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11話

11話


「ユーグレナ様。これから降り立つ場所が分からなければ、どのようなスキルを選択すれば良いのかが分かりません。前以て、降り立つ場所を選ぶことは可能でしょうか?」


「小林様♪可能です♪どのような場所が宜しいのか、ご希望を仰ってくださいな♪」


 よし!!


 やはりユーグレナ様の権限の範囲なら、可能な限り融通してくれそうだ。


 まずは可能な限り、降り立つ場所の情報を集める。


 そこからスキルを選択すべきだ。


 そして強力なスキルに必要とされる魔石が安くなるのは、魔石の供給地である迷宮だ。


「それでは、迷宮が近くにある都市に降り立つことは可能でしょうか?可能でしたら何ヵ所ぐらい候補地がありますか?」


「小林様♪可能です♪迷宮を擁する都市の候補は約1万ヵ所あります♪」


 約1万ヵ所もあるのか……。


 さらに候補を絞って行くなら……人口数による都市の規模か?


 って、あれ?


 人口というか、そもそも俺と同じ人間がこっちの世界にいるのか?


 進化の過程が違うのなら、いないのでは?


 それに知性云々しか聞いてないぞ……。


「ユーグレナ様。私と同じ人類種は存在しておりますか?また私とは違った人類種は存在しておりますか?違った人類種が存在しておりましたら、どんな人類種がいるのでしょうか?」


「小林様♪完全な同種はおりませんが、極めて近い人族はおります♪また小林様と異なった種族もおります♪獣人族やエルフ族やドワーフ族や妖精族などがおります♪」


 ん?


 極めて近い人族って、何だ?


 獣人族とかエルフ族、つかエルフとかいるのかよ……。


 彼らとかは異種族ってことだろ?


 同種だけど、完全な同種じゃない?


 ナゾナゾか?


 一休さん的なトンチ?


 まさかホモ・サピエンスとかホモ・エレクトスとかの話?


 というか、違った宇宙なのに極めて近い種族がいる、ってのも謎だな。


 聞いてみるか。


「あの……異なる世界、異なる宇宙なのに全く同種ではないが、極めて近い種族がいるのが不思議です。どうしてでしょうか?」


「小林様♪神界の掟に反するので、お伝えすることができません♪」


 え?


 まさかの禁則事項?


 まさか禁忌の領域?


 これ以上、この話題を考えるのも止めとこう……。


「かしこまりました。では、先ほどの1万ヵ所の中に、人族を優先し、獣人族やエルフ族やドワーフ族や妖精族など、人族以外を重く厳しく差別している都市は何ヵ所ありますか?」


「小林様♪約200ヵ所になります♪でも、どうして差別のある場所を選択されるのかしら♪様々な種族が穏やかに融和され、差別の無い場所もありますよ♪」


「えーと……言っても悲しんだり怒ったりしませんか?この後、不利になったり……」


「小林様♪大丈夫です♪純粋に興味を持ったことですし、小林様の世界の考え方を知りたいだけですわ♪」


「かしこまりました。えーと、私の世界にも差別の問題はありますが、それでも基本的には差別の無い融和された世界や場所を目指すのが主流の考え方です。私自身もこの主流の考え方に賛同しております」


 とりあえず『私も差別には反対ですよー!!』と保険を作っとく。


「……ですが、私はユーグレナ様が司る世界では社会的信用が全く無いわけで、差別意識の裏側には同胞意識があるとも思いますので……その人族に対する同胞意識を利用して少しでも社会的信用を得たいと考えてまして……」


 ユーグレナ様が悲しんでないかと気になるので、チラ見する。


 ニコニコと微笑んでるから、続きを話しても大丈夫そうか?


「つまり、獣人族などが重く厳しく差別されている地域は人族は社会的信用がプラスから始まり、逆に人族が重く厳しく差別されている地域は人族は社会的信用がマイナスから始まると考えております」


 ユーグレナ様は、まだニコニコと微笑んでいる。


 まだ大丈夫そうだな……。


「……また人は煩悩の塊なので差別意識つまり同胞意識とは簡単には無くならないモノだと考えております……ですので、種族間の差別が薄い地域は同胞意識も薄く、表面的には人間関係はドライに見えますが……実際は陰湿で陰険で偽善的人間が多い可能性もあります。本音を出さない感じですね。ユーグレナ様、以上です」


「小林様♪とてもユニークな考え方ですね♪」


 褒めてるのか?


 貶してるのか?


 よく分かんねーや。


 というか、ユニークで思い出した。


 ラノベとかのユニークスキルってあるの?


 それにスキルオーブでスキルを入手するってことは、後天性だろ?


 先天的にスキルって手に入るの?


「ありがとうございます。話が変わるのですが、降り立つ世界ではスキルは全てスキルオーブからでしか取得できないのでしょうか?生まれながらにスキルを取得していたりとかは無いのでしょうか?またスキル以外にも、ユニークスキルなど特殊なスキルとかは無いのでしょうか?」


「小林様♪説明します♪スキルオーブから取得するスキルと、生まれながらにスキルを所有しているユニークスキルの2つがあります♪ユニークスキルは迷宮から得られるスキルオーブからは取得はできません♪ただユニークスキルを持って生まれて来るのは、1000年に一人の割合と私が決めております♪」


 おいおいおい。


 ユーグレナ様よ、そんな重大な情報を隠していたのかよ……。


 いや、聞かないお前が間抜けで悪い、って感じか?


 『ユニークスキルは迷宮から得られるスキルオーブからは取得できません』ってことは、神力を使った3つのスキルはユニークスキルを取得出来る可能性がある、ってことだろ?


 そして『私が決めております』ってことは、スキル関係の権限は神界の掟では無く、世界を司る神にあるのか……。


 これは、やはりユーグレナ様からの試練なんだな。


 人生設計に沿った最適解を求めよ、と。


「……3つのスキルを選択する時、ユニークスキルも選択できますか?またユニークスキルは何種類あるのでしょうか?」


「小林様♪もちろん可能です♪ユニークスキルの種類は約800億あります♪」


 ん?


 聞き間違えたか?


 約800億ものユニークスキルがあると聞こえたんだが……。


「あの……ユニークスキルの種類は約800億で宜しかったでしょうか?」


「ええ♪その通りです♪」


 おいおいおい。


 ユニークスキルだろ?


 イメージ的に普通はもっと少なくね?


 100種類ぐらいなら、内容を全部聞いてから選択できたのに……。


 えっと……つまり……。


「ユーグレナ様。スキルオーブの種類は、いくつぐらいでしょうか?」


「小林様♪約1000種類です♪」


 800億と1000……。


 ということはだ、ユーグレナ様がバランスを壊し世界に必要が無いと考えたスキルをユニークスキルにしてるな。


 で、スキルオーブは世界のバランスを余り壊さない実用重視じゃないのかな?


 もちろんユニークスキルの800億にはバランス関係無くゴミスキルもあるんだろうけど……。


 さて、どうするかな……。


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