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28話

 ※3章スタート。28話まで読んでくださり、ありがとうございます。


 ※112話までストック中

 (2022年9月24日17:00時点)


 ※後書きに告知があります。


 ※本作を少しでも気に入って頂けましたらページ上部や下部から『ブックマークに追加』や、ページ下部の広告の下にある『☆☆☆☆☆』欄で気軽に星評価をよろしくお願い致します。


 ※読者による評価こそが『作品を継続すべきか?』の判断基準になります。


 作品への評価を、宜しくお願い致します。

28話


「まぁ!これが噂の銀馬車なんですね!」


 ミリスさんが宿に置いているベ○スキャンプ16Xと物置を見て、いつもは冷静なのに子供のようにキャッキャしてる。


 商業ギルドから壁内の奴隷商人まで直行しても良かったが、折り畳み式リアカーを商業ギルド内に置きたくないし、ましてや壁内に折り畳み式リアカーなんて持って行きたくない。


 ってことで、ミリスさんと一緒に一度宿まで戻ることに決定した。


 決定したのは良いんだが、御三家の凄さを見せ付けられたよ。


 ミリスさんの護衛奴隷が40人ほどが従っている。何処の大名行列だよ……。


 リアカーの荷台の木の板を取り外し、リアカーを折り畳んでから物置の中に入れた。


 ミリスさんがリアカーが折り畳まれるのを驚愕しながら見ている。


 ミリスさんに見せたくないが、見せるしかない。


 ミリスさんの護衛の奴隷たちは明らかにミリスさんよりも俺を護衛していた。


 これは護衛代のサービスだ。


「タロウ様の国の技術力は本当に素晴らしいですね。タロウ様から見て、この国は田舎の辺境にしか見えないのでは?」


「そんなことはありませんよ。私の国には迷宮がありませんので、噂に名高い迷宮都市ハリスには興味津々です」


「なるほど。お互いに良い所を学んで行きたいですね。もう少し銀馬車を見ていたいのですが、そろそろ壁内に向かいましょうか」


 護衛の奴隷を従えて、壁内へと向かう。


 壁内への道中はミリスさんと世間話をしていた。


 話の大半は俺が壁内に入ることが初めてだから、色々と壁内のルールを教えてくれた。


 壁内は衛兵も多く非常に治安が良くて、ルール違反には厳しいらしい。


 逆に壁外では衛兵が非常に少なく、自分の身は自分で守らなければならない。


 壁内の民を市民と呼び、壁外の民を自由民と呼ぶ。


 壁内と壁外ではルールがかなり異なっているらしい。


 壁内では自衛による殺傷は厳しく、逆に壁外では自衛による殺傷は自由民の当然の権利らしい。


 壁外では暴力を持たない者は殺されて当然とのこと。


 自衛の名目で街角で殺人が発生するのは良くあることらしく、力を持たない者が悪いらしい。


 『そんな壁外で、よく今日まで私は生き残れましたよね。運が良かったのかな?』と話したら、ミリスさんの奴隷が護衛してたとのこと。


 全く気が付かなかったぞ……。


 奴隷のことも聞いた。


 一番驚いたのは、奴隷の女性から生まれる子供は、奴隷として生まれて来ることだ。


 奴隷契約スキルは胎児にも影響する。


 つまり子々孫々、主人から解放されない限り永遠に奴隷のままだということ。


 そんなこんなで城壁まで辿り着く。


 高さは5階建ての建物と大きさは同じくらいだろうか?


 間近で見るとマジで大きい。


 城門には入都する目的の数多くの人間が城壁に沿って綺麗に整列して並んでいるが、ミリスさんがスタスタと順番待ちの列を無視して城門へと向かう。


 さすが御三家、顔パス。


 300年もの長き平和を誇る迷宮都市ハリスを彩るのは、レンガ調の建築群。


 壁外では3階建てまでの建物しか見たことが無いが、壁内では5階建て、6階建てが建てられている。


 壁内は土地が限られているからこそ、高層建築が発展したのだろうか?


 そして壁内と壁外の一番の違いが、垣根の有無だ。


 貴族や御三家などは別だろうが、垣根と庭が無い。


 土地が限られているからこそ、庭が超高級化してるのだろう。


 ミリスさんと世間話しながらも、気が付いた。


 壁内の市民たちが俺とミリスさん、いや俺を疑惑の目で見ている。


 ……なるほど。


 ミリスさんやミランダ商会が焦るわけだ。


 迷宮都市ハリスを、いや近隣諸国を巻き込むほどの商品を持って来た張本人は護衛の奴隷も付けず、しかも壁外なのに本人が荷車で商業ギルドまで手運びする始末。


 余りにも『能天気』と判断されただろうな。


 まぁ、全部『私は外国人ですから』で乗り切るが……。


「タロウ様、こちらが迷宮都市ハリスで最高峰の奴隷商会であるバロット商会になります。顔繋ぎをしますので、少しお待ちください」


 そう言ってから、ミリスさんはバロット商会の玄関口にいる従業員と話し始めた。


 何やら『大老はおられますか?』とか聞こえて来るが、一番偉いのが来そうだな……。


 少し待っていると温厚そうな雰囲気の老人がやってきた。


 あれが大老なんかな?


「ほっほっほ。『ミランダ商会の最高傑作』ミリス嬢ではありませんか。本日はどのような御用件ですかな?」


 ミランダ商会の最高傑作?


 ミリスさん、アンタそんな風に巷で言われてるわけ?


「お久しぶりです、『バロット商会の大老』バリアン様。本日は『銀馬車の紙商人』を大老にご紹介したく参りました。こちらが『銀馬車の紙商人』タロウ様です」


「ぎ、『銀馬車の紙商人』殿でしたか……。タロウ殿、バロット商会を率いるバリアンと申します。よしなにお願い致します」


「タロウ・コバヤシと申します。こちらこそ宜しくお願い致します。国の慣習で家名を持っていますが、貴族階級ではありません」


「ほっほっほ。噂の『銀馬車の紙商人』殿とお会い出来て光栄ですぞ。それにしても御三家のミランダ商会と『銀馬車の紙商人』を繋げたのがミリス嬢とは……さすが『ミランダ商会の最高傑作』ですな」


「いえいえ、運が良かっただけですわ。大老、タロウ様に最高級の護衛用の奴隷を見繕って頂けませんか?それとミランダ商会からの手紙をお渡しします」


「ほっほっほ。もちろんバロット商会の名に賭けて、最高級の護衛用奴隷を紹介致しますぞ。ささ、タロウ殿、どうぞ中に入ってくだされ」


「はい。えっと、ミリスさんはこの後はどうされますか?一緒に奴隷を見ます?」


「タロウ様、私はこの後はミランダ商会と交渉を致しますので、本日はこれでお暇します」


「では、また明日の昼前後に商業ギルドに伺いますね」


「かしこまりました。明日お待ちしております。それではタロウ様、御機嫌よう」


 ミリスさんと別れの挨拶をし、奴隷商会の中に入って行く。


 さて、どんな奴隷を購入することになるんだろうな……。



資金

約4億6720万クローネ


魔石ポイント

79万5000MP

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