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78話

 ※本日から早朝に予約投稿します。時間帯は様子見で3時~10時の間に投稿します。

78話


「ボス、ドワーフ族と亜人のガキと護衛奴隷が来てますよ。亜人なので宿には入れず、庭で待たせてます」 


 ペロシさんとの話し合いが終わり、夕飯を食べているとドワーフ族のブロリー爺さんと子供たちが拠点の宿まで来たらしい。


 何の用だろうか?


 もしかしてクロスボウの解析がもう終わったのか?


 いや、いくら何でも早すぎる。


 それにクロスボウとは無関係な聖霊族の子供たちも来ている。


 本当に、いったい何の用だろうか?


 謎の組み合わせだから、全く予想が付かない。


 とりあえずブロリー爺さんに会ってみるか……。


 俺が席を立とうとすると、俺を気遣ってかアンナさんと獣人ちゃんたちが夕飯を食べるのを止めたので、俺のことは無視して夕飯を食べるように伝える。


 俺から気遣われて嬉しいのか、獣人ちゃんたちが『はーい♪』と返事をしながら、耳や尻尾をピクピク♪フリフリ♪させる……ごくり。


 ブフォン!!ブフォン!!と嬉しそうに尻尾を振るアンナさんは、飯時にホコリが舞うからちょっと落ち着こうね?


 ちなみに俺と獣人たちが座る席はペロシさんの提案によりカーテン式パーティションで区切られていて、広い個室に早変わりしている。


 ペロシさん曰く『我々も大人になり色々と目を瞑りますので、ボスも大人になって富裕層特有のド変態ぶりの生活を周囲に隠すぐらいはしてください。それとも嫌がる我々にド変態の生態を見せ付けて喜ぶ、露出癖もあるクソド変態でしたか?いくら何でも性癖が歪み過ぎです。正直な話、こんなクソド変態が我々の上司なのか……と、ボスを見ていて情けなくなります』とのこと。


 なるほどなるほど。


 いつかクソド変態のロリコンペロシさんに復讐してやると、俺は深く決意した。


 庭に出るとブロリー爺さんと子供たちがいて、彼らを守る形で聖霊族の護衛奴隷たちがいた。


 子供たちが少し涙目だが、どうしたのだろうか?


「ブロリー爺さん、今晩は。今日はどうされました?」


「夜分遅くにすまぬな。此奴らがお主に頼みたいことがあるんじゃと」


 頼み事?


 聖霊族の子供たちが俺に何か頼みたいのか?


 何だろ?


「ほれ。お主たちから話さぬか」


 ブロリー爺さんに促され、一番年長の子が前に出た。


「……タロウ様にお願いがあります」


「何かな?」


「……一日一回だけでも、偉大なるユーグレナ様の神像に礼拝できないでしょうか?」


 さすが異世界。


 そう来たか。


 どー考えても、俺の知らない所でユーグレナ様への信仰心がさらに深まってるぞ……。


「……ダメでしょうか?……ぐすっ」


 保護欲を掻き立てるように、幼い獣人とエルフの子供たちがウルウルと涙目で上目遣いで見てくる……。


「き、きちんとニホン村でもユーグレナ様を礼拝できるように考えてみるよ」


「本当ですか!?ありがとうございます!!」


 その言葉に喜んだのか、涙目だった子供たちが一斉に嬉しそうにワイワイと燥ぎ始めた。


 と思ったら、急に両膝で跪いて『偉大なるユーグレナ様、私たちにも救いをくださり、ありがとうございます』と熱心に念仏をブツブツ唱え始めた。


 さすが異世界。


 なぜそうなる???


 見ろよ。


 あのブロリー爺さんですら、どっかの宇宙の猫と同じ顔して戸惑ってるじゃねーか。


 たぶん俺もどっかの宇宙の猫と同じ顔して戸惑ってると思うぞ?


 と、とりあえず熱心な念仏が終わるまで待ち、夜も深くなるからブロリー爺さんたちをニホン村まで帰した。


 ニホン村の宗教問題か……。


 どうしようか……。


 トボトボと食堂へと戻り、俺専用の個室の席へと戻る。


「タロウさん、お帰りなさい」


「「「「おかえりなさーい♪」」」」


 アンナさんと獣人ちゃんたちそれぞれが、耳や尻尾をピクピク♪フリフリ♪ブフォン!!ブフォン!!させながら出迎えてくれる。


「ただいま」


「タロウさん、あの子たちのことで何かありましたか?」


「ん?あー、あの子たちが一日一回でもユーグレナ様の神像を礼拝できないのか?とお願いに来てね。どうしようか悩んでるんだよね」


 そう。


 大問題が発生するからと、聖霊族は拠点の宿から追い出すと俺と聖剣クラウスたちで決めた。


 だから宿の2階の礼拝堂に聖霊族を入れることは出来ない。


 うーむ。


 どうすべきか……。


「……タロウさん、何もお役目の無い私たちがユーグレナ様の神像を持ってニホン村に訪れましょうか?」


 ん?


 あー、なるほど。


 拠点の礼拝堂に聖霊族が入れないなら、ユーグレナ様の神像をニホン村に持って行けば良いのか。


「アンナさん、その案を採用するね。アンナさんたちに迷惑をかけるけど、大切なユーグレナ様の神像を預けれるのはアンナさんたちしかいないんだ」


「は、はい!!頑張ります!!」


 俺から頼られて嬉しいのか、アンナさんと獣人ちゃんたちそれぞれが、耳や尻尾をピクピク♪フリフリ♪ブフォン!!ブフォン!!させる。


 うーむ。


 獣人は本当に『誰よりも正直者』なんだな。


 二心が無く、見ていて心がホッと安心する。


 幼い獣人ちゃんたちの頭を優しく撫でながら、失恋による深い傷を少しづつ癒して行く……。



タロウ・コバヤシ

※クローネ

約27億クローネ

※ユーグレナ

約150万ユーグレナ


ニホン村

※クローネ

約40億クローネ


ユーグレナ共同体

※魔石ポイント

約850万MP

※通貨供給量

1億ユーグレナ


ユーグレナ軍

※軍事予算

130億クローネ


所有奴隷

男 325人

女 184人


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― 新着の感想 ―
[良い点] 可愛い子たちの涙目で上目遣いは無敵ですね。 [気になる点] 今までは『精霊族』だったと思うのですが、今回は全て『聖霊族』なので訂正していいか迷いました。 漢字的に『聖剣クラウス』のせいで…
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