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序章
月が顔を隠し、太陽が顔を出す。
そんな光景が実体を有して見られるのもこれで最後か…
思えば、これまでの出来事はあの月や太陽からしたらほんの些細な、大したことない一瞬の出来事であったのだろう。
でもこちらからすればあれほどまでに人を愛し、人を憎み、人でなくなり…
人と出会い、人を知り、人と別れた出来事は今後ないのだろうと思える。
…いや、案外ありえたりするのかもな。
あの人間があの時代でどうなるかは、天からゆっくり見させてもらおう。
1人のあやかしとして。
そして、1人の×××として。