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87話

87話


「タロウ様はこちらにお座りください。その後ろにクラウス様たちが護衛としてお立ちください。間もなく御当主様が参ります」


 ミリスさんの案内で部屋に入ると、高級感漂うテーブルが1つ、テーブルを囲う様に1人用のソファーが3つ置かれていた。


 対面する様にソファーが2つ向き合い、その間に中立の様な感じでソファーが1つ置かれている。


 ソファーの置き方からすると、上座と下座は無い。


 あえて下座とするなら、部屋の扉に一番近い中立の様に置かれているソファーだろうか?


 対面する片方のソファーをミリスさんに薦められたので座る。


 ミリスさんは、下座というか中立のソファーに座る。


 つまり、対面のソファーにはハリス子爵が座る予定。


 まぁ、顔繋ぎと談笑するだけだし、俺とハリス子爵が対面する形になるのは分かる。


 でも、なぜミリスさんはこちら側でもあちら側でも無い中立の位置に座るの?


 まるで両者を『仲介』する形になってないか?


 そんなことを考えると、コンコンコンとノックが鳴る。


 ミリスさんがスッと立ち上がり扉の方を向いので、おそらくハリス子爵が来たのだろう。


 俺も立ち、扉の方を向く。


 ガチャリと扉が開くと、40歳ほどだろうか?金髪碧眼の驚くほどイケメンのオッサンが護衛も無く一人だけで入室し、扉が閉まる。


 貴族に対するマナーなんて何一つ分からないが、俺は即座に片膝を付き頭を垂れて敬意を示す。


「タロウ・コバヤシと申します。本日はハリス子爵様にお目にかかれて光栄です」


 ミリスさんは『非公式だから大丈夫』と言っていたが、念の為というか保険。


 とりあえず下手に出る。


「た、タロウ様、お伝えした通り、非公式ですので大丈夫ですよ!」


 ミリスさんが慌てた感じで注意してくるが、ここは無視する。


 まずはハリス子爵の出方が重要だ。


「深い敬意を示す挨拶に心から感謝する。ですがタロウ殿、顔を上げて立って頂けないか?」


 ふむ。


 子爵の声から困惑した感じの雰囲気がする。


 大丈夫そうだ。


「かしこまりました」


 顔を上げて立つと、なんだろうか?何か安心したようなホッとしたような雰囲気のハリス子爵がいる。


「初めまして、ハリス子爵領を統べるハリマン・ハリスだ。今日は無理を言ってすまない。どうしてもタロウ殿と話がしたくてね。さ、タロウ殿、先に座ってくだされ」


 は?


 いやいやいや。


 俺から先に座って良いのか?


 普通、貴族から座るんじゃ?


 チラりとミリスさんを見る。


「タロウ様、先に座ってください」


 え?


 いいの?


 先に座って『無礼者じゃー!!』とか、ならん?


 疑心暗鬼におそるおそる座ると、次にハリマンが座り、ミリスさんが座る。


 いやいやいや。


 序列が、俺、ハリマン、ミリスさんになってるよね?


 困惑していると、ジっと何かを探る様にハリマンが俺を見ている。


 なんすか?


「……良かった。本当に良かった。ミリスの言う通りだったな」


 は?


 何が良かったの?


 ミリスさん、俺のことで何を言ったの?


「ハリマン様の疑念は晴れましたか?」


 疑念?


 何か疑念があったのか?


「あぁ。やっと安心してゆっくりと寝れるよ」


 いやいやいや。


 俺を無視して二人で会話するなよ。


 何の為に俺を呼んだのよ?


 酷く困惑している俺の雰囲気を読み取ったのか、二人ともコホンと咳払いをして場を改める。


「ミリス、始めてくれ」


「ハリマン様、かしこまりました」


 ミリスさんが持っていた鞄から高品質パピルスを1枚取り出す。


「タロウ様、どうぞこちらの契約内容をお読みください」


 は?


 契約?


 困惑しながらも、とりあえず契約内容を読んでみる。


 どれどれ。


 ふーむ。


 なるほど。


 契約内容を平たく書くと、本日話し合ったことは三者とも他言無用、匂わすことも禁止、墓場まで持って行くという契約内容。


 つまりだ。


 今日の目的は顔繋ぎでも談笑でも無い。


 『秘密会談』だ。




タロウ・コバヤシ

※クローネ

約43億クローネ

※ユーグレナ

約230万ユーグレナ


ニホン村

※クローネ

約40億クローネ


ユーグレナ共同体

※魔石ポイント

約900万MP

※通貨供給量

1億ユーグレナ


ユーグレナ軍

※軍事予算

330億クローネ


所有奴隷

男 325人

女 184人


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