表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

64/97

64話

 ※6章スタート。64話まで読んでくださり、心から感謝を申し上げます。


 ※chakky410様から素敵なレビューを頂きました。


 ※誤字脱字の報告に心から感謝申し上げます!恥ずかしくてアワアワと顔真っ赤にしてます!


 ※112話までストック中

 (2022年9月24日17:00時点)


 ※後書きに告知があります。


 ※本作を少しでも気に入って頂けましたらページ上部や下部から『ブックマークに追加』や、ページ下部の広告の下にある『☆☆☆☆☆』欄で気軽に星評価をよろしくお願い致します。


 ※読者による評価こそが『作品を継続すべきか?』の判断基準になります。


 作品への評価を、宜しくお願い致します。


64話


「それではブロリー爺さん、後はよしなにお願いしますね」


 ブロリー爺さんとニホン村のことで語り合っていると、ミリス商会からの大量の馬車が訪れ、生活用品や物資を降ろしていく。


 これから毎日2度、ニホン村にミリス商会からの馬車が訪れ必要な生活用品や物資を運んでくれる。


 特に重要なのが『水』だ。


 ハリス北部の豊富な水源から水を樽に入れ、ニホン村まで運ぶ。


 水が無いと人は死ぬ。


 ごくごく当たり前の自然法則がハリス南部を未開発地にし、ハリス北部を開発地にした。


 水こそが貧富の格差を発生させている。


 これがこの世界の現実だ。


 ブロリー爺さんに別れの挨拶を述べ、アンナさんと獣人ちゃんたち、聖剣クラウス部隊と聖霊族の護衛奴隷を数十人を引き連れ壁外へと戻る。


 聖霊族の護衛奴隷を壁外に連れて行くのは、早速これから下級兵士たちが迷宮にアタックするからだ。


 俺と聖剣クラウスたちが戦争に関して同意してるのは、たった一つだけ。


 『時間が無い』


 それだけだ。


 王族と喧嘩すれば戦争が発生し、そして早くて3年、遅くても5年後には戦争が必ず発生する。


 戦争のプロであり、『ガーランド王国の英雄たち』の予測だ。


 軍事の素人の俺が彼ら軍事のプロの予測が正確かどうかなんて分かるハズも無い。


 圧倒的な素人の俺は『プロフェッショナル』の判断に従い、足掻き藻掻くだけ。


 対案なんてあるのか?


 対案があったとして、それを軍事の素人の俺が考え出せるのか?


 薄々と理解はしている。


 ビジネスに特化してきた俺の能力では軍事の対案を出せないだろう。


 俺はただ単に自分の世界観から『嫌だ!嫌だ!』と子供のように駄々をこねて悪足掻きをしているだけだ。


 平和ボケの末路がコレだ。


 そんな俺でも『部族の一員』の為に彼ら軍事のプロたちの『助言』に従い、いずれ不可避に訪れる『戦争の準備』を終わらせなければならない。


 それもミリス商会とハリス子爵家にバレないように準備する。


 迷宮へのアタックは『戦争の準備』への非常に都合が良い『隠れ蓑』になるだろう。


 そんなことを考えて歩いていると、ふと目線か気配かを感じて振り向く。


 アンナさんが非常に困惑した顔をしてる。


 まぁ、何一つ説明をしてないから、そうなるわな……。


「どうしたのかな?アンナさん」


「あ、あの……た、タロウさん……私たちは今までと同様に宿に住むのでしょうか……?」


 『市外に棄てられる』と思っていたアンナさんが核心的なことを尋ねてくる。


「出来ればアンナさんとミーナちゃん、ラティアちゃんにカティアちゃんにケイトちゃんには俺の傍にいて欲しいから、昨日と同じ6人部屋の私室に住んで欲しいんだけど……でも、聖霊族のみんなと一緒にニホン村に住みたいのなら、そうするよ?どうする?」


