4.これからのこと、ついにスキルを使う。
「ん?お前これ本なのに興奮しないんだな。」
するとアルトは、迷惑そうな顔でこう言った。
「私が全ての本が大好きだとは言っていません。もう魔導書の類は読み過ぎてもう読みたくないです。」
ああ、天使の試験の時か。
「そはそれとして。それではその本を読んでおいて下さい。私は帰りますので。」
急だな。
「帰るの?この件についてはどう説明するの?」
するとアルトはしまったという顔で考えてる。
これ絶対考えてなかったやつだ。
「上には捜索中と伝えられるか?」
「特に監視等はついていないので、大丈夫です...って、あなたまさか、」
どうやら気づいたようだ。
「俺が転移出来るようになるまで地上にいればいい。それで俺が転移出来るようになったら、ちょうど捕まえたと言って異世界に飛べばいい。」
アルトは考え、
「その時、私はどこにいればいいですか?」
考えてねー。
「知らん。自分で決めろ。」
こうゆうときはこれ。
「では、あなたの家に居候させていただきます。」
なんかとんでもないこと言い出したんですけど、この天使。
「いやなぜ家!?ホテルとか野宿とか他の選択肢あっただろ!」
するとアルトは、何を言っているみたいな顔で、
「ですが、自分で決めろと言ったのはあなたですよね。」
それを言われたら、ぐうの音も出ない。
「だ、だとしても、家はちょっと....」
するとアルトは、
「一番居やすいところがあなたの家だと思うのです。なので、居候させて下さい。」
色々言い方おかしいし、あと上目遣いはずるい。
「その言い方誰に教わった?」
アルトは真顔の戻り、
「天使の先輩からです。地上の男はこれでイチコロと言われました。」
何てこと教えてんじゃ。
「うーん。でもそうするとしたら、どこで寝るの?親に見つかったらどうする?」
「親には記憶改造で留学生だと思わせられます。」
そして、ドヤ顔。
「はあああああああ。わかった。親にそうできるのであれば、いいよ。」
折れた。それに可愛い女の子と一つ屋根の下、彼女いない歴=年齢の俺にどうしろと。
「あなた、想像以上に本の読むスピード速いですね....」
どやぁ、これが俺の特技!速読!
「じゃあ、スキル使ってみるか。」
一応本は読んだから、基礎は大丈夫だと思う。
「まず、紙に円を書いて・・・」
十分後
「できた!」
作ったのは魔法陣の基礎の円だ。これに、何を起こすか、属性などを書き込む。
五分後
「やっと、発動できるまでになった。」
ここから魔法を使うには、魔力を流せばいい・・・
俺、魔力の流し方知らない。
「助けて、アルト!」
アルトは想像していましたよ風な顔で、
「そろそろだと思いました。あと、初めて名前で呼びましたね。」
お前は一回でも俺の名前を読んだか、という反論をすごくしたいが、会話がどっか飛びそうだからやめとく。
「それではまず、手をつないでつださい。」
両手を出してきて、アルトはそう言った。
「お、おう」
俺はおどおどしながら、手をつなぐ。
すると手から何か温かいものが流れてくる。それは体を回り逆の手から流れ出てゆく。
「これが魔力です。この循環する感じの原点を探してみて下さい。」
俺はこの流れを感じる、原点、どんなものかは分からないが、ここにある気がする。
「何か、ここにある気がするって感じ何だが、どこにあるのかは分からない。これがそうか?」
するとアルトは頷き、
「魔力の原点はどこにあるのかは分かっていません。ただしこれだと思うのであればそれが原点です。」
アルトはそっと手を離した。
「あとは自分でその原点の魔力を操ってみてください。先ほどの感覚で、原点に魔力を集める感じです。」
原点に、集める。集まって来た。
「それでは今度は逆に外に出すように調節してください。ですが出し過ぎると危険ですので出す量も調節してください。」
ゆっくり外に出す。こうか。
「最後にこの魔法陣に魔力を流してみましょう。」
ゆっくり魔力を流し込む。
すると魔法陣が光り始めた。
「おお、これが魔法!」
そして、また謎の声が聞こえた。
『魔法、ライトを習得しました。』
「何か魔法、ライトを習得しましたって言う声が聞こえたのだが?」
アルトは頷きこう言った。
「ええ。それであれば大丈夫です。ステータス・ウィンドウを開いてみてください。」
俺はステータス・ウィンドウを開いた。すると新しい文字が加わってた。
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芦屋 充
HP:500
MP:40
スキル:魔法陣(習得魔法:ライト)
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「おお、新しく魔法が載ってる。」
アルトは期待を込めた顔で、
「それでは、その調子で魔法を沢山作っていってください。」
「よし、任せろ!」
俺は自信ありげにそう言った。
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この二人は、この時点で、ある未来の大戦に巻き込まれる運命が定められた。だが、この話はそう遠くはない未来・・・
やっと魔法、と思っても初級魔法陣入門書も魔法何ですけど。
あと、無双まではもう少し先ですね。ハイ、タイトル詐欺になってますね。スミマセン。
たぶん無双するまではそんなに遠くはない....と、思います。
ご感想等ございましたら、どうぞよろしくお願いします。