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死に損ないの魔法陣無双~異常な巻き込まれ体質は現実世界でも無双してしまうそうです~  作者: オオソラ
死に損ないは学校の思い出を作りたいです。
11/18

11.彼女役、それはまともじゃない天使。

「よし!お前を【対抗リレー】入退場責任者に任命する!」


 さっきステイに考えてもらった案を発表したら、こうなった。

 この企画会議を仕切る、体育祭実行委員長の熱気竜太はこういった。


「え、っちょ、ちょっと勝手に決め手いいの!?」


 この人は暑苦しい人だ。


「この学校の行事企画は生徒主体だ。だから責任者任命も勝手に決められる。」


 そういえばそうだった。


「でも俺なんかで良いのか?」


「ああ。こんなものを考えられるんだから、出来るさ!」


『ほら、人を頼るとこうなる。』


 お前は人じゃないだろうと、ツッコミたいが黙っておく。


『わざとですか?ぜんぜん聞こえてますよ。あと細かいことは気にしてはいけません。』


こんなことを言われたが、俺がこの体育祭実行委員に入ったのは()()()()()のためだ。俺は覚悟を決める。

「その仕事やらせてもらう。」


「おお、ありがとう!それじゃあ、【クラス対抗・色別対抗リレー】の入退場の隊形も考えておいてくれ!」

 ・・・え、





 というわけで、あれから1ヶ月半。全てのリレー競技の入退場隊形を考え実行するために、外にいる。暑い。

 俺が入退場の指揮を俺が執るからだ。


「暑い。」


「知ってる。」


「そうですね。」


 俺のつぶやきに答える声が2つ。


「何だ来てたのか、春樹、アルト。」


「何だって何だよ。俺は入退場責任者補佐官なんだから来るのは当たり前だろ。」


 何であの委員長は何でも軍隊風の名前にしたがるのかね。


「で、私は充の彼女()として来ただけです。」


 アルトが学校に初めて登校したときに、俺と一緒に来たら何か色々な誤解が生まれ、俺とアルトが付き合ってるという噂が立った。そしてアルトはこのネタで俺をいじってる。やはりこの天使はまともじゃねえ。

 だがこう言ってる顔が妙に恥ずかしがってる()だがかわいい。


「かわいい彼女がこう言ってるんだ。少し構ってやれ。」


「だから付き合ってねえよ!」


 かわいいということは否定しない。

 するとアルトが俺の耳に口を寄せ、


「暑いならコールドの魔法でも使えばいいじゃないですか。」


 こんなバカなことを言い出す。


「こんな人目があるところで魔法なんて使えるか!」


 相手にしか聞こえない声で話す。


「・・・確かに。」


 やはりこの天使はまともじゃない。


「魔法が普通に使えるとこからきてるので。テヘ☆」


「そんな言葉どこで覚えた。」


「友が教えてくれた。」


「お、おう。そうか。てか、4ヶ月近くいるんだから、そろそろ馴れろ。」


 そんなことを話していると、


「何話してるんだ?俺にも聞かせてくれよ!」


「断る!」


 だが、なんてつけない。


 するとアルトが息を吸う気配を感じた。

 

 その次の瞬間、


「フゥゥゥ」


「ウヒャァ」


 おお、恐ろしい。背筋が寒い。


「どうです?涼しくなりましたか?」


「や、やり方ってもんを考えろ!」ゾクゾク


 分かったであろう。この天使はまともじゃあない。

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