表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異端のザイン―血みどろの影使い―  作者: 喜多院那由他
オベリスク都市国家連合編
45/86

43   決別に必要な再会もある(前)

「剣闘都市モントゥへ行かせてくれ」

 マックスが真っ先にそう頼み込んだ時、ザインは意外なほどあっさりとそれを承諾した。裏切る可能性を疑われ、承諾を得るために二、三条件を呑む覚悟をしていたマックスからすると、まさに拍子抜けであった。

 その真意はわからない。尋ねるのは野暮だと思ったし、推測できるほどまだ付き合いは長くなかった。

「少しでもいい、各都市の情報を集めたい」

 言葉通り、わずかな情報でも得られればと期待してのことだったのか、あるいは、マックスが裏切ろうとそうでなかろうとさほど違いはないということだったのか。少なくとも、マックスはそれを「信頼の表れ」と認識していた。

 当然、マックスの方には情報収集以上の目的がある。

 久しぶりに第二の故郷の土を踏みたい、という思いもあるにはあったが、未練やしがらみを絶っておきたい、というのが本音であった。

 剣闘都市モントゥは、その名の通り、剣闘興行が盛んな都市国家である。逆に言えば、それしかないと言っても過言ではない。

 その歴史を簡単に説明すると――

 元々は、古の大国で建造されたとされる巨大な闘技場を中心として発展した都市であった。一時期は交易都市としても栄えたが、大陸の最南部をメビウス法国が平らげたことで、その側面は急速に薄くなっていく。

 ついに法国という大国と隣接することになったモントゥが選んだ道は、大陸南方全てが法国に呑み込まれることを恐れた他の都市国家と連合を組み、隣接する都市の一つとして軍事的側面を強くすることだった。その当時に行われた政策が、それまで奴隷同士の血生臭い殺し合いばかりをやっていた剣闘興行を見直し、金を得つつ強い兵士を育てる軍事学校のような内容へと変更するというものだった。時代の流れに強いられたと言ってもいいだろう。これが現在の剣闘興行の始まりとされている。

 ――こうして剣闘都市を名乗るようになったモントゥで、マックスは五年ほど剣闘士をしていたのである。

 剣闘士としての日々は、実を言えば、冒険者としての日々とさほど変わらない。

 厳しい訓練を受け、客の前でモンスターと戦い、たまに剣闘士同士でも戦い、賞金を得ながら、モンスターの倒し方と人の殺し方を学ぶ。

 剣闘士同士の戦いはあくまで興行目的の魅せる試合だが、モンスターとの戦いは命がけの真剣勝負である。勝てない相手とやらせているわけではない――この暗黙のルールがあるために、本当に死にかけるまで誰も助けに入ってはくれない。

 しかもそれは本気で学ぼうとしている者に対してだけである。とにかく試合に出させろ、としつこく言ってくるような剣闘興行を舐めた賞金目当てには、腕や足を失った者が大勢おり、中には実際に死んでしまった者もいる。おかげで当時少年だったマックスも過剰に気を引き締めることになったのだが。

 ともかく、数年ぶりにマックスは第二の故郷の土を踏んだわけだ。

「B級になって以来だから――三年ぶりくらいか?」

 独り言を呟きつつ、街壁の向こうの巨大な闘技場に目を細める。西日に照らされてその身を橙色に染めていた。

 明日の目的地はあの闘技場だ。今日はもう日が暮れる。闘技場には誰もいないだろう。

 実は、モントゥの闘技場には夜間興行のための設備がない。それを知ったザインはかなり驚いたのだが、マックスが理由を説明したところ、複雑そうな顔で残念がっていた。

 大きすぎて無理――それが理由だ。

 さて、ここで一つ情報を正さなければならない。マックスが剣闘都市モントゥに来るのは確かに三年ぶりだが――その闘技場に行くのは実に十年ぶりである。

 何しろ、剣闘士として五年も学んでおきながら、個人的な復讐のために冒険者になりやがった恩知らずだ。栄達しないうちに一度でも戻ったらボコボコにされかねない。

(一時でもA級まで行ったからな……まあ、一発殴られるくらいで済むだろ)

