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第八十八話 クリスマス

 何かに乗られてるのに気が付いて目が覚めた。目を開けるとヨミが俺の上に乗って眠っていた。


「おい」


 俺はヨミの肩を軽く叩いた。


「ん~?おはよう、アルトお兄ちゃん」


「なんで俺の上に乗って寝てんだ」


「ちょっと前におトイレ行きたくて目が覚めた時ルイナお姉ちゃんがいなかったからアルトお兄ちゃんの部屋に来て二度寝ついで上で寝てみた」


「重いんだよ」


「アルトお兄ちゃんならこれくらい大丈夫でしょ?」


「重いもんは重いんだよ」


「そう言わずに」


 ヨミは俺の頬を舐めた。生暖かい唾が付く。


「何やってんだよ」


「どうせルイナお姉ちゃんと昨日キスやらなんやらしたんでしょ?これくらい良いじゃん」


「良くないしなんやらはしてねーよ」


 俺は上半身を起こしてヨミは俺の太ももに乗って寄りかかってきた。


「お前はマジで悪魔猫だな」


「にゃ~ん」


 ヨミがまた舐めようとしてきたのでデコピンした。


「あぅ、アルトお兄ちゃんは猫に舐められるのは嫌い?」


「猫はいいがヨミは無理」


「酷い」


「無理は冗談だけど、やたらするな」


「じゃあ毎日するね」


「まずは言葉を勉強しようか」


「それよりルイナお姉ちゃん見てみて」


 隣にいるルイナの方を見るとまだ寝ている。そしてパジャマが少しはだけていた。二人で寝てたから暑かったのだろう。白い下着が見えている。


「ほらほらすっごくエロいでしょ?」


「そうだな。でも俺は寝顔が可愛いしか思わねーよ」


「つまんないね」


「んん~、アルト?」


 ルイナが目を覚ました。


「おはよう、ルイナ」


「ふぁ~、おはようアルト。ヨミちゃんも」


 ルイナは両手を挙げてあくびをしながら上半身を起こした。


「おはようルイナお姉ちゃん、その服どうしたの?もしかしてアルトお兄ちゃんが寝てる間に襲っちゃってた?」


「ふぇっ⁉ちょ、いやちがっ」


 ルイナは自分の服を見て恥ずかしがっている。


「うわ~、マジかルイナ。そんなはしたない人だったなんて」


「ち、ちーがーうって!私なにもしてないから!」


「そんな格好で言われてもな~」


「本当だって!」


 ルイナは顔を赤くして必死に否定している。


「やっぱりルイナお姉ちゃんは面白いね」


「うん、ずっと楽しめるよな」


「も、もう!二人して(はか)ったわね!」


 ルイナは勢いよくベットから出て部屋を出てった。俺とヨミは笑顔でハイタッチした。


「さてと、ヨミもルイナの部屋で服着替えてきなー」


「うん」


 ヨミはルイナの部屋に行った。俺は服を水魔法で回転させながら包んで洗ったあとに炎魔法と風魔法を調節して乾かして着た。


「おはよう、えり」


「おはよ~ゆう君。メリクリ~」


 リビングに出るとえりが眠たそうに椅子に座っていた。


「昨日は指輪ありがとね」


「こちらこそマフラーありがとな」


 えりは今も指輪を付けている。気に入ってくれて良かった。ルイナとヨミも部屋から出てきた。


「ちょっと待っててね」


 ルイナは朝ご飯を作り始めた。外を見ると雪が積もっていた。


「おぉ~、綺麗な雪景色」


 ヨミが窓に張り付いて目をキラキラさせている。


「あとで遊ぼう!アルトお兄ちゃん!」


「はいはい、あんまりはしゃぎ過ぎんなよ」


 少しして朝ご飯が出来て食べたあと俺は片付けをして朝の支度をしてみんなで外に出た。


「しろーい。冷たーい」


 ヨミはえりから貰った手袋を付けて雪を掴んで上に投げている。


「滑らないように気を付けろよ~」


 俺はえりから貰ったマフラーを首に巻いている。マフラーがあるかないかだけでも結構変わるな。


「そーれぇ」


 えりに雪玉をぶつけられた。だが俺は平常心を保った。


「やり返さないの?アルトにしては珍しい」


「こんな子供っぽいことで怒らないよ」


「へ~、そうなんだー」


 えりは額に雪玉をぶつけてきた。


「ぶっ潰す!」


 俺は雪を思いっきり凝縮してえりに本気で投げるとえりはバックポケットからヨミから貰ったハンドガンを取り出してセーフティーを外して撃った。雷魔法を纏った弾丸は雪玉を突き抜けて俺に向かってきたが俺は刀を抜くと同時に闇属性の魔力を付与して斬った。


 えりのやつ、動きがもっと速くなってるな。


「ふふーん、ゆう君の雪玉なんてくらわないよーだ」


「あっそ」


「冷たいな~。まるでこの雪のように」


 まるでルイナの氷魔法のような寒いギャグだな。

 俺とえりは二人並んで話しながら歩いた。すると後ろから背中に雪を入れられた。


「ふあっ⁉」


 冷たい雪が背中を撫でるように落ちていくのがわかる。


「可愛い反応だね、アルトお兄ちゃん」


 後ろを見ると浮いているヨミがいた。


「おいこら」


「い、いたひ」


 俺はヨミの頬を引っ張った。


るひなおねへひゃん(ルイナお姉ちゃん)やれっへぇ(やれって)


