16.男、正体は。
ーアルト視点
なぜかステイはマスターである充、私との接する態度が違う。充に対しては凄く毒舌なのに対して、私とは友達のように接してきます。その理由を後で聞きたいですね。
などと、今から(彼氏)が人質になりに行くようには思えない思考の持ち主、アルトであった。
ー充視点
よし、これでもしもの時の魔法対策はオーケー。後は交渉次第ということだ。
俺は拳銃を持った男の前に立つ。距離は5メートル位か、これなら弾道予測魔法で避けられる。弾道予測魔法は今さっきステイに作ってもらった。精神魔法で相手がどこを狙っているかの精神解析、銃口や目線の向きを計算し、総合的に弾道を予測する魔法だ。
「よく来てくれたな、芦屋充くん。」
....!?
自分でも息を呑んだことがわかる。
「なぜ、俺の名前を知ってる。」
俺とあの男は初対面のはずだ。
「そりゃあ、あんたが有名人だからかな。」
「有名人?俺はそんな事したつもりはないが。」
「まあ、これを見ればわかるだろう。」
そう言って拳銃を持った男は....魔力を練り始めた。
「な!?魔力だと!?」
「おいおい、魔力はおまえだけの専売特許じゃねえんだよ!」
そして男の魔力が膨れ上がる。
男の輪郭が揺れる、浮遊感、無気力、怠惰な感情が流れ込んでくる。
『使用者!戦闘準備です!精神干渉耐性、身体強化、魔法陣同時展開ウィンドウ!使用!』
ステイが迅速に判断してくれたおかげで、俺も冷静な思考に戻した。
『今のは精神干渉系の魔法です。気を抜けばすぐかかってしまいます。』
そういえば他はどうなってる。
そしてスタジアムを見渡すが特に目立った変化はない。だが、アルトが凄い顔してこっち見てる。
『使用者、アルトさんからの伝言です。
何で、破壊神所属の天使の魔力反応があるの!?
とのことです。』
こっちが知りたいわ。
返信頼む。
『はあ、しょうがないですね。』
「今は噂の人工知能との会話かな?」
「ええまあ、そんなところです。あなた破壊神所属の天使ですよね。なぜこん多所にいるのですか?」
「さあな。戦って答えを見つけな!」
そう言って、破壊神所属の天使が襲いかかってきた。
令和ですね。