 それ以上になりそうなら全員殴り返して逃げればいい、という発想が出てくるあたりに、剣闘士達の関係性がどういうものか察せるだろう。

「とりあえず、ありがとな」

 お礼を言った先に立つのは赤黒い馬だった。遺跡都市アメンから剣闘都市モントゥに行くには、歩くと十日ほどかかる。それでは少々、時間がかかり過ぎということで、ザインが貸した馬だ。

「……ところで、オレはお前さんをどうすればいいんだ?」

 なお、「馬」と表現しているが、ザラブラッドという立派なモンスターである。注意深く観察されれば、モンスターであることは簡単に露呈する以上、街中には連れていけない。ザインからは「使え」としか言われていないため、マックスは街門を目前にしながら、それ以上進むことを躊躇していた。

(もっと詳しく訊いておくべきだったな……)

「――ってあれ? どこ行った?」

 後悔している間に、赤黒い馬はいなくなっていた。慌てて周りを見れば、赤黒い尾が小さな森へと消えていく。

(まさか……逃げられた?)

 それはないな、とすぐに自答があった。

 マックスはザインが「偽物」を創れることを知っている。それがザインの意に背くはずがないことも。

 おそらくは、マックスが用を済ませて戻ってくるまで森に隠れているつもりなのだろう。

(だがなあ……どうやって呼べばいいんだよ?)

 わかりやすい合図を考えながら街門への道を行くと、ほどなくして街に入るために並ぶ行列が見えた。年がら年中、闘技場で催し物をしているモントゥでは、街門に百人以上の行列ができるのは珍しくもない。

 大抵は催し物目当てだが、中には剣闘士目当ての者もいる。実のところ、後者には二つの意味があって、一つは文字通りお気に入りの剣闘士が戦う姿を見たくて来た者、もう一つは剣闘士になりたくて来た者だ。昔は剣闘士になりたくて来るなんて酔狂な者は滅多にいなかったが、剣闘士が奴隷から軍人になったあとは少なくない人数が来るようになった。

 とはいえ、真の意味で剣闘士になれる者は少ない。

 門自体は広い。戦えさえすれば見習いには誰でもなれる。性別も年齢も関係ない。さすがに老人には無茶と断るが、でなければ復讐心しかない十歳の少年が戦い方を学べるわけがない。

 門番の世間話には「闘技場に用がある」とどうとでもとれそうなことを言って、マックスは街門を抜けた。彼より二つか三つ若そうな門番は、彼の名を聞いても、顔を見ても、全く反応しなかった。他の門番達もわずかに注目しただけだった。

 三年も前に来た冒険者なんて記憶の彼方にすらあるわけがない、というのもあるが、モントゥでは良くも悪くも剣闘士以外は全部まとめてその他大勢なのだ。そして剣闘士の移り変わりも激しいとなれば、十年前のマックスを覚えている者など、今の下っ端連中にいるわけがなかった。マックスの方もマックスの方で、当時の下っ端連中など覚えていない。

 記憶を頼りに宿を探せば、三年前にも利用した宿屋がまだ残っていた。そこにもマックスを覚えている者はいなかったが、当時は仲間も一緒だったことを思い出し、

(一人きりで来たんじゃわからなくて当然か)

