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気づいたら 鬱 ど真ん中にいました  作者: すずしろ たえ


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中度鬱沼の淵に立つ①

 そのオファーもまた、『復讐は離婚の後で』のような作品を、というものでした。

 いつもならこの時点で断っているのですが、その制作会社さん(以下、##と表記)は『復讐は~』以外にも私の作品を読んでおられて「Webに掲載されていた○○という作品、凄く面白かったです」と、よかった点など細かく感想を伝えてくださったのです。


 これまでオファーしてきた出版社、制作会社はどこも、『復讐は~』だけを読んでオファーをしてきていました。

 それが悪いってわけじゃありません。

 ただ、ほかの作品にも目を通し、「あなたにうちで書いて欲しい」と熱烈オファーをいただくのは、作家冥利に尽きること。

 しかもスカッと復讐系ではなく、サイコパスが絡んだものを提案されたのです。 これは『復讐は~』というよりも、原作小説に寄った感じの物をお求めなのだな、それなら書ける! と了承したのでした。


 プロットを提出し、その後##の担当A氏と話し合いを重ねて形にした後、営業会議に掛けられることになりました。


 が。


「……すみません。営業会議で、サイコパス系ではなく今後は○○ジャンルを押していこうということになりまして……」


 A氏から「なので今回のプロットは白紙にして、○○ジャンルのプロットを新たに出していただけたら……」そう伝えられ、唖然とする私。


 え、ちょっと。なんだそれ。

 正直、そう思いました。


 が、A氏も大変恐縮されているし、(かいしゃ)の方針じゃしょうがないよね……と思い、次のプロットを作ることにしたのです。


 が。(二回目)


 次のプロットが完成間近になった頃、A氏から突如


「今日で退職することになりました」


 とメールで連絡が。


 え、ちょっと。なんだそれ。(二回目)


 あまりに突然のことに、呆然としました。

 会社ってこんな突然辞められたっけ? 退職まである程度日数があるのが普通じゃなかったっけ? てか今作ってるプロットはどうなるの? 次の担当とか決まってるの?


 聞きたいことは山ほどありましたが、すでに退職が決まっている方にこれ以上何か言っても仕方ないだろうと考え「お世話になりました、お元気で」と別れの挨拶を送ったのです。


 そのメールにA氏からはなんの返事もなく。

 これから一体どうしたらいいのか、何もわからないまま数日が過ぎ。

 もしかしたら##との関係は、これで終わりなのかもなーなんて考えていたとき、##のBを名乗る人物から連絡が入ったのでした。


「A氏の後をCという者が引き継ぎたいと言っているのですが」


 あ、引き継いでもらえたんだ。じゃあ##との関係は今後も続くのね。

 ホッと安心した私は、C氏が担当になる旨を快諾したのでした。

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