【懺悔】マリー・パスファインダーの世界が出来るまで
これは第一作、少女マリーと父の形見の帆船の第一話を書き始めた時に、私の頭の中にあったこの世界の地図です。
その時はここまで長く書くなんて想像もしてなかったんです。
だから最初の港の名前、いい加減なんですよね……レッドポーチ。これ、何かちょっと不景気な雰囲気のある名前にしたくて、赤字+財布ってつけたんですよ……
この作品で出て来た固有名詞は最初にレッドポーチ。
次にリトルマリー。それから元の船名のハーミットクラブ。
その次が、物語上二人目のネームドなのにチョイ役もチョイ役だったグリックさん。
そしてヒロインの苗字パスファインダー、それからオーガンさん、トライダー、ハワード王立養育院、最後にバタフライ諸島、
英 語 風 で す ね 、 こ と ご と く (涙)
その頃は、何も考えてなかったんです……
で、第九話を書き終えて、この後も続けるならちゃんとプロットを作ろうと思い、頭の中の世界地図も書き替えました。それがこれ。
まだ地球じゃありません。まだ地中海じゃない……ちょっとだけ、似て来たけど。
だけど、まだこの程度の認識で世界を設定していました。初めての航海をした場所は南仏沖というより、たくさんの島が点在するエーゲ海みたいなイメージだったのかもしれません。
そして第一作を書き進めて行くうちに、これはもっと長く書きたいと思うようになりまして、第二十話、『真の船長への道』を書き出した辺りでやっと、お父さんが消えた理由や国際情勢の事まで含めた第二作以降のプロットを作ったんです。
すると突然、世界はこうなりました……いやここでちゃんと自分の作品の世界地図を一から作るという選択肢もあったんですけど!! 私はそうしなかったんです!!
そうなるとたくさんの矛盾が! 違和感が!!
フランス南東部からアルジェリアを目指すならコルシカ島とサルデーニャ島の沿岸を行くよね、まっすぐ突っ切る必要ないよね、ていうかバタフライ諸島に相当する離島群存在してないですけど!?
アフリカ北西部、アトラス山脈の北側って砂漠じゃないですけど!? めっちゃ緑豊かですけど!?
ブルマリンはフランスじゃないよね? ここバルセロナだよね? アラゴン王国? どっちにしろフランスじゃないよね!?
誰かに何か言われた訳じゃないですし、私は何度も「ここは地球によく似た異世界だよ」と震え声で言っているのですが、私自身の心の中の世界史地理オタク部分が騒ぐのです。おかしくねー? おかしくねー? と……
でも、そんな時。作者としての私は言ってやるんです、そいつに。
ハッハッハ! そんな事より、17世紀にバニーガールは居なかったんだよ! まず当時の素材と縫製技術でどうやって作るんだい!? それにいきなりバニーガールが現れる訳がないだろう、そこに至るまでのファッションの発明と発展の歴史があるんだよ、もしバニーガールが居るならね、他にもいろんなものがないとおかしい、その世界ではもう誰もがスウェットやネルシャツを着てジーンズを穿いてるはずだね!
文化や道徳的にもそうだ! 人がどんな服でも自由に着れるようになったのはいつだと思う、17世紀に町であんな恰好をしてたら悪魔憑きだって言われてたちまち火あぶりだよ、王侯貴族が連れてる道化師ならギリセーフかもしれないけど船長は全く持って有り得ない。
じゃあ何で居るのかって? そんな事を考えながら読むような小説じゃないからさワーハハハハハ、構わないから気楽に書けよ、気楽に!




