15話
15話
「ユーグレナ様。また質問しても宜しいでしょうか?」
さぁ、どんどんスピードを上げて、さっさと世界に降り立つぞ。
ユーグレナ様は否定していたが、神界から横槍が来る可能性が、万が一にもあるしな。
世界に降りたら神界からの追及からだけは安全なハズだ。
「小林様♪もちろんです♪何でも聞いてくださいな♪」
「ありがとうございます。異なる進化と異なる遺伝子を持つ異世界出身の私は、ユーグレナ様の世界の女性と子供を作ることは可能でしょうか?」
「小林様♪不可能です♪」
あぁ、やっぱり不可能だったか。
普通に考えて、そうだよな。
人間とゴリラから子供が出来るのか?って話だ。
これを知らずに世界に降りたら、子孫すら残せなかった。
罠過ぎるでしょ。
「では、スキルを使用すれば可能でしょうか?」
「小林様♪可能です♪」
「ユーグレナ様。可能となるスキルを教えて頂けますか?」
「小林様♪もちろんです♪錬金術スキル、死霊術スキル、房中術スキルです♪錬金術スキルはスキルオーブから取得可能です♪死霊術スキルと房中術スキルはユニークスキルです♪」
は?
いやいやいや。
なんか2つほど、頭おかしいぞ?
錬金術と死霊術で、どうやって子供を作るのよ……?
「あ、えーと……すいません、子供を作る場合、房中術スキルでどの様な効果があるのでしょうか?」
「小林様♪説明します♪房中術スキルの効果の一つに、強制的な妊娠があります♪モンスターのゴブリンやオークなど種族間を越えて妊娠をさせれるのは、この房中術スキルが発動しているからです♪」
いやいやいや。
『お前の発想はゴブリンやオークと同等やぞ』って、実は暗にユーグレナ様から貶されているのか?
「あー、しかも絶倫になったり媚薬効果があったりします?」
「小林様♪その通りです♪ゴブリンやオークなどは捕らえた異種族のメスに強制的に体液を飲ませ、オスの群れがメスを犯しながら媚薬効果で「ストッープ!!ストッープ!!ユーグレナ様!!説明は大丈夫です!!」あら♪分かりました♪」
危ない危ない。
色々と危ない。
さて、時間も無いし、さっさと決めるか。
「ユーグレナ様。それでは最後のスキルは、房中術スキルでお願い致します」
「小林様♪少しお待ちください♪んー♪んー♪んー♪小林様♪どうぞ、房中術のスキルオーブをご使用ください♪」
「はい!インストール!って、やっぱ痛ぇっっ!!?」
「あらあら♪まぁまぁ♪小林様♪大丈夫でしょうか♪」
「は、はい……大丈夫です……あ、そうだ。ユーグレナ様、これから私は世界に降り立ちますよね?」
「小林様♪その通りです♪」
「では世界に降りた後、ユーグレナ様の神像はどちらにありますか?それとユーグレナ様を主神としている宗教団体とか教えて頂けますか?これだけお世話になりましたので、毎日ユーグレナ様と元の世界の大切な人たちの祈りの為に礼拝に訪れたいのですが?もちろんお金を稼いだら寄付しますので!」
「小林様……」
は?
なんで今の話で、へにょんとそんな悲しい顔をするの?
って、アイタタタタタタ!!
ユーグレナ様が今までにない程、めちゃくちゃ悲しんでて罪悪感で胸ががががっ!!!?
「小林様……礼拝は……出来ないんです……」
「あ、あの!!理由を!!り、理由を教えてくださ、って、アイタタタタタタ!!!!」
「小林様……既に世界は……私ユーグレナの名を忘れ……神像も全て破壊され……グスッ」
ギャーっ!!
女神様の地雷を踏んじまったっっ!!!!
泣かないで!!
泣かないでください!!
俺が罪悪感だけで死ぬから!!!!
って、アイダダダダダダダダダ!!!!
「それで……それで……グスッ……神力も溜まらず……グスッ……本当なら小林様には……もっとスキルをいっぱい……グスッ……私が駄目な女神だから……神力を借金して……利息も……グスッ……グスッ……」
「分かりました!!分かりましたから!!私が何とかしますから!!泣かないで!!お願いですから泣かないでください!!笑顔!!そう、いつもの笑顔!!ユーグレナ様には笑顔が似合いますから!!ユーグレナ様の笑顔は神界一ですから!!」
「まぁ♪小林様ったら♪御上手なんですから♪」
何なんだ、コイツは!?
何なんだよ、このバケモノは!!
悲しむだけで周りを殺しにかかるとか、どー考えても女神じゃなくて邪神の類いだろうが!!
本気で死ぬかと思ったぞ!!




