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死に損ないの魔法陣無双~異常な巻き込まれ体質は現実世界でも無双してしまうそうです~  作者: オオソラ
死に損ないは学校の思い出を作りたいです。
13/18

13.ピストル、またの名を拳銃とも言う。

「これより、第32回芦野花高校体育競技大会の開催を宣言します。」


 パン、


 と、ピストルの音が鳴り響き体育祭が始まった。



「はぁーついに始まったか。暑い暑い。」


 とか言いながら俺は()()()の『冷たいうちわ』を扇ぐ。魔法陣付与でうちわにコールドと、スプラッシュ(小)、ブロウ(小)の魔法を付与した手作りだ。これを知ってるのは俺とアルトだけだが、春樹にも渡してはいるが特別な技術と言ってる。

 間違ってはいない。


「このうちわスゲーな。軽く扇いでも結構風来るし、風は冷たいし。これもっと分けてくれよ。」


「そのうちわの作り方は門外不出。例え親友の頼みであっても譲れない。」


「ちぇー。」


 舌打ちされた。




 開会式の少し後。スタジアムの西スタンドにて。


「そっちはどうだ。」


 渋い男の声、


「ああ、全て設置完了ですぜ。いつでもいけます。」


 今度は少しハスキーな男の声、

 この2人はイヤホンで会話している。

 誰にも聞かれたいないか周りを見る渋い方。


「こっちも準備オッケーだ。」


 渋い声の男の手は服の中の黒く冷たい物に触れていた。


「だが、ここで始めてはこの大会を楽しめない。メインディッシュを調理するのが俺の好きなことだ。だからまだだ。」


「ヘイヘイ、わかりました。メインディッシュまでは大人しくしてますよ。」


「クックク。さあ怯えろ、叫べ、私を楽しませてくれよ。学生さん。」


 誰にも聞かれてはいけない会話。

 男はその独り言を楽しむように、そして口の中で飴を味わうかのように、笑う。



 

 そして5時間後。14:00

 ついにこの日のメインイベント、【紅白対抗リレー】が行われる。


「プログラムナンバー9番、【紅白対抗リレー】選手が入場します。」


 俺の緊張はマックス状態だ。

 入場音楽がなり始めた、その時、

 

 ダァーン


 ピストルの音ではない音が会場に響き渡った。

 

 俺は音の鳴った方向を見る。すると人が倒れて、その隣で笑う一人の男がいた。

 ここで気付いた。

 あの音は()()()ピストル(拳銃)の音だ。


「マジで?」


 そしてそのことを理解した人が悲鳴を上げる。

 それにつられ、わかっていない人も状況を理解し始め悲鳴はどんどん大きくなる。


 ドガーン


 今度は爆発音がした。あちらこちらから。どうやら出入り口を全て塞いだようだ。随分手が凝ってるな。


 ここまでの状況を俺はなんとかマップや、ステイの話を聞き理解していた。


『使われている銃は〈CZ-USA CZ75〉。あの銃を使っているということは、それなり撃ってきているのでしょう。』


 そんな情報今いるか!?


『カッコつけたかっただけです。』


 それだけ!?


使用者(マスター)がカッコつけて説明できるようにです。』


 いらねーよ!

 それより今どうすればいい?


『今この会場は混乱しています。それを抑えるのが1番かと。』


 わかった。


 そう言って(心の中で)俺は、実行委員席の下の放送席に突っ込む。着地は成功させる。

 俺はマイクをとり、


『皆さん静かにして下さい!』


 と叫ぶがあまり聞いていないようだ。


使用者(マスター)。ミキサーのつまみをマックスにして下さい。』


 ミキサーってなんだ!


『音量調整するやつのことです。』


 俺はミキサーのつまみをマックスにした。


 すると、


 キィィィィィィン


 ハウリングが起こった。

 耳が痛い。


 そして会場は静かになり、俺の方に視線が集まる。

 もちろん、拳銃を持ってる男の視線もだ。

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