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気づいたら 鬱 ど真ん中にいました  作者: すずしろ たえ


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5/18

期待されても……

『復讐は離婚の後で』がどんどん読まれるようになって以降、私の生活はある意味一変しました。

 それまでも商業作家としてやって来られましたが、どちらかといえばオファーが来るより自ら営業をかけて仕事を取りに行くほうが多かったのです。

 けれど『復讐は~』ヒット後は、オファーをいただけることのほうが増えたのでした。

 しかもご要望の多くがコミカライズ用の書き下ろし。

 書き下ろし作品を出すことが夢の一つだった私にとって、これはもう嬉しい以外の何ものでもありません。オファーが来るたび、小躍りして喜んだのを覚えています。

 けれど詳細なお話を聞く時点で、私の喜びは絶望に変わっていったのです。


「“復讐は離婚の後でのような”スカッと復讐系でお願いしたいのですが」


 そんなふうに望まれる出版社さん、制作会社さんが多かったんですよね。


 もちろん『復讐は~』系じゃない作品を求められることもあったので、そういったときは対応させていただきましたよ。

 たとえばジャンプTOONで連載中の『偽物王妃、愛を知る』とか。これはちょうど、この頃に連載が決まり執筆を開始した作品だったりします。

 ほかにも、R18BL作品もいくつか。

 だけど、圧倒的に多かったのが、『復讐は~』のような……というものだったことは確かです。


 前話でも述べたとおり『復讐は離婚の後で』は原作からかなり脚色が加えられていて、厳密に純度百パーセントすずしろ作品かと問われると、私的にはNOと言わざるを得ないのです。

 私の作品はあくまで原作『お飾りの妻が愛する夫のために全力を尽くした結果』であって、『復讐は離婚の後で』ではないんですよね。だから『復讐は~』のようなものをもう一発お願いしたいと求められても、お出しすることができないのです。

(そもそも私、スカッと復讐系は書けないし……ねっとり復讐系なら得意だけれど)


 そのためお話をお断りすることが非常に多くなってしまったのですが、ご要望にお応えできない自分が不甲斐なく、力不足が情けなく、落ち込んだまま浮上できないことが増えてきました。


 さらにお断りするときの気まずさと心苦しさで、私のメンタルはどんどん降下。

 睡眠障害に拍車がかかり、思考抑制がますます強くなっていきました。


 頑張ればなんとか書ける状態が、頑張らなければ全然書けない状態へと変化。

 こんなことは初めてです。

 今まで経験したことのない事態は、私を混乱の渦にたたき込みました。


 そしてついに、私を中~重度の鬱へと引きずり落とす、決定的な出来事が起こったのです。

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