「も、もちろんタロウさんの御側にずっといさせてくださいっ!!」


 『フンス!』と鼻息が荒くなるアンナさん。


 心から嬉しいのか尻尾をブンブン振っている。


 ……なるほどな。


 獣人族は感情を隠したり嘘を吐くのが苦手っぽいな。


 こんなん『丸分かり』じゃん。


 こりゃ、狡猾な存在に弱そうだ……。


「アンナさんもそう思ってくれて良かった。今日アンナさんたちをニホン村まで連れて来たのは、村がどんどん発展する姿を俺と一緒に見て欲しいからなんだよね。俺たちは家族じゃん?家族なら色々な思い出をいっぱい共有したいじゃん」


「わ、分かりましたっ!!ニホン村がどんどん発展する姿をタロウさんと一緒に見ます!!」


 ブフォン!!ブフォン!!と尻尾の動きが激しくなってる……。


「アンナさん、ありがとう」


 俺はニッコリと優しく微笑む。


 もちろんアンナさんと獣人ちゃんたちと一緒にニホン村が発展するのを見たい気持ちもある。


 でもそれ以上に聖霊族を『市外に棄てること』をアンナさんたちに誤魔化したい。


 結局どんな言い訳を重ねようとも、客観的に考えれば俺は聖霊族を市外に棄てている。


 分かってるよ、そんなことは。


 それでもだ。


 それでも、ただ単に聖霊族を市外に棄てるわけじゃない。


 『市外に棄てられて良かった!!ニホン村、マジ最高!!市内の人間族、乙でござるwww』と思って貰えるようにニホン村を運営し、管理する。


 それだけが聖霊族を市外に棄てた俺の罪悪感を薄めてくれるだろう……。


 俺はアンナさんや獣人ちゃんたちの頭を優しく撫でながら、そっと心に蓋を閉めて『見て見ぬフリ』をする……。


 俺は異世界から来たスーパーヒーローなんかじゃない。


 俺は異世界のそこら中にいる、単なるパンピーの一人でしかないんだ。


 単なるパンピーだが、それでも何とかして『俺の部族』を守るしかない。


 聖剣クラウスたちによる迷宮獲得への行動は『利己的な自衛戦争』でも『利他的な侵略戦争』でもない。


 こんなモノは単なる恣意的な解釈でしかない。


 真実は、大義名分もクソも無い『利己的な侵略戦争』だ。


 俺たちがいくら『自衛戦争』だと喚こうとも、周辺諸国は必ず大義名分もクソも無い『利己的な侵略戦争』だと判断するだろう。


 ユーグレナ共同体が『利己的な侵略戦争』を行うことを決定するまで、僅か1ヶ月。


 おそらく3年以内に『ガーランド王国の英雄たち』は10年にも及ぶ地獄の大戦での敗北と屈辱を払拭する為にも『利己的な侵略戦争』を行うだろうな。


 そしてそれは、圧倒的な電撃戦だ。


 聖剣クラウスたちは『何の準備もしていない』何処かの迷宮都市を即座に陥落させるだろう。


 もちろんその時は、俺の商品を使う。


 『向こう』の技術力と文化力を使ってでも、勝たなければならない。


 勝てば官軍。


 負ければ賊軍。


 目先の勝利を何としてでも、もぎ取るしかない。


 たとえそれが破滅の道で在ろうとも……。



タロウ・コバヤシ

※クローネ

約33億4400万クローネ

※ユーグレナ

約77万ユーグレナ


ニホン村

※クローネ

約40億クローネ


ユーグレナ共同体

※魔石ポイント

約750万MP

※通貨供給量

1億ユーグレナ


ユーグレナ軍

※軍事予算

30億2000万クローネ


所有奴隷

男 325人

女 184人


 ↓の最下部の広告の下にある

 ☆☆☆☆☆にタップして評価して下さると嬉しいです。


 読者による作品への評価こそが

 『作品を継続すべきか?』

 の判断基準になります。


 100点満点中、50点以上。

 ★★★★★


 100点満点中、40点。

 ★★★★☆


 100点満点中、30点。

 ★★★☆☆


 100点満点中、20点。

 ★★☆☆☆


 100点満点中、10点以下。

 ★☆☆☆☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