左手…指輪
口笛のせて
鏡の前
選ぶ暇さえなく
いつもどおりの
組み合わせに
ひっかかる気持ち
置いて
これでいいって
前に進むための
素顔隠す
想い描いた
夢と未来
宝物なんて
見る余裕なく
飛び乗る
ラッシュアワー
すれ違いの車窓
触れ合わない
日々と人生
しゃべれないわけじゃないのに
誰もが目を閉じて
うつむく
朝
水平線の光る彼方
海と空の間みつめて
期待したまま
地下鉄の構内に
奪われる視界
ドア開くたび
冷たい空気流れる
時間と感覚
願い込めたペンダントトップ
クリアクリスタル
運命のルーン
神秘
秘密
ささやき…
目を瞑る
スケジュールの端に
忘れてはいけない
誰かなんて
いるはずのない
いつもの駅で
降りる
地下街
オフィスへと続く道
日が沈むころには
にぎやかで
繰り返し
昇降するエスカレーター
地上の空が
ビルの隙間から
いつもより
明るく見えて
受け入れられたなら
今日は
残業ナシで
約束に
間に合うように
必ず行く…って
決めた
月曜日
雨上がりの
道
水たまり
はじいて
足早に
歩く
口笛吹く
心の中
深呼吸する
胸の奥
動き出した
運命
朝日に照らされる
神秘に満ちた
街
見下ろし
昇るエレベーター
8階の扉が開く
8時間後の照準
必ず
会えますようにって
祈った
ペンダントトップ
どこまでも
透明な未来
近づくなら
すぐそばに
光輝く
『ルーン』:ゲルマン民族が、使っていた、失われた古代文字。紀元1世紀、ヨーロッパ北部。神聖文字。占い、魔術、呪術に、用いられた。
『クリアクリスタル』:パワーストーンを用いた占いでは、クリアクリスタル=「運命」と、解釈するものもある。本水晶。