表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大聖女の姉  作者: 房一鳳凰
第二章 スポイラー・トーゴー編
65/273

滅びの村の巻

 今日から再開です。一日一話、18時に更新します。よろしくお願いします。

「………いったいどうなっているんだ!」


「まさか……決勝トーナメント出場者が誰もいないパーティーとは!この寒い空気も当然です!」


 私が一人で始めた反省会は盛大なパーティーとなり、そのせいでお城のほうは悲惨だった。優勝者のマキとその家族、ベスト4全員に加えてマキシーも私のところに来た。お城のほうはとても寂しい集まりになっていた。


 そして私たちは知らなかったことだけど、ヤブサとエンスケもお城のパーティーに不参加だったらしい。ヤブサは修行の旅に出ると言い残し、エンスケは大会後の闘魂軍入りすら辞退してどこかへ行ってしまったという。


「エンスケめ……あんなやついなくなったって戦力としては何も困りませんよ、父上!」


「ああ。裏で手を引いているやつがいる。そいつにうまく騙されたんだろうよ。ヤブサはまあいいとして、エンスケやビューティ家絡みの連中は許さんぞ!」


 マキが願った通りの展開になりそうだ。王様たちは怒りに任せてマキとマッチョ王子の婚約を解消する気でいた。



「王家を敬わないどころか敵になろうとしている連中があまりにも多すぎる!確かつい一昨日だったな、闘技大会の開幕した日に……」


「はい。不穏な動きがあると報告を受けました。真の王は自分だと主張し暗躍を始めた者がいると……」


 顔も名前もまだわからない、新たな脅威が迫っていた。






「オール・エリート・ギルドと提携した?」


「ああ。やつらのメンバーの一人がこのギルドの出身なんだ。これから急成長しそうな勢力と早めに手を組んでおこうと思ってな」


 私とサキーが勧誘されていたのを察したのか、それともただの偶然か。サンシーロさんはオール・エリート・ギルドと協力する道を選んだ。その結果、私たちは引き続きここで働くことになった。


「人はいるが仕事が少ない、その逆で仕事は多いが人が足りない、報酬が高い依頼があるのに適任者がいない……そんな時に互いのためになる契約だ」


 私たちが一方的に得をしそうな話だけど、相手も利益があると判断したから協力関係を結んだはず。私たちがレベルアップするいいきっかけになりそうだ。



「早速あっちから超高額報酬の依頼が回ってきた!しかもジャッキー、お前ならではの仕事だ!」


「……私ですか?サキーじゃなくて?」


「信じられん話だったが、お前にもほんの少しだけ大聖女の力があるんだろう?真の大聖女や聖女隊を呼ぶほどではない、しかし浄化ができる人間がほしい……そうなるとお前にぴったりだろう」


 この事実がマキによって明らかにされてから、私も大聖女の力を偶然ではなく自分の意思で使えるように練習してみた。でも今のところうまくいっていない。



「場所はここから馬車で半日程度、メンバーはいつも通りジャッキーとサキー様、それにジャッキーが連れている二人だ。むこうからも一人出すらしい」


 そんなに遠くない。早く終われば一泊で家に戻れるいい仕事で、問題はその内容だ。


「で……依頼主は大聖堂の神父だった人の奥様……だった方からで、物探しだ」


「『だった』が多いな。どういうことだ?」


「場所は二年前の大地震で滅びた村、その神父は悲劇の人物……そこまで言えばおわかりになるのでは?サキー様」


「………!なるほど」 


 サキーに加え、私も全てを理解した。二年前に地震が起きて、深刻な被害を受けた地域があることまではラームとマユも知っていた。




 その村は海沿いの漁村だった。地震の影響で発生した津波で大きなダメージを受け、王国は村人たちを助けるために動いた。


 しかし大量の物資を準備するのは時間がかかるので、まずは最低限の食糧を持った兵士たちと神父様が村に向かった。兵団が帰っても神父様は村に残り、先に村人の精神を落ち着かせるために神の教えや救いの希望を語ったという。ところが、


「たったこれだけの食いモンしかよこさない上に、腹の足しにもならない説教を宣う馬鹿を置いていきやがった!」


「さあ、こいつを殺して金目の物を剥ぎ取ろう。自分用の食物を隠し持っているだろうしな!」


 村人たちは神父様を殺してしまった。感謝しないどころか、心が邪悪だった。このことを知った王様や大聖堂の人たちはその村への救援を中止し、飢餓や病気によって村は滅びた。神父様の死は皆が悲しんだけど、村人たちに同情する人はほとんどいなかった。




