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第6話:リターンマッチング

 そうして翌日、手紙が届いた。

 宛名は……メレク嬢からだった。


「まぁ一方的すぎたからな、恨み言の一つくらい送らねぇと気が済まねぇってか」


 そして手紙を開けると、予想外のことが書かれていた。


『先ずはショウ王子、がニコポ・ナデポによって死のうとしたわたくしを救い、そしてその力を自ら封じたそのお心遣い、誠に感謝しております』


「……先生、これどっか誤字ってねぇか? なんかオカシイぞ」

「レディからの文を読むわけにはいきませんが、恐らく正しいと思いますよ」


 俺は頭をかしげながら更に手紙を読み進める。


『しかし分からないのです。 あの優しさを持つ王子が、どうしてああも一方的に婚約を破棄されたのかを。 一晩中考えても分かりませんでした』


 そりゃお前の考えてる優しさなんてものは最初からないんだから、いくら考えても分かんねぇだろうな。


『ですが王子は最初から答えを言っておりましたね。 自分のことを知らない奴を結婚は出来ないと。 ……その通りだと思います。 相手のことを知らずに、その隣に並び立てるはずがありません。 しかも聡明な王子の隣など尚更です』


 ……こいつ、もしかしてすげぇ馬鹿なんじゃねぇかと思いながらも手紙を読み進める。


『ですので、婚約などと言う前に王子のことを理解しなければならないと思いました。 そのことをショウ王にご相談したところ、お詫びとして御屋敷を一つ頂きました』


 何してんだあのクソ親父、と思ったがあれだけ一方的にフッたんだから保障は必要か。

 まぁ屋敷の一つや二つくらいどうってことないだろ。


『これはこの国で王子のことをしっかりと学ぶ為のものだと思い至りました。 そして、婚約はそこからなのだと。 これより貴方様に選ばれ横に立てる立派な淑女へとなれるよう、努力して邁進して参ります。 どうか、今後とも末永いお付き合いをして頂ければとお願い申し上げます』


 手紙はそこで終わっていた。


「……………は?」


 あまりの内容に、俺はそれだけしか言えなかった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 先人にやり尽くされて、余地が残ってない転生かー そんな中、なかなかの女傑が立ち塞がってくれたようでw やったねショウ様! 強敵(?)が増えるよ!
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