 ルイナを見るとよそ見をしている。あの野郎。


「ヨミ、ルイナの服の中に雪入れてくれたら今日も一緒に風呂入ってやるぞ」


「ホント⁉」


 ヨミは雪をかき集めてルイナの前に来た。


「ヨミちゃん?ダメよ?アルトの口車に乗ったら。怒るわよ?」


「ごめんね、ルイナお姉ちゃん。アルトお兄ちゃんとお風呂入りたいからやるね」


「ちょ、ちょっと」


 ヨミは服の中に雪を入れた。


「きゃ!冷たっ」


 ヨミは風魔法を使いながら次々と雪を服の中に入れる。ルイナもヨミには暴力を振れないので抵抗出来ずに入れられ続けている。


「うぅ、もういいって!」


「これでいい?アルトお兄ちゃん」


「あぁ、よくやったな」


 服に入れられた雪が溶けてルイナの体からぽとぽとと水が流れている。漏らしてるみたいで笑えるな。


「お~い、みんな~」


 声がしたと思ったら上からエレイヤが降ってきた。


「どわぁ~!」


「よぉ!メリークリスマス!」


 エレイヤは俺の上で馬乗りになって元気に挨拶をした。雪のおかげで頭を強く打たずに済んだ。


「あ、相変わらず元気だな」


「俺はいつでも元気だぜ!寒さなんて吹っ飛ばしていくぞ!」


「あぁそう。それよりどいてくれない?恥ずかしいんだけど」


 周りにいる人がじろじろと見ているのがわかる。


「ごめんごめん。えりっちもヨミみんも元気そうだな。ルイナっちも……」


 エレイヤはルイナからぽたぽたと垂れる水を見た。


「ルイナっち、漏らしたのか⁉」


「えっ、ちょ、違うわよ!」


「俺でももう漏らさないのにルイナっちは子供だな~」


 まるで少し前までは漏らしてたみたいな言い方だな。


「違うって!も~う!」


 俺達は濡れたルイナの体を温めるために家に帰った。



「今日はもう散々よ」


 風呂から上がったルイナはソファーに座っていた俺の隣に座って俺の膝に頭を置いた。膝枕をしていいとは言ってないけど別にいいか。これ以上いじると可哀そうなのでやめておこう。俺はルイナの頭を撫でた。


「はぁ、ずっと撫でられてたーい」


「俺もずっと撫でるだけで過ごしてたいよ」


「じゃあ私も撫でて」


 ヨミがルイナとは反対側に座って寄り添ってきた。俺は手を回して頭を撫でた。


「うわ~、今のゆう君女の子を侍らせてる金持ちみたい」


「そんなこと言われてもな」


「な~、俺もこともなでなでしてくれよ~」


 エレイヤが俺の前に立って頬を膨らませる。


「あ、そういえばエレイヤにクリスマスプレゼントがあるんだけど」


「マジ⁉」


「あぁ、ちょっと待ってな」


 エレイヤ以外は部屋からプレゼントを持ってきた。


「はい、俺からはハンカチ」


 俺は黒と赤と白色のハンカチをエレイヤにあげた。


「おぉ!ありがとな!アルトきゅん!大事に使うぜ!」


「私はヘアゴムを!」


 えりは黄色のリボンヘアゴムを二つあげた。


「おぉ!すっごく可愛い!ありがとな!えりっち!」


「私は何にすればいいかわかんなかったけどこれ」


 ヨミは兎のストラップをあげた。


「おぉ!可愛い!鞄に付けさせてもらうぜ!ありがとな!ヨミみん!」


 エレイヤずっと同じリアクションなんだが。そして最後にルイナだな。どんなプレゼントあげるんだろう。


「私からは魔法大辞典をあげるわ!」


 ルイナは分厚い魔法辞典をあげた。


「あ、ありがとな。ルイナっち……」


「これでいっぱい勉強してね」


 ルイナって騎士団に仮に入るってなった時に勉強しなくていいって喜んでたけど結構な勉強好きなんだよな~。


「さてとこれからどうする?」


「雪合戦やってみたい」


「あっ、それ俺もみんなでやりたかったんだ!」


「じゃあみんなでやろう!」


「アルトは本気で投げちゃダメよ?」


「わ、わかってるって」


 俺達は公園に行って雪合戦をして楽しいクリスマスの時間を過ごした。


エレイヤ「実に5話ぶりに登場だぜ!」

アルト「実時間だと二日ぶりくらいだけどな」

エレイヤ「みんな一緒にいるのに俺だけ家族といるの辛かったんだぞ!」

アルト「急に上から降ってきて馬乗りしてきたやつに言われてもな」

エレイヤ「じゃあ次に辛かったときは上から降って馬乗りする!」

アルト「やめろ!恥ずかしいだろうが!」

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