「すでに二年が過ぎた。何もないかもしれないが、もし遺品が見つかるのなら持って帰ってきてほしいということか。よくわかった」


「あの村かぁ……死体もそのままだって話だよ。とっくに骨になってるだろうけど……」


 肉に集まる動物や虫、魔物はそこまで心配しなくていいとしても、骨がたくさん転がる滅びの村なんて誰も行きたくない。だから超高額なのかと思っていたら、話はまだ続いていた。



「いや……これは噂だが、村人たちはゾンビか幽霊になっているそうだ。だから残りカスとはいえ大聖女の力を持つジャッキーが必要だとオール・エリート・ギルドの連中は言っていた」


「………は?」 「ゾンビ?幽霊?」


「怨念や逆恨みの気持ちが強いせいだというが、あの土地がそうさせたのか、魔族によって利用されているのかは調べていないという。はっきりしたことは行ってみないとわからない」


 村人が魔物になっているのか、骨のままなのか、そもそも生き残りはほんとうに誰もいないのか。いつまでも放置しているとマキが呼ばれるかもしれないし、愛する妹のためにも私たちが行くべきだ。



「わかりました、やります。あとはむこうのギルドから来る人といつ合流するかですが……」


「実はもう来てるんだよ。お前が必ず受けると読んでいたのか、馬車の準備まで整っている。だから今すぐにでも出発できるぞ!」


 サンシーロさんが馬車を指差すと同時に、一人の女性が私たちの前に現れた。このタイミングということは、この人が私たちといっしょに滅びの村へ行くようだ。


 目つきが鋭く、面積の小さい服では覆いきれない筋肉を見てわかるように、身体はとても鍛えられていた。体術を得意とする冒険者か。



「初めまして。私は『スポイラー・トーゴー』です。皆さんの活躍は聞いていますよ。共に仕事ができて光栄です」


 意外と礼儀正しい人だった。知らない人と長旅なのは不安だったけど、これなら問題なさそうだ。

 いよいよ今週末からG1 CLIMAXが始まりますね。今日はAブロック、明日はBブロックを予想します。興味のない方は明日の後書きもスルーしてください。



①海野翔太……新日本の公式が新エースに指定した選手。優勝決定トーナメントに進ませるのは確実だろうが、途中休場の可能性もある。離脱するとしたらゲイブ戦だと思う。


②内藤哲也……IWGP世界ヘビー級王者であり、人気ナンバーワン。1位通過してトーナメントで敗退しそう。この人もコンディションが心配なので、無事に完走してほしい。


③鷹木信悟……激しい戦いが多く、好勝負製造機。ベルトを持っていないのでここで優勝する可能性は十分ある。団体が若返りを急いでいるので、今年がラストチャンスかもしれない。


④ザック・セイバーJr.……技の数は無限なサブミッションマスター。悲願の優勝とIWGPをたくさんのファンが待ち望んでいる。最初は影が薄かったユニットが最近存在感を増しているのも好材料。


⑤SANADA……J5Gのエース選手で、2023年はこの人の年だった。実力的には文句なく上位なのだが、似たような立場の鷹木やザックをブロック敗退させてまで上に行くかと言われたら……。


⑥グレート−O−カーン……偉大なる新日本の支配者で、プロレスに詳しくなくてもこの選手は知っているという人が多い。個人的にはぜひとも優勝してほしいが、KOPWのベルトが邪魔。あのまま上村に押しつけとくべきだった。


⑦カラム・ニューマン……連合帝国のヤングライオン枠。ニューマンが予選を勝ち抜いたのは全く予想外で、期待の大きさが伝わってくる。今回は全敗かもしれないが、数年後には優勝候補だろう。


⑧ジェイク・リー……NOAHを捨ててBULLET CLUBに加入。新日本に正式移籍したのかはわからないが、いきなり負け越しでは何のために来たんだという話になるので、そこそこの成績は残しそう。


⑨ゲイブ・キッド……現在新日本で最も危険な男。直前のインタビューでは他の選手たちに火の玉ストレートを投げ込んだ。全試合盛り上がりそうだが、上位に入るようなタイプではない。(反則負けや無効試合がありそう)


⑩EVIL……闇の王にして、新日本プロレスの真の社長。今回もディック東郷を筆頭に軍団を介入させるのは確実だ。内藤やSANADAとの戦いは正直飽きたが、BULLET CLUBとの同門対決はどうなるのか楽しみ。



 理想は1位社長、2位ゲイブ、3位オーカーン様で、オーカーン様が決勝戦進出。まずありえませんね。現実は1位内藤、2位3位はザックと海野(途中リタイアしたら鷹木)で、海野が決勝進出と予想します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