中度鬱沼の淵に立つ②
C氏との初めての打ち合わせで私は、A氏との最後の仕事について問い合わせてみました。すると。
「いやぁ、今度はまた別のジャンルを押していくことになったので、あれは申し訳ないがボツで」
え、ちょっと。なんだそれ。(三回目)
それまで##とは、たしか三ヶ月程度やり取りをしてきました。
たったそれだけの間で、会社が推進するジャンルというか方向性が、こうもコロコロ変わるって普通なの!? と驚きました。
が、C氏曰く「うちの会社じゃ当たり前のことでして」。
これが普通って……と、愕然としました。
とにもかくにも、ボツになっちゃったんならまた新しく作り直さなきゃいけない。
この辺りで私は、なんだか嫌な予感しかしませんでした。
「もうこの会社とはやり取り辞めたほうがいいんじゃ……」と、チラッと思ったりもしました。
だけど打ち合わせはスムーズに進んでしまい、私はC氏と共に新しいプロットを作ることになってしまったのです。
C氏の要望は
「コミックシー○アのランキングに載っているような作品」
でした。
つまり、ランクインしているようなジャンル、テーマ、タイプの作品を選んで話を作ればいいのね。
そう解釈した私は早速、シー○アランキングに載っている作品を片っ端から購入し、読みまくりました。
そのなかから私が書けそうなジャンルを選んで話を考え、ログラインと簡易的なプロットが数本分できあがったところで、C氏に提出しました。
C氏の回答は
「これ、ランキングに載ってる作品と違いますよね」
………………ん? どゆこと?
ちゃんとランクインした作品を研究して出しましたけど?
「いや、内容が違いますよね」
そりゃあ、ランクインしている作品と、丸っと同じ物を作るわけがない。
……ん? ちょっと待って。まさかとは思うけれど……。
「ランキングに載っている作品でお願いしたいんですよ」
そ の ま さ か だ っ た … … !
つまりC氏は私に、ランクインしている作品の二番煎じというかオマージュというかパクりというか……ともかくそういう物を書かせたいと思っていたらしかったのです(少なくとも私はそう解釈した)。
いやいやいやいや、それってあり得ないっしょ。
そりゃあね、ジャンルとかテーマが被るっていうのは、創作あるあるですよ。
だけどね、特定の作品の二番煎……えぇい面倒だ、ハッキリ書きますね。パクりを提案してくるなんて、絶対あっちゃいけないこと。
――ちょっとこれは、やばい会社なのでは……。
C氏とのやり取りに、少しずつ後悔し始めていた私なのでした。




