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空虚な睡眠

作者: 遺作またんき

空虚だ

なにもない、空洞だ

心は空っぽで真っ白な空白だけある

意味も無く 目的も無い 現在地だけが描かれた空白の地図のようで存在の意義が見出せない物だった

であればどうするか であればなにをするのか

自分の欲求を呼び起こしそれをなぞり遂行するのか

あるいは他者の欲求に従い奴隷ロボットのように動くのか 対価を得ても使い道などないのに

まずは自分の欲求に聞いてみよう

「お前はどうしたい」

欲「特に暇つぶし以外なにもしたくありません」

「欲しいものはないのか」

欲「今はない」

「それでいいのか?」

欲「良くは無いが仕方ない」


そうかとだけ返し欲との話を切り上げる。こいつに聞いても駄目なようだ

ならば誰に聞こう。そしてどこに行こう。どこにも行きたくないけど

しかし欲に聞いても駄目なものを一体誰に聞こうと言うのだろうか

自分の求めるものを自分以外に聞いて応えてくれると言うのか

そんなのはあり得ない

だがもうそうなると八方塞がりだ

解の分からない数学を問題を前に往生して筆が止まるかのように刻々と時間を無駄に消費していく

「ああ、俺には何もわからないんだな」という無力感だけを残して時は進む

不毛な時間。自分には何もできない、自分が求めてることさえも分からない

これからどうして生きていくのか

何を目標に前へ進むのか

人は死ぬ。遅かれ早かれそれは絶対に覆せない事実として人は死んでいく

そしてこのままいくと自分はその日が来るまで何をしたらいいのか分からないまま死ぬのだ

それではいけないな。何か考えなくては、さあ何をしよう

何をしようか

何を

どうしたらいい

分からない。寝るか

分からない。寝るか

分からない。寝るか

分からない。寝るか

分からない。寝るか

分からない。寝るか


ああ、俺の人生はきっと寝ることにあったのだ

俺は寝るために生きているのだ

ああもう眠ろう眠ろう

もうすべてどうでもいい

寝ることだけに集中してひたすら寝ていよう

死ぬまで寝ていよう

死んだように寝ていよう

ああ、つまりそういうことか

俺の求めているのは…

死ぬことだったのか

なるほど、俺は死にたかったのか

気づいてやれなくてごめんな

そうか、俺は死にたいのか

そうか

まぁ大丈夫だ

そのうち、そのうちいつか死ねる

それまで寝て待っててくれ

そのうち死ねるから

大丈夫、そのうち死ねる

だから安心して寝ててくれ

お疲れ様


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