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30話

30話


「よろしくな、ボス」


 クラウスさんこと、聖剣クラウスと握手して、再度お互い自己紹介した。


 メッヘル侯爵家に連なるガードナー家の元嫡子、クラウス・ガードナー。


 継承権は弟に渡しての奴隷堕ち。


 どうやらラーネル王国が上手く国境沿いのメッヘル侯爵領内に潜り込み、聖剣クラウスや部隊長の家族を人質に取ったらしい。


 軽く聞いただけなので、今度また詳しく聞いてみよう。


「クラウスさん、こちらこそ宜しくお願いします。クラウスさん、今日1日だけで良いので、最低限の護衛任務を全うするなら何人必要でしょうか?」


「さっきの話だと宿泊は宿屋だったよな?なら俺を含めて4人は必要だな、ボス」


「クラウスさん、了解しました。全員部隊長と聞いてますけど、それでも序列はありますよね?」


「当然だな。つまりボスの考えは上から3人を今日奴隷契約するんだな?」


「ええ。序列の上から順にお金が貯まり次第、奴隷契約をしようかと考えてます」


「ボスの考えは分かった。マイク、ピーター、ビル。前に出ろ」


「「「はっ!!」」」


「ボス、コイツら3人は俺の副官として大戦で大暴れした『貴族殺し』だ。コイツら3人となら、今日1日なら護衛任務を全うできる」


 副官だけど3人とも脳筋っぽい。


 しかも『貴族殺し』?


 なんか物騒な渾名が……。


「なるほど。大老、こちらの3名は何クローネでしょうか?」


「副官クラスは1人あたり4000万クローネですな」


 つまり合計で1億2000万クローネ。


 大老に1億2000万クローネを渡し、マイクさん、ピーターさん、ビルさんの3人と奴隷契約を結ぶ。


 おかしいな?


 さっきまで億単位のクローネを持ってたハズなのに……どんどんクローネが溶けて行く……。


「……クラウスさん、部隊長の中で商売が上手そうな人とかいますか?計算が得意とか金勘定が得意とか……私の商売の補佐をして欲しいんですよ」


「ふむ……ペロシ、前に出ろ」


「はっ!!」


「ボス、コイツは戦闘能力は高くはないが部隊全体の補給や整備などの兵站を計画し、俺たち全員の背中を支えていた。コイツがいなければ俺たちは何一つ為し得なかっただろう。俺たちは生粋の軍人だ。商人ではない。それでも商人の真似事が出来るとすれば、部隊の頭脳だったコイツだけだろう」


「なるほど。大老、こちらの方は何クローネになりますか?」


「2000万クローネですな。他の部隊長全員2000万クローネですぞ」


 なるほど。


 聖剣クラウスと副官だけ相場から離れていて、他は相場の上限ね。


 大老に2000万クローネを渡して、ペロシさんと奴隷契約を結ぶ。


「クラウスさん、すみません。今日はこれぐらいで勘弁してください」


「クックック。ボスは面白いな。全員を護衛奴隷にするのは、1年以内なら大丈夫だぞ」


「なるほど。出来れば1ヶ月以内に全員と奴隷契約を結べる様に、頑張りますね。大老、クラウスさんに最高級の女性の奴隷を紹介したいのですが、今からでも紹介して頂けますか?」


「ええ、もちろんですぞ。準備してきますので、こちらで少しお待ちくだされ」


 そう言って、大老が部屋から出て行く。


 部屋に微妙な空気と言うか緊張感が流れる。


「……ボス、さっそく性奴隷を宛がってくれるのは嬉しいのだが、部隊長全員が揃ってからで良いぞ?」


「クラウスさん、それは却下ですね。利き腕を失ったクラウスさんを介抱する人が必要です。まさか護衛目的の彼らにさせるのですか?それとも私が介抱した方が良いですか?それなら美人に介抱された方が男なら絶対に嬉しいでしょう?」


「なるほど。ボスは合理的で情にも厚い様だ。良い軍人になるぞ?」


「軍人にはなりませんよ。私は商人です」


「ハッハッハ。ところで、ボス。今日初めて奴隷契約を経験したな?」


 そりゃそうだろ。


 というか異世界2日目だぞ?


「ええ、そうですね」


「ということは、ボスにも性奴隷はいないよな?」


「……そうですね」


「じゃあ、ボスが性奴隷を選んでから、俺が選ぶ感じか。ボスの女の好みをじっくりと見させてもらうか。ガッハッハ!!」


 いやいやいや。


 そりゃ毒を食らわば皿までと徹底的に奴隷制を利用すると決断したけど、さすがに性奴隷までは覚悟してねーよ。


 異世界2日目だぞ?


「いや、私は女性の奴隷を選びませんよ?クラウスさんだけですよ?」


「ボス、それは駄目だ。絶対に駄目だ。集団の秩序がおかしくなる。ボスが性奴隷を選ばないなら、俺は選べない」


 いやいやいや。


 そこは謙遜せずに選べよ。


「いや、そこは気にしなくて選んで良いですよ?」


「はぁー。あのな、ボス。俺たちにも矜持ってものがある。ボスを差し置いて性奴隷で楽しむ?俺たち全員の矜持を汚せってのか?おい、お前ら!!ボスを差し置いて極上の性奴隷と楽しめるのか!?」


「「「できません!!」」」


 部屋にいる30人全員が強い意志で拒絶する。


 さすが異世界。


 意味不明過ぎるし、そこまでの話なのか?


「って、ことだ。ボスがどう思おうが、ボスが性奴隷と楽しむまでは俺たち全員は極上の性奴隷と楽しめない。これは奴隷契約違反になるぞ?」


 ぐっ……。


 異世界特有の意味不明なロジカルで攻めて来やがる。


 でも分かっている。


 意味不明なのは『異世界から来た俺の方』なんだろ?


 分かった、分かった。


 分かったよ。


 女性の奴隷だろうと性奴隷だろうと、全部食ってやるよ。


 毒を食らわば皿までだ。


 現代人の俺に性奴隷を食わせたことを世界は後悔しろよ?


「はぁー。分かりました。覚悟を決めていたつもりでしたが、私も深く覚悟を決めます」


「ガッハッハ!!男はみんなそうじゃなきゃな!!おい、お前ら!!ボスの女の好みを見るぞ!!ガッハッハ!!」


 聖剣クラウスめ……。


 今日のことは、いつか仕返ししてやるからな……。



資金

約2720万クローネ


魔石ポイント

79万5000MP


所有奴隷

男 5人

女 0人

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