第八十六話 プレゼント
「そろそろクリスマスプレゼントをあげるか」
「おっ!待ってました!持ってくるね」
えりがはしゃいで屋根裏部屋に向かっていった。
「私も持ってくるわ」
「俺も持ってくる」
ルイナは部屋に行き、俺も部屋に行って隠しておいたプレゼントの袋を俺のとヨミのを持ってきた。ルイナとえりも袋を持ってやってきた。
「まずは誰からあげる?」
「じゃあ俺から」
俺は袋から一つ物を取り出した。
「まずはルイナに」
俺は手の平より少し大きく細い木箱をルイナに上げた。
「開けていいの?」
「もちろん」
ルイナは木箱を開けた。
「わぁ~、ペンダント⁉」
俺がルイナにあげたのは丸い枠に小さな俺の持っているバリス刀があるペンダントだ。アクセサリー屋の職人さんに『自分のバリス刀と同じようにしてください』と言ってた10分ほどで作ってくれた。
「ありがとう!一生大切にするわ!」
ルイナは抱き着いてきた。
「そ、そんなに喜んでくれて俺も嬉しいよ」
ルイナは俺から離れてペンダントを付けた。なぜか泣きそうな顔をしている。そんなに嬉しかったのか。
「次はヨミに」
袋から可愛くラッピングされた小さな袋をヨミ上げた。
ヨミはキラキラした目で中を開けた。
「これは?」
「クロスヘアピンだよ。ヨミなら似合うと思ってな」
ヨミに上げたのは赤と黒のクロスヘアピンだ。髪も伸ばすらしいし丁度いいだろう。
「ありがとう。アルトお兄ちゃん」
ヨミはクロスヘアピンを付けようとした。
「やってあげるわよ、ヨミちゃん」
ルイナが左側の前髪を揃えて付けてあげた。
「どう?」
「よく似合ってるよ」
俺はしゃがんでヨミの頭を撫でた。ヨミは嬉しそうに笑った。
「ふふっ、宝物にするね」
「気に入ってくれて良かったよ。あとこれも」
俺はもう一つ袋から箱を出した。
「高級なお菓子の詰め合わせ」
ヨミはさらに目を輝かせて涎を垂らした。
「美味しそう!」
「けど食べるのはまた明日な」
俺は箱をお菓子の入っている箱の上に乗せた。
「最後はえりに」
袋から小さな箱をえりに上げた。
「な、なに?」
「そ、そんな怯えなくても。開けてみて」
えりは怖がりながらも箱を開けた。
「ん?おおぉ~!」
怖がってたえりの顔が一瞬にして喜びの顔に変わった。
「これって指輪⁉」
「えぇ⁉」
俺が上げたのは金色で小さく赤い魔石が入った指輪だ。ルイナがビックリしているが決してプロポーズ用にではない。
「その魔石には銃の魔弾を強化する魔術が込められてるからえりにぴっだりだろ?」
「ありがと~!すっごいカッコいいよー!」
「ちょっとアルト~!」
「べ、別に特に意味はねーよ。ただ俺もカッコいいと思って買っただけだから。それに将来お前にもちゃんとしたやつ上げるし」
「な、ならいいけど」
なんとかルイナの機嫌を戻した。
「将来のためにアルトお兄ちゃん練習で付けてあげたら?」
「そんな練習いらねーよ」
「本当はミラス団長の方がいいけど、でもせっかくだしゆう君に付けて欲しいなぁ~」
「えぇ~、ったくわかったよ」
俺は指輪のケースから指輪を取り出してえりは右手を出した。
「痛かったら言えよ?」
ゆっくり中指に指輪をはめた。
「おおぉ」
えりは手の甲を自分に向けて指輪を見て目をキラキラさせた。
「どんな感じ?」
「ぴったり」
「なら良かった」
「ふ、ふふふ、ふっはっはは!友から貰いうけたこの古の指輪を持った私は無敵!魔王など私の力に到底及ぶまい!私のディストラクションライトニングバレットで倒してやろう!」
えりの高らかな声が響いた。ちなみにディストラクションライトニングバレットはレールガンを全力で撃つときの技である。そしてえりは正気になって顔を赤くした。
「ゆ、ゆう君!」
「俺に助けを求めるな」
「うぅ~」
えりは俺の後ろに隠れた。
「つ、次は誰が渡すんだ?」
