査を突破して神堂の前に出た。

そして龍の国でさらなる地獄が生まれた。


「うっふ〜ん❤ 神堂さまぁ〜、私ぷりちーゆーりぃですぅ〜❤ あなた様の愛の奴隷になりたくてぇ〜❤我慢出来ずに来ちゃいました〜❤」


腰をクネクネさせる神々へと捧げるなら大洪水や蝗の群れ、後は雷や何らかの総軍を派遣されてしまいそうな冒涜的なダンスを見てそのまま神堂は嘔吐しながら卒倒した。


「な、な、なっ……お……おぇぇぇぇぇッ!!!」


神堂龍牙は限界を超えた。


「目が!俺の目がぁぁぁ!!なんだその汚物は!!殺せ!!いや近寄らせるな!!!」


玉座の間に居た上級妃達はその君塚の冒涜的なダンスを冷静に分析して後宮で行う毎朝神堂への奉仕のために行う喜びの舞への参考になれそうな部分を必死に探していた。


周囲の上級妃たちは凍りつくかそれとも彼の狂気の暗黒舞踊を参考にしていたが、一人だけそれとは反応が違った者がいた。

神堂の傍らに控えていた最上級妃・聖剣だ。


「ぶっ……あはははは!何あのダンス!わけわかんない!兄さん、何やってんの!?あははははは!!」


彼女は腹を抱えて爆笑していた。

いつもの憂い顔はどこへやらIカップはあろう胸を揺らしながら涙を流して笑い転げている。

神堂はいつもの反抗的な態度の彼女から信じられない様な目で見ていて、そして上級妃達といつもの物憂げな表情を浮かべている聖剣とは全く違う彼女に驚きを隠せていなかった。


「ええい!そのふざけた女(おっさん)を地下牢へぶち込め!!」


復活した神堂の絶叫により命を受けた下級妃達に君塚は取り押さえられた。


「あら〜ん、先輩方〜そんな乱暴はおよしになって〜❤」


聖剣が過呼吸に成って上級妃達に背中をさせられている姿を見ながら地下牢へ引きずられながら、君塚は少しだけ後悔した。


(……流石にやりすぎたか)


黄金のビキニ姿のまま狭く水が滴る冷たい石畳に放り込まれる平原の国摂政。

彼の戦いはまだ始まったばかりである。

そして主人公の大切な人登場

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― 新着の感想 ―
ここまで読了させて頂きました!! デスゲーム、チート、ギフトと冒頭から面白要素ばかりで惹き込まれるように拝読。 ヤドヴィガとの出会い、利用するだけ程度の想いから確実に関係性が構築されていく展開に胸が…
八万字相当まで読ませてもらいました!長編なのにテンポが良くて、最後まで楽しく読めました! 特に悠里が、最初はヤドヴィガを利用するつもりだったのに、だんだん本気で守るようになっていくところが好きです。つ…
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