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59話

59話


「挨拶が遅くなってごめんね。タロウ・コバヤシです」


 性剣部隊の大合唱に邪魔されたが日本民族の魂である風呂を堪能し、パーティションのカーテンを開くとバッタリとメアリーちゃんに出会した。

 

 一瞬でボッと顔を真っ赤にして『お、お、お、おに、お兄さん!?なんで!?なんでなの!?』とアワワワしながらメアリーちゃんがピューっと慌てて宿に戻る。


 ふーむ。


 性剣大合唱に混ざっていた自覚はあるのか。


 『メアリーちゃんをどうやって口説こうかな?』と考えながら3階の私室に戻ると、アンナさんとミーナちゃん、そして新たな獣人3人がペットボトルを飲みながらキャッキャウフフと寛いでいた。


 よかった……。


 ずっと礼拝堂でユーグレナ様の神像を拝んでなくて……。


 余りにも熱心にお祈りしてるから戸惑うんだよな。


「あ、タロウさん、お帰りなさい。ほら、みんなご挨拶をしなさい」

 

「「「はーい」」」


「タロウにい様、ラティアです」


「……タロウにい様、カティアです……」


「タロウおにいさん、ケイトです!」


 うむ。


 新たに迎え入れた『家族』は獣人の幼女3人だ。


 バロット商会で3人を見かけて『ミーナちゃんの友達にちょうど良いかも……』と思って購入したけど、聖剣クラウスが『おい、やはりボスはロリコンだったな。お前ら、温かい目でボスを見ていこうな』とほざきやがった。


 聖剣クラウスめ、いつか仕返ししてやるからな……。


 でも聖剣クラウスがロリコンと言うのも分かるんだよな。


 幼女3人ともザ・美少女って感じで、凄く可愛いんだよなー。


 ラティアちゃんとカティアちゃんは双子の犬耳美少女で、背中で切り揃えた綺麗な銀髪が特徴の12歳。


 ラティアちゃんは礼儀正しい優等生な感じかな?


 カティアちゃんは大人しい文学少女っぽい。


 青髪ボブカットの今年11歳になるケイトちゃんは猫耳美少女で活発な性格っぽいな。


「ラティアちゃん、カティアちゃん、ケイトちゃん、宜しくね。飲み物やお菓子は美味しかった?」


「タロウにい様、とても美味しかったです。こんなに美味しいおのみ物とおかしを恵んでくださって、ありがとーございます」


 うむうむ。


 礼儀正しいラティアちゃんの頭を撫でる。


 犬耳がピクピク♪してて可愛い。


 モフモフしたい……。


「……とても美味しかったです……タロウにい様……」


 そうかそうか。


 大人し目のカティアちゃんの頭も撫でる。


 銀色の尻尾がフリフリ♪と揺れている。


 モフモフしたい……。


「タロウおにいさん、すっごくおいしかったです!」


 せやろせやろ。


 活発なケイトちゃんの頭も撫でる。


 気持ち良さそうに目を閉じて、ゴロゴロ♪可愛らしく唸ってる。


 モフモフしたい……。


 なるほどな。


 異世界のケモナー変態紳士たちの気持ちが何となく分かったよ。


 みんなめっちゃ可愛い!!


「あ、そうだ。アンナさん、風呂場が空きましたので使ってください。まだ温かいと思います」


「タロウさんのお風呂場を借りても良いのですか?獣人やエルフ専用の共同風呂があると聞きましたが……」


 ん?


 あー、人間と亜人は別々の風呂場にしてたよな。


 一緒の風呂場にしたら絶対に問題が発生すると、ペロシさんが言ってた。


「……俺たちはさ、家族みたいなモノなんだからそんなに気を使わなくても良いよ。風呂場ぐらい気軽に使って」


「タロウさん、ありがとうございます。ほら、みんなも感謝しなさい」


「「「「ありがとーございます」」」」


 感謝の気持ちを述べる獣人ちゃんたちの頭を再び優しく撫でて、アンナさんにお風呂セットを渡して見送る。


 夕刻の鐘がなるまでボーっとしながら色々と考える。


 アンナさんとミーナちゃんのこと。


 メアリーちゃんとミリス商会のこと。


 ミリスさんやカレンちゃんやハリス子爵家のこと。


 聖剣クラウスたちと部隊長たちと迷宮のこと。


 スラム街の獣人とエルフとドワーフ族の爺さんのこと。


 ラティアちゃんやカティアちゃんやケイトちゃんのこと。


 その他色々とやるべきことも考える。


 異世界は本当に意味不明なことばっかりだ。


 俺が学んで来たロジックの大半が役に立たない。


 そりゃスキルや迷宮なんてモノがあるんだ。


 『向こう』の常識なんて全く通用せんよな……。


 ボーっと色々考えてたら、アンナさんたちが風呂場から戻って来て、ちょうどタイミング良く夕刻の鐘がなる。


「夕刻の鐘もなったし、夕飯でも食べに行こうか」


「「「「はーい」」」」


 ははは。


 まるで小学校のノリだ。


 モフモフと可愛らしいから別に良いけど。


 3階の2人部屋にいる他の獣人やエルフの子供たち、それとドワーフ族のブロリー爺さんも引き連れて食堂に向かうと、場に緊張感が漂い始めた。


 俺が率いる獣人やエルフなどの『亜人組』と聖剣クラウス率いる『人間組』が真っ二つに分かれ、それぞれが食卓を囲む。


 うーむ。


 空気が悪いな。


 なんかギスギスしてる。


 ペロシさんが言いたかったことは、こういうことか……。


 たぶん俺の私室にいる獣人『だけ』なら問題は無かったんだろうけど、スラム街から来た獣人とエルフには『なんで下賤な階級のお前らがここにいるんだ?』って感じなんだろうな。


 ウチの子たちも含め獣人やエルフの子供たちが肩身が狭くシュンとしている。


 異世界特有の差別問題なんて、どうすれば良いんだ?


 俺の手には余るぞ?


 うーむ。


 後でペロシさんに聞いてみるか……。


 ユーグレナ共同体における亜人差別問題を考えながら、俺は異世界の飯を食べる。



タロウ・コバヤシ

※クローネ

約103億4400万クローネ

※ユーグレナ

約27万ユーグレナ


ユーグレナ共同体

※魔石ポイント

約450万MP

※通貨供給量

1億ユーグレナ


ユーグレナ軍

※軍事予算

32億2000万クローネ


所有奴隷

男 138人

女 95人


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