「私が渡す」
ヨミは袋を足元に置いて小さな紙袋を出した。
「これはルイナお姉ちゃんに」
ルイナはそれを受け取って中身を取り出すとシャーペンだった。夜空に星がたくさんあるような綺麗な柄のシャーペンだ。
「可愛いシャーペン!ありがとう!ヨミちゃん。大切にするわ」
「これで勉強頑張ってね」
次にヨミは袋から俺がえりにあげた指輪のケースより少し大きいケースを出した。
「はい。これはアルトお兄ちゃんに」
俺はヨミからそれを受け取って開いてみた。
「おぉ、腕時計か」
中にあったのは星空柄の腕時計だった。
「何にしようか悩んだけど前に腕時計買おうか迷ってたから」
「カッコいい腕時計ありがとな。使わせてもらうよ」
俺は腕時計を左手首に付けた。カッコよくて綺麗だ。
「最後にえりかお姉ちゃんに」
ヨミは袋から銀色のアタッシュケースを出してえりにあげた。
「な、なにこれ」
「開けてみて」
えりはまた怖がりながらアタッシュケースを開けた。中には銀色のハンドガンがあった。
「えぇ!これいいの⁉」
「うん、えりかお姉ちゃん銃の練習ずっと頑張ってるの知ってるから。えりかお姉ちゃんの銃レールガンしかないからハンドガンくらいはあげたくて」
「ありがとう!ヨミちゃん!ほんっといい子!」
えりはヨミに抱き着いた。
「うぐっ。と、とりあえず魔力流してみて」
えりは銃を手に取って魔力を流した。するとグリップとスライドの一部分が黄色に光りだした。
「おぉ!カッコいい!」
「えりかお姉ちゃんに合うと思って高かったけどアルトお兄ちゃんにお願いして魔物討伐の報酬金で買ったの」
「ありがと~。ありがと~」
えりは再びヨミに抱き着いて何度も礼を言った。
「次は私が渡すわ」
ルイナは袋から靴箱を出した。
「はい、ヨミちゃん」
ヨミがそれを受け取ると箱を開いた。中には水色と白のローラースケートがあった。
「可愛い。ありがとうルイナお姉ちゃん」
「うん、でも家の中で走るのはやめてね?」
ヨミはローラースケートを履こうとしていた。
「次はえりかちゃんに」
袋から取り出したのは何やら美容のことが書いてある箱だった。
「洗顔ブラシ?」
「えぇ、値段は高いけど人気だったから。これを使ったらもっと綺麗になるはずよ」
「ありがと~、ルイナちゃん。明日から使ってみるよ~」
もしかしたら遠回しに顔が汚いと言ってるかもしれないがそれはないだろうな。
「最後はアルトに!はい!」
ルイナは袋の中から何を開けて取り出して俺の前に出した。
「これは、マグカップか」
それは黒くて白いハートが描かれているマグカップだった。
「私のも買ったからお揃いよ!」
ルイナはもう一つマグカップを出した。白くて黒いハートが描かれている。
「あ、ありがとう。大切に使うよ」
俺はとりあえず貰ったマグカップを机の上に置いた。
「最後は私の番!」
えりは袋から木箱を出してルイナに上げた。
「はい、ルイナちゃん」
ルイナは木箱を開けた。
「フィンガーブレスレット?」
「うん!普通のブレスレットにしようと思ったけどそっちのほうがカッコよかったから!」
木箱の中には白い布の上に水色の宝石が付いているフィンガーブレスレットがあった。
「ありがとう、えりかちゃん」
ルイナはフィンガーブレスレットを左手の中指に掛けた。よく似合っている。
「やっぱりカッコいい!お嬢様感が出て最高!」
「そ、そうかしら」
「うんうん、よく似合ってるよ!」
えりが次に袋から出したのは薄ピンク色の手袋だった。
「はい、これはヨミちゃんに」
「可愛い手袋。ありがとう、えりかお姉ちゃん」
「これで外出てもお手々寒くないよ」
「ふふっ、温かい」
ヨミは手袋を付けて両手を擦り合わせている。
「さぁ!最後にゆう君に。なんだと思う?」
「えぇ?う~ん、100万円とか?」
「お金じゃないよ!もう。はいこれ!」
