47話
47話
俺とペロシさん2人で規則性のある『体制』を議論し話し合った。
他4名は迷宮に潜り込む編成を話し合っている。
俺とペロシさんが議論して決めたのは下記の5点だ。
①魔石ポイントをドル札、円札、ユーロ札で徹底的に管理を行う。
単位は布教の為にユーグレナとした。
1ドル札~500ドル札は魔石ポイント1~500ポイントに対応させる。
1ドル札なら魔石ポイント1ユーグレナ、100ドル札なら魔石ポイント100ユーグレナって感じ。
1000円札~1万円札は魔石ポイント1000~1万ポイントに対応させる。
5000円札なら魔石ポイント5000ユーグレナって感じ。
5ユーロ札~500ユーロ札は魔石ポイント5万~500万ポイントに対応させる。
100ユーロ札なら魔石ポイント100万ユーグレナって感じ。
これで紙幣による魔石ポイントを徹底に管理することができ、軍人の給与も身内販売店も全て紙幣で行う。
もちろん軍人も女性も『アラビア数字』を覚えて貰う。
まぁ、こっちの数字とアラビア数字を対応させた表を作るけど。
②魔石ポイントと紙幣と複製スキルはペロシさんが徹底的に管理する。
商売に使う魔石ポイントはもちろんのこと、軍人の給与や身内販売店など魔石ポイントと紙幣と複製スキルの全権限をペロシさんが管理する。
つまり俺も自由に魔石ポイントを使うことが出来ないし、俺も『給与』を紙幣で貰うことになった。
おかしいな……。
俺のスキルなのに、補佐であるペロシさんが全権力を握ることになった……。
もちろん理由がある。
ペロシさん曰く『ボス、全魔石ポイントと紙幣と複製スキルの管理と把握は凄く面倒くさいですけど、それでも宜しいのですか?ボスが好き勝手に複製スキルを使うと、後が大変ですよ?』と。
なるほど。
確かにクソ面倒くさそうだ。
面倒くさそうなんだけど……俺が了解した時のペロシさんのニタリと笑った顔が頭から離れない……。
③俺たち全員が一蓮托生の運命共同体だ。
だからこの運命共同体を『ユーグレナ共同体』とした。
もちろんシンボルはユーグレナ様の神像。
ユーグレナ共同体となったことにより、共同体を運営する為の魔石ポイントが必要になる。
つまり税制の導入が決定した。
徴税権をペロシさんが握る。
もちろんユーグレナ共同体の魔石ポイントと紙幣の通貨供給量はペロシさんが徹底的に管理する。
つまりユーグレナ中央銀行の爆誕だ。
紙幣の発行権をペロシさんが握る。
税制は、魔石販売店での魔石の購入にしろ迷宮での魔石の獲得にしろ、魔石ポイントは必ず50%をユーグレナ共同体に税金として納める。
税金の内訳は、10%が俺の『給与』になり20%が聖剣クラウスたち部隊長以上の29人で階級に応じて公平に給与を分配、残り20%をユーグレナ共同体の為に使用する。
必ず税制30%は俺と聖剣クラウスたち29人の取り分だ。
俺と聖剣クラウスたち29人を合わせて30人だから、分かりやすく取り分30%にしましょうとなった。
魔石販売店で購入した魔石ポイントの残り50%はユーグレナ共同体に納める。
実質的に購入魔石70%がユーグレナ共同体へ、残り30%が俺と聖剣クラウスたち30人の取り分だ。
軍人たちが迷宮で獲得した魔石ポイントの残り50%は、軍人たちの給与とする。
最低限の衣食住はユーグレナ共同体が面倒を見るが、より豊かな暮らしがしたいなら『体が資本だろ?迷宮で頑張って稼いで来いや』となった。
軍人たち、特に下級兵士たちが迷宮で頑張れば頑張るほど、俺と聖剣クラウスたち30人が不労所得で儲かる仕組みを作った。
つまり彼ら下級兵士の労働力から30%もピンハネだ。
俺ならブチギレる。
おかしいな……。
たぶん貴族制になってる気がするが……気のせいだろう……。
④ユーグレナ共同体の冒険者ギルドを立ち上げることが決定した。
軍人たちが迷宮から持ち帰った魔石をユーグレナ冒険者ギルドで『ユーグレナ紙幣』に変える。
もちろん手数料は税制の50%だ。
ここからギルド従業員の人件費も出す。
迷宮産アイテムの魔道具やスキルオーブなどの扱いは、複製スキルで存在が記憶できるのなら未登録の場合は報償を出すと決めた。
登録できるならドンドン登録したい。
複製スキルで登録済みの迷宮産アイテムは軍人たちが好きにする。
他の軍人に紙幣で交換したり、ユーグレナ共同体でオークションを開けば良いと思う。
なんなら一度街のオークションや冒険者ギルドに販売してクローネに変え、さらに魔石販売店で魔石を購入し、そしてユーグレナ冒険者ギルドで『ユーグレナ紙幣』に変えれば良いと思う。
結局、ユーグレナ冒険者ギルドがやってることは、手数料50%の『ぼったくり』の為替業務だ。
俺ならブチギレる。
ユーグレナ冒険者ギルドの為に早急に魔石鑑定鍋と鑑定のスキルオーブが必要になる。
明日ミリス商会に在庫が無いか問い合わせるが、最悪は迷宮産オークションで出品されるまで待つしかなさそうだ。
それまでは俺が冒険者ギルドで魔石ポイントを紙幣に変える。
⑤身内販売店における商品の『値段』は複製するのに必要な魔石ポイントに20%の手数料を上乗せすること。
10%は俺の給与へ。
残り10%は人件費つまり女性の奴隷たちの給与になる。
以上5点を『ユーグレナ憲章』とし、後々必要な規則性は順次ユーグレナ憲章に『俺の許可が降りれば』追記することになった。
そして明日から下級兵士用の護衛奴隷を大量に購入し、『ユーグレナ商会』という名前のユーグレナ共同体とユーグレナ軍が本格的に動き出す。
つまりユーグレナ共同体の為に魔石ポイント約900万全てをペロシさんに毟り取られ、さっそく様々な『紙幣』を複製して1億ユーグレナ分の通貨供給量を発行する。
そしてペロシさんからとりあえず『給与』として30万ユーグレナを受け取るが、何かがおかしい……。
聖剣クラウスの給与は10万ユーグレナ、副官7万ユーグレナ、ペロシさん5万ユーグレナ、部隊長は2万ユーグレナだから、俺をみんなのボスとして立てているんだけど、絶対に何かがおかしい……。
その他にもちろんユーグレナ軍の軍事予算の為に30億クローネも毟り取られた……。
おかしいな……。
ペロシさんとの話がたぶん『国家体制』それも『軍国主義国家』を作る話になってる気がするが……。
たぶん気のせいだろう……。
タロウ・コバヤシ
※クローネ
約1億4800万クローネ
※ユーグレナ
30万ユーグレナ
ユーグレナ共同体
※魔石ポイント
約900万MP
※通貨供給量
1億ユーグレナ
ユーグレナ軍
※軍事予算
36億2000万クローネ
所有奴隷
男 29人
女 9人