 とマックスは心の内で苦笑した。




 明けて次の日。

 大剣を背負い、頭陀袋を肩に、巨大な闘技場を目指す。朝早い時間帯だというのに、街中はすでに大勢の人が行きかっていた。

 七割が闘技場へ向かい、残りの三割が街門へ向かっている。

 流れに合わせてしばらく歩き、闘技場の入口に向かう人々と別れ、十字路を右に曲がる。

 モントゥの闘技場は南北に入口がある。元々は東西南北にあったのだが、剣闘都市と名乗り始めた頃に王宮と兵舎で東西が塞がれた。

 兵舎は全ての剣闘士が寝泊まりする場所で、訓練場も併設されているため、かなり広い。

 一方で、王宮はあくまでも実務的なものだ。王がいる以上、王宮なのは間違いないのだが、実質的には政務所とでも言うべき場所だろう。

 その門前まで来て、マックスはようやく見覚えのある横顔に出会った。

「――よお、ライラ。サリムのおやっさんはいるかい?」

「……?」

 艶のある黒髪を腰まで伸ばした褐色肌の女性が名前を呼ばれて顔を向けた。

 正面から顔を見たことで、マックスは彼女が間違いなく少年時代に研鑽しあったライラであると確信する。

 だが、その鮮やかな翠の瞳はいぶかしげに細められた。

(こりゃ覚えていたのはオレの方だけかねえ……)

 と落胆しかけたところで、翠の瞳が鋭くマックスを睨み、二度瞬きした時には拳が顔面に迫っていた。

 左手でそれを受け止め、間髪入れずに横から飛んできたもう一方の手首を右手でつかむ。頭陀袋が地面に落ちた。

「――っとお! 何だよ、覚えているんじゃねえか」

「十年ぶりだってえのに数秒で思い出してやっただけありがたいと思えよ貴様……!!」

 歯をむき出しにして凄むライラに微笑みで答えるマックス。

「……何だ、その顔は!?」

「いや、十年ぶりに会ったってのに、口の悪さは変わってねえなって思ってな」

「なるほど、つまり殺してほしいんだな?」

「一言も言ってねえよ!?」

「いいや、貴様は確かに『どうかこの卑しい匹夫の首を落としてください』と懇願した!」

「顔面を殴って首を落とす気だったのか!?」

「貴様ごときに剣などもったいないわっ!!」

「…………あの~……先輩、そちらの方はお知り合いっスか……?」

 二人が十年ぶりにじゃれ合っていると、もう一人の門番がおずおずと声をかけてきた。もう一人の門番も女だった。

 赤みがかった茶髪をポニーテールにしている。肌の色は小麦色で、ライラよりもだいぶ薄い――つまり日焼けだろう。

 ライラを抑えながら顔を見ると、ビクッとしてうつむき目を逸らされた。

(人見知りか?)

 少しだけ見えた瞳は橙色だった。

 なお、門番が二人とも女性なのは、少しでもイメージを良くしようという必死さの表れだろう――とマックスは推察する。

 ありていに言えば、現モントゥ王のサリムは怖いのだ。

 主に顔面が。

 百人に訊けば百人ともが「目を合わせたら殺されると思った」と答えるほどに。

「おい、いい加減離せ」

「もう殴り掛かってこねえならな」

「………………」

「何か言えよ!?」

 ライラは何も答えずマックスを睨むだけ。

(まあ、いつまでもこうしているわけにもいかないしな……)

 諦めて両手を同時に離す――と同時に離したはずの両手がマックスの両手首をつかみ、

「――これで勘弁してやる!!」

「ぐはっ!?」

 ヘッドバットが胸に炸裂した。

 一瞬、肺の空気が全て飛び出る。だが、強い衝撃のわりに大した痛みはない。

(やれやれ、無茶しやがる……)

 ヘッドバットは首を痛めかねない技だ。格上に使うものではない。怒りの大きさの表れでもあるが、大人しく受けてくれるという信頼の表れでもあった。

「……おかえり、マックス」

 だから、目を逸らしながらボソッとそんなことを言われたら、マックスは苦笑しながらこう返すしかない。

「ただ――」

「――あのあのあのあのっ――」

 だが、それを言い切る前に後輩門番がマックスとライラの間に割り込んだ。

 目を輝かせている。

「――今マックスって聞こえたっスけどもしかして『青い雷光』のマックス様っスか!?」

「お、おう……」

 勢いよく近づいてきた顔を避けるように体を引きつつ肯定する。

「ようやく会えて感激っス! 自分シャハドって言うっス! 握手してくださいっス!!」

「お、おう……」

 返事をした瞬間にはすでに左手が両手に包まれていた。

「ふあああ~……これがマックス様の左手……!! ゴツゴツしてるッス大きいっス指長いっス!!」

「お、おう……」

 押しの強さに同じ言葉しか返せない。

(さっきまでの人見知りっぷりはどうした!?)

 困ってライラを見れば、なぜか冷たい眼差しを返された。

「ふん……シャハドは貴様に憧れて剣闘士になったそうだ。ま、貴様はシャハドが見習いになって一年と経たずに冒険者になったクソ野郎だが、憧れは憧れだ。救いだったのは、貴様のようになりたいわけじゃなく、貴様のような剣闘士になりたかったことだな」

「へえ……」

 つまりは、実質的に今日が初対面である。

 マックスのようになりたいだけなら、彼を追って冒険者になっていただろう。現時点で門番を任せられるほど強いなら、仲間としてパーティーを組む未来もあったかもしれない。(だが、その場合、この嬢ちゃんはもういなかっただろうな……)

 ベロワ・コフィ―の狂気的な実験で命を落としたかつての仲間達を思い、シャハドが憧れたのが剣闘士としての自分で良かった、とマックスは心の内で安堵した。

「これがマックス様の左手……! マックス様の左手……マックス様の左手マックス様の左手……ぐへへ……」

 まあ、当の本人はそんなことなど露知らず、マックスの左手を両手で握ったまま、恍惚とした表情を浮かべていたが。

 これにはさすがにマックスも疑念を抱かざるを得ず、

(こいつ……変な性癖とかこじらせてねえか?)

 シャハドが舌なめずりをした瞬間、危機感を抱き強引に左手を引っこ抜く。

「――ああっ、マックス様の左手が……!」

 それでもなお、シャハドは物欲しげにマックスの左手を見つめ続け、背中に隠せば回り込もうとまでする始末。

「……おいライラ、ホントにこの嬢ちゃんはオレに憧れて剣闘士になったのか?」

「確かにそう聞いたはずなんだがな……」

 己の性癖を満たすためではないか、と疑惑の目で見られているにもかかわらず、シャハドはマックスの左手を追い続ける。よく見れば、少々、顔が赤い。息も荒い。気付きたくなかった。

 結局、シャハドは門番としての職務を果たすようライラに厳しく言いつけられ、ようやく、マックスの来訪を伝えるために渋々王宮の中に入っていった。




 剣闘都市モントゥの王は世襲制ではない。故に歴代の王達には家名がない。モントゥの名は王の証でしかないのだ。

 故に、剣闘士になろうとする人々は、その最初の段階において家名を捨てることを求められる(もちろん、元々ないのであれば、この限りではない)。これは、剣闘士という生業が、個人の力のみを基準として階級を決めているからだ。そこに出身や血統の貴賤はなく、それらを持ち込むことを決して許さない。

 強者だけが生き残る――奴隷による血生臭い剣闘興行が行われていた時代の名残である。

 一方で、時代の流れとともに大きく変化したこともある。

 特筆すべきは、やはり、剣闘士の社会的地位だろう。再三述べているように、かつて、剣闘士には奴隷しかいなかった。それが今や、剣闘士達の(キング)が都市国家の王を名乗っている。

 疑問には思わないだろうか? わずか数十年で、なぜそんなにも社会的地位が向上したのか、と。

 発端は、剣闘興行の見直しが行われた――その直後の頃のことだ。簡潔に述べれば、元奴隷の剣闘士達によるクーデターが起きたのである。

 剣闘士を軍人化するのはいい。

 剣闘士を奴隷身分から解放するのもいい。

 だが、奴隷ではなくなった剣闘士達を誰が抑えつけるのか?

 市民には無理だ。軍でも厳しい。何しろ、年がら年中殺し合いをしてきた者達が相手だ、場数が違いすぎる。

 そんなことさえ、当時の市民達は思い至らなかった。奴隷身分から解放してやったのだから私達のために戦ってくれるはずだ――なんて、都合のいい幻想を抱いていた。

 剣闘士達からすればこうだ――これまで無理矢理殺し合いをさせてきた者達のために戦ってやる必要があるのか?

 それでも、剣闘士達はグッと堪えた。堪えて機を待った。どす黒い殺意を秘めながら、全員が解放されるまで笑って耐えた。

 そして当時の王族達を皆殺しにして、剣闘士達の(キング)が新たなる王を名乗った時、一人の剣闘士がこう言った。

 ――これでモントゥは剣闘士の国だ――

 そう、剣闘士の国だ。

 自分達の国だ。

 ならば――守らなければならない。

 剣闘士達が賢明だったのは、都市全体が変わるまで辛抱強く守り続けたことだ。ましてや大国の脅威が目前に迫っている中でのこと。元が奴隷身分の王であっても、五年十年と国を守り続けていれば市民達の意識は変わる。

 市民達の意識が変われば、剣闘士は軍人と同じ――いや、それ以上の何かだ。

 故に、モントゥは剣闘都市を名乗る。

 数十年経った今でも、モントゥの王とは剣闘士達の(キング)のことである。

「――で? マー坊、十年ぶりに面ァ見せた理由は何だ?」

 左目に眼帯をした顔中傷だらけの大男が、腕を組んで椅子にもたれながらマックスを睨む。

 その頭には髪がない。

 座っているために分かりにくいが、「背が高い」と評されることの多いマックスよりも、さらに頭半分飛び出していると言えば、その巨体が伝わるだろうか。

(相変わらず、無駄に怖えなあ……)

 思わず苦笑しかける表情筋を強引に引き締め、努めて真面目な表情を保とうとするマックス。

 なお、案内役はすでにいない。マックスが来たことを告げて扉を開けるや、さっさとどこかに去ってしまった。

「しかも一人で来るとは……噂の扇動屋の指示か?」

 威圧感しかない野太い声で質問を重ねる大男。

 この大男は、これでも普通に喋っているつもりなのだ。故に、女や子ども相手にも口調は全く変わらない。しかも実は案内役がさっさと消えてちょっと傷ついていたりする。

 これで門番も厳つい野郎だらけだったら、と想像してみてほしい。当然、王宮には誰も寄り付かなくなる。門番に若い女を多めに配置してでもイメージを良くしたくなるというものだろう。

 そんな存在そのものが都市のイメージにとってマイナスなこの大男こそ、現モントゥ王――サリム・モントゥである。

 ちなみに、門番の女達にちょっかいをかける者はいない。理由はサリムが怖すぎるから。そんな命知らずいるわけがない、とはマックスの言である。

「いや、オレが来たくて来た」

 サリムの問いに首を横に振るマックス。

 サリムの言う「扇動屋」とは、おそらくザインのことだろう。彼以外にそんな呼ばれ方をしそうな者をマックスは知らない。そして、サリムがザインについてマックスに問うた以上、マックスがザインと行動を共にしていることはすでに知られていると見るべきだ。

「あ゛? じゃ何しに来やがった? まさかオレに会いに来たとか言わねえよな?」

「誰がそんなこと言うか、気持ち悪い……」

 お互い冗談だとわかっているため、苦笑を交わす二人。

 筋を通すためでなければ、マックスもサリムに会うというリスクを負う気はなかった。マックスがモントゥに来たかった表向きの理由は一つ――「青い雷光」という異名の元になった大剣を再び得るためだ。

 つまり、

「金稼ぎ」

「は……?」

「だから、金稼ぎ」

「……は……!?」

 一度、剣闘士を辞めたマックスが闘技場で再び戦うには、剣闘士達の(キング)の許可がいる。

 だから、マックスは命がけのリスクを負ってまでサリムに会いに来たし、予想外の答えを返されて戸惑っているサリムに頭を下げたのだ。

 細かい話は活動報告にて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