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60話

60話


「ボス、お待たせしました。会議室へどうぞ」


 夕飯を食べ終わりメアリーちゃんに餌付けしようと思ったら、『ぴいっ!?お、お、お兄さん!!こっち来ないで!!』とアワワワしながら顔を真っ赤にして厨房の奥へと向かった。


 うーむ。


 この調子じゃ当分メアリーちゃんを口説けそうにないな……。


 癒されタイムということで3階の私室でアンナさんと獣人ちゃんたちと一緒に寛いでいると、『コンコンコン』とリズミカルにノックがなりドアへと向かう。


「かしこまりました。魔石の購入は順調ですか?」


「ボス、順調です。時間を置きながら別々の下級兵士に魔石を買わせていますので、当分の間はミリス商会もハリス子爵家も誤魔化せると思います。会議室に魔石を用意しておりますので、先に魔石の吸収をお願いします」


「ペロシさん、了解です」


 アンナさんと獣人ちゃんたちに餌付けのペットボトルとお菓子を渡してから、会議室へと向かい魔石をディスプレイにポイポイと放りながら吸収していく。


 ふむ。


 魔石ポイントが500万も増えたか……。


「ボス、こちらがボスの取り分の50万ユーグレナです。身内販売店の利益は月末締めの翌月10日にお渡しします」


「ペロシさん、ありがとうございます」


 ペロシさんから『給与』の50万ユーグレナを受け取り、感謝を述べる。


 『給与』が入って来たし、獣人ちゃんたちに何か贅沢な物を買ってあげようかな。


「クラウス将軍とマイクさん、ピーターさん、ビルさんの取り分はこちらです」


 ペロシさんが聖剣クラウスたちにも『給与』を渡して行く。


 みんな嬉しそうだ。


 俺も『給与』を貰えてとても嬉しいのだが、何かがおかしい……。


「ボス、こちらが魔石ポイントとユーグレナの明細です」


「明細は後で確認しますね。それでは本日の会議を始めましょうか。まず、私から議題を提案します。ユーグレナ共同体における人間族と獣人族やエルフ族との関係です。今日の夕飯の食堂の雰囲気を考えると、このままだと『大問題』が発生しますよね?」


「ボス、そりゃそうだ。ボスは異国人だから理解できないだろうが、『アレ』は俺たちに対する侮辱だった。俺たちのボスだからこそ俺たちは屈辱を我慢したが、誇りを穢されたことには変わりがない。『アレ』は二度とするな」


 珍しく聖剣クラウスが怒気を込めて意見を述べる。


 そうか……。


 怒りを込めるほどの話なのか……。


 現代人の俺は聖剣クラウスたちのことを『全く何一つ理解できない』のだろうな。


 とりあえず『私は外国人ですから』で逃げとこ。


「クラウスさん。この地域に対する無理解により、私の配慮が足らずご迷惑をお掛けしました。心から謝罪申し上げます。部隊長たちにも私が謝罪の意を示していたとお伝えください」


「了解、ボス。アイツらには俺から言っておく」


「クラウスさん、ありがとうございます。今回の、そしてこれからも発生するであろう問題の原因は『私の国の考え方』と『この地域の考え方』が、余りにも異なっていることに原因があると考えてます。ペロシさん、何か解決策はありませんか?」


 こんな異世界特有の差別問題なんて、俺には絶対に解決が出来ない。


 なぜなら『全く何一つ理解できない』からだ。


 だから助けて!


 ペロえもん!!


「ボス、解決方法は一つしかありません。人間族と亜人を『同じ場所』に置いて、我々の目に見える場所に亜人がいるから問題が発生しております。メリル嬢とキャシー嬢のように部屋を分ける、つまり『拠点』から亜人を追い出すしか解決方法はありません。本来、人間族と亜人が『同じ場所』にいることが異常なのです。必ず今以上の問題が発生すると断言致します」


 な、なるほど……。


 人間族と亜人が『同じ場所』にいること自体が異常事態なのか……。


 そして『何も悪くない』彼らを『拠点』から追い出せと……。


 追い出さないと『大問題』が発生すると……。


「もちろんボスの性奴隷は別です。ボスの趣味嗜好には全く何一つ理解できませんが、貴族や富裕層の一部にはボスと同じド変態が少数ながらもいますので、我々もそこは何も見なかったことにして大人になります」


 このやろう!!


 誰がド変態だ!!


 ド変態はお前だろうが!!


 このロリコン野郎め!!


 それに獣人ちゃんたちはモフモフしたいぐらい、とっても可愛いんだぞ!!


「……ペロシさん。彼らを『拠点』から追い出したとして、何処に住まわせるのですか?」


「我々とは違う慣習を持つ異国人のボスが大量に亜人を購入した時に『こうなる』ことは簡単に予想できましたので、既にカレン嬢を通じて土地権利の購入に動いております」


 さ、さすが部隊の頭脳のペロシさんだ……。


 何から何まで用意してくれてる……。


「な、なるほど……。既に土地権利の購入に動いているのですね。土地権利の購入まで、どれぐらい時間がかかりそうですか?」


「おそらく明日中には土地権利を購入できると思います。購入する土地権利は市外ですから」


 え?


 明日には購入できんの?


 ってか市外?


 市外って、何?


「ペロシさん、市外とは?」


「ボス、都市は壁内と壁外から成り立ちますが、壁外は木の柵で囲われた一帯を指します。そして木の柵の外側のことを市外と呼び、無人の荒野の土地権利を購入し『亜人の村』を作る予定です」


 ふむふむ。


 そういやハリスは木の柵で延々と囲まれていたな。


 んで、木の柵の外側の無人の荒野に獣人とエルフの村を作ると。


 え?


 村を作るの?


 そんな大きな話になるの?


「……ぺ、ペロシさん。村を作るんですか?」


「ボス、クローネが貯まり過ぎると貴族家に睨まれますから、クローネの使い道としてちょうど良いと思いますよ。何の利益も無い無人の荒野を開拓すれば、ハリス子爵家も喜ぶでしょうし。もちろんボスの資金から支払って貰いますが」


 な、なるほど……。


 俺もクローネの使い道を考えていたが、『公共事業』としてクローネをばら撒いたら、そらハリス子爵家は喜ぶよな。


 でも問題点もある。


「ペロシさん、獣人とエルフは子供ですよ?村の開拓とか出来るのですか?」


「ボス、大丈夫です。迷宮入りの編成に大人の亜人も大量に購入しますので、彼らが亜人の子供の面倒を見るでしょう」


「なるほど、分かりました。村の開拓予算を渡しますので、よしなにお願いします」


「ボス、了解です。ただ、亜人の村の運営やルールなどはド変態のボスが考えてくださいね。我々では亜人を使い潰すだけですから」


 このやろう!!


 誰がド変態だ!!


 ド変態はお前だろうが!!


 このロリコン野郎め!!


「……分かりました。私が獣人とエルフの村の管理をします」


 その後、聖剣クラウスたちと様々なことを話し合い、今日の会議はお開きになる。


 帰り際にペロシさんには村の予算として50億クローネを渡す。


 そして迷宮の編成以外でも村人として大量に獣人とエルフを購入するように伝えた。


 村の名前は『ニホン』と決めた。


 日本の常識と慣習で村を管理してやる。


 さて、癒されタイムで獣人ちゃんたちと戯れるか。



タロウ・コバヤシ

※クローネ

約53億4400万クローネ

※ユーグレナ

約77万ユーグレナ


ニホン村

※クローネ

約50億クローネ


ユーグレナ共同体

※魔石ポイント

約950万MP

※通貨供給量

1億ユーグレナ


ユーグレナ軍

※軍事予算

32億2000万クローネ


所有奴隷

男 138人

女 95人


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[一言] ペロシにイラっとする
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