1話 ユーカリと愉快な仲間達とAIという魔法の言葉
辺りは焼け野原
鎮火したばかりなのか煙だらけ
煙が薄くなる
一人の人影が見える
煙でよく見えない
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スマートフォンの電源がつく
画面には
はじまり、はじまり
と表示された
フェアリー
「やあ!皆さん、はじめまして!私はフェアリー!私が説明とか色々とするのでよろしくね!」
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コアラ
「おーい!みんなー!はじまるぞー!早くこーい」
カンガルー
「マジか?!今行く!」
カラス
「フッ、ワタシはすでにいたのだ」
チンパンジー
「ポップコーン持ってきてくれ」
羊
「今行きまーす!」
犬
「早く行きたまえ」
猫
「ふぁーあ…眠いにゃ…」
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みんながソファに座ったところでテレビの画面には3からカウントダウンが始まった
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森の映像
ナレーション
「ユーカリ…ユーカリの木は、意図的に発火させてるのではないかと思うほど自然発火が起きやすいと言われている。樹皮は燃えやすいご幹から剥がれ落ちる為、幹の内側は守られ、根に栄養をためておけるので山火事の後でも成長できる。火災で優位にたてると言われている」
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プライバシーを配慮されているため、顔が映らないようにされた映像
「ええ…一度プロジェクトが始まってしまったらもう止めれませんでした…」
「やめたくてもやめれませんでした…」
「ここまでやったんだからやめるわけにはいきませんでした…」
「それは小さな火だと思ってたんですけど瞬く間に炎になってしまいました…」
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プライバシーの観点から後ろ姿のみの映像
「はい。当初からイニシャルコスト回収できる見込みはないと思ってましたし良くあるユートピアやディストピアになる分けないと思ってました…」
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テーブルに腕を置いている映像
「なんであんなにみんな開発しまくってたのかよく分かんないっす!だってまずどうやってプラスにするか考えるもんでしょ?どうやればプラスになるか分かんないもんに、よくあんな巨額のイニシャルコストとランニングコストかけれたのか分からんす!」
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長い髪で白衣を着た女性の後ろ姿
「最初から上手くいくとは思ってませんでしたよ。出口戦略もありませんでしたし」
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砂嵐の映像
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チャララーン♪
ナレーション
「みんなー!いつも元気なユカリちゃんの夢に向かって努力するアニメ、やる気に燃えてるユカリちゃん、はっじっまっるよー!」
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ナレーション
「前回までのやる気に燃えてるユカリちゃんは…」
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女性の口元アップ
限界まで上がっている口角
ユカリ
「このあたしユカリが夢を諦めるとでも?あたしにとってのAIは夢なのよ…叶わないのなら全て燃やし尽くすのみ…ただその目的の為に実行したまでよ…」
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黒髪ポニーテールの後ろ姿
ユカリ
「AI開発と運用に巨額のイニシャルコストとランニング費用がかかる為ユカリ達には到底扱えなかった…それなら焼き尽くそうと焚き付けてみたのよ…コモリ…あんたには悪いことしたよ…」
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不適な笑みを見せている口元のアップ
ユカリ
「…みんな出口の見えない炎のトンネルを走り続けてくれるとはね…」
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辺り一面火の海になっているトンネル
走ってる人達
「本当にこの先に出口あんのか?!行き止まりだったらどうすんだ?!」
「進むしかないよ!」
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続く
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