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今はもう10月。
歩いている道はたくさんの落ち葉で埋まっています。
暗くなるのが早くなって、寒い、とまでは言いませんが、少しひんやりとした空気も感じます。
この季節は気温がちょうど良くて過ごしやすくもありますが少し寂しい気持ちにもなります。
でも、春の希望に満ち溢れている感じや、夏の楽しげな雰囲気を感じる方が、自分がそれらとは別世界であることをひしひしと感じて、ちょっと苦手なのですけれど。
秋や冬のしんと寂しい方が少し落ち着いてしまいます。
「ただいま帰りました」
家に着いて声をかけますが、誰からも返事はありません。
これもいつものことです。
家族から見放されているわたしに構う使用人はいません。わたしに構うことで継母や義姉から、嫌がらせを受けるのではないか、と警戒されているのです。
しょうがないことです、本当に。
もう慣れてしまいました。
静かに自分の部屋へ行き、まずは学校から出ている自分の課題を終わらせます。
あとはお姉さまから頼まれていたことをやらなくちゃいけませんね、、、
課題と、部屋の掃除でしたよね、、、
こんなことはよくあること、というよりもはや日課です。
もう何も感じることがありません。
それに、姉の課題を手伝っていたおかげで、自分の学年の勉強はそれほど苦なく理解することができます。
これはある意味ラッキーでした。
姉の課題を確認すると、今日提出した分の課題が採点されて返却されていました。
何か間違いがないか、軽く目を通すと、
「素晴らしいできです!!」
と、花丸が書いてあります。
まあ、とっても嬉しいです。
昨日の課題ももちろんわたしがやりましたので、自分が褒められているように感じて心の中かがほわっと暖かくなりました。
さあ、あとはお部屋のお片付けをしておかなくちゃいけませんね。