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13話

13話


「ユーグレナ様。一つ目のスキルは言語理解スキルでお願いしようと思っておりますが、このスキルは魔石が必要になるスキルでしょうか?」


「小林様♪魔石は必要ありません♪」


 よし!!


 最後の気掛かりが消えた。


 これで心置きなくスキルが取得できる。


「では、言語理解スキルを取得したいと思います。えっと……どうすれば宜しいでしょうか?」


「小林様♪少しお待ちくださいな♪んー♪んー♪んー♪」


 何やら、またユーグレナ様が唇に人差し指を当てて『んー♪んー♪んー♪』と唸り始めたぞ……。

 

 は?


 うおっ!?


 マジか!?


 目の前にバスケットボールぐらいの大きなガラス玉がいきなり現れたぞ!?


「小林様♪お待たせしました♪そのスキルオーブをお取りになって、インストールと仰ってくださいな♪それで言語理解スキルを取得できます♪」


「は、はい……」


 俺は壊れ物を扱うように優しくスキルオーブを受け取り『インストール』と唱えた。


 するとガラス玉が手の中に沈んで行き……。


 って、痛っ!!


 なんか『バチバチっ!!』と静電気みたいのが体中に走ったぞ???


 これ、大丈夫なんか……?


「あ、あの……なんかバチバチっ!!と一瞬、体中に痛みが走ったんですけど……それと体の中に何か熱がこもってるような……これ、大丈夫なんでしょうか?」


「小林様♪大丈夫です♪私は今、こちらの世界の言葉で話しておりますわ♪また体の中の熱は魔力です♪」


 え?


 マジ?


 この熱が魔力なの?


 それに日本語じゃないの?


 日本語にしか聞こえないんだけど?


 って、ことは……。


「あの、もしかして先ほどまでユーグレナ様が言語理解スキルを使用されて、私と話しておられましたか?」


「小林様♪その通りです♪世界を司る私は全てのスキルを使うことができます♪今は私の言語理解スキルをオフにしております♪」


 え?


 オフにもできんの?


 一応やり方を聞いておくか。


 というか、ユーグレナ様は全てのスキルが使えるのか……スゲーな。


「あのー、スキルをオン・オフするのは、私でもできますか?」


「小林様♪もちろんです♪言語理解スキルを強く意識しながら、スキルオフと仰ってください♪スキルをオンにする時は、同様に意識してスキルオンと仰ってください♪」


 へー。


 ちょっと練習してみるか。


 言語理解スキル、言語理解スキル、言語理解スキル、言語理解スキル……『スキルオフ』と唱えたけど、これで大丈夫なんかな?


「あのー、これでスキルオフされてますでしょうか?」


「#@?&≒♪」


「あ、成功してますね。結構、簡単ですね……スキルオン。これで大丈夫でしょうか?」


「小林様♪大丈夫です♪」


「おー、スキルって、凄く便利じゃないですか?なんで私がいた世界ではスキル制を取り入れてないんでしょうか?」


「小林様♪神界の掟により、その質問にはお答えできません♪」


 マジか……。


 これも禁則事項になるんか……。


 まぁ、別にそこまで知りたいわけじゃないしな。


 そもそも元の世界に戻れねーし……。


 さて、2つ目のスキルだ。


 ここはいわゆるラノベのチートスキルを目指すべきだ。


 俺の人生設計では、ビジネスで生活費を稼いで生きて行く。迷宮に潜ったり、戦場や戦闘で生きて行きたいわけじゃない。


 そもそも戦闘訓練なんて受けたことがないし。


 だから狙うべきチートスキルは商売で役に立つ物だ。


 これ以外には無い。


 まずはテンプレから聞いていくか。


「ユーグレナ様。アイテムボックスというスキルはありますか?こう……荷物を別空間に出し入れ出来たり……」


「小林様♪収納スキルがあります♪収納スキルはスキルオーブで取得可能です♪」


 あー、アイテムボックス系のスキル、えっと、収納スキルがあるが、スキルオーブで取得可能なのか……。


 つまり収納スキルを独占出来ず、競争相手が多数いる可能性が高い。


 もちろん豪商とか政商とかが、買い占めしてそうだけど……。


 とりあえず、次を聞こう。


「鑑定できるスキルはありますか?物の名前とかが分かる感じなんですけど……」


「小林様♪鑑定スキルはスキルオーブから取得できます♪ただ鑑定できるのは、迷宮から持ち帰れる物だけです♪」


「えっと……例えば、人間に鑑定スキルを使っても、スキルは発動しない感じですか?」


「ええ♪その通りです♪」


 なるほど……。


 スキルオーブでも取得できるし、鑑定スキルがあれば迷宮産のアイテムの真偽を鑑定する仕事には就けそうだ。


 サラリーマン的な。


 ま、次だ。


「転移できるスキルもありますか?都市から都市に瞬間で移動できる感じなんですけど……」


「小林様♪魔石を使用する転移スキルがユニークスキルであります♪」


 おお!!


 ユニークスキルか!!


 これは取得候補に置いておこう。


 あ、これは一応できるか聞いておくか。


 これができるなら向こうから商品を……。


 って、これができるなら商品とか必要ねーか。


「転移スキルで私が元いた世界にも転移できますか?」


「小林様♪それは不可能です♪世界の壁を超えるスキルは存在しませんわ♪」


 あー、やっぱり駄目だったか。


 んじゃ、次だ。


「えっと、ネットショッピングや通販サイトが出来るスキルはありますか?」


「小林様♪私はネットショッピングと通販サイトを存じておりません♪教えて頂けますか♪」


「あー、そのですね……ちょっと説明が難しいんですけど……こう、都市で生活している人たちは商品を売買するじゃないですか?それをですね、都市と都市で売買する時に、スキルで行う感じなんですけど……いや、ちょっと説明が難しいです……すみません」


「小林様♪都市と都市で売買するなら、転移スキルで行えると思いますわ♪」


「えっと、まぁ、そうなんですけど……すみません、本当に説明が難しくて……あ、そうだ!私の世界の女神様にネットショッピングと通販サイトを伺って貰えれば助かります」


 もう、ウチのポンコツ女神に丸投げするわ。


 文明レベルが違い過ぎて、こんなん説明できんわ。


「小林様♪少しお待ちくださいな♪んー♪んー♪んー♪まぁ♪それは素晴らしいですね♪小林様♪お待たせしました♪ネットショッピングと通販サイトを理解しました♪全く同じとはいきませんが、例えば魔石を使用する共有収納スキルというユニークスキルがあります♪これは共有許可を与えた者に同じ空間に収納が出来ますので、おそらく共有収納スキルを介して売買が可能だと思います♪」


 あー、なるほど?


 収納空間を誰かと共有すればするほど、ネット空間みたいになる感じ?


 とりあえず、これも聞いておくか……。


「その共有収納スキルですが、元の世界の誰かと共有収納できますか?または私の世界の女神様とか……」


「小林様♪それは不可能です♪世界の壁を超えれるスキルは存在しませんわ♪」


 ですよねー。


 んじゃ、次だ。


「では、例えばですが、私の記憶にある物を創造するスキルとかありませんか?」


「小林様♪魔石を使用する複製スキルがユニークスキルにあります♪物体に魔力を通して存在を記録し、魔石を用いて記録から同じ物体を複製するスキルです♪ただ生命体などは複製できません♪基本的に非生命体だけが複製できます♪」


 え?


 マジ?


 それって……記録さえすれば、ある種のネットショッピングじゃね?


 いや、それ以上に……。


 でも文明度が低そうな製品を複製して、どうすんの?って話だよな。


 どーせ、農業も畜産も品種改良されていないだろうし、味もクソ不味いでしょ。


 金は稼げるかも知れないが転移スキルでも金は稼げるし、それに日本の生活を知る俺が古代か中世かの文明度に耐えれるのか?


 移動手段なんて徒歩か馬車だろ?


 俺は日本の製品が欲しいんだ。


 まぁ、無理そうだけど、とりあえず聞いておくか……。


「あのー、複製スキルは必ず一度は魔力を通して記録しなければならない感じですか?」


「ええ♪その通りです♪」


「この神界から、元の世界に魔力を流して元の世界の物体を記録することは可能ですか?または元の世界の女神様にお願いして記録できたりは……」


「小林様♪それは不可能です♪世界の壁を超えれるスキルは存在しませんわ♪」


 ですよねー。


 あー、こりゃ転移スキルを取るべきだな。


 転移スキルならお金も稼げるし、いざという時に逃げれるしな。


 こりゃ転移スキルを使いながら、異世界で旅でも楽しむかー。


 ん?旅?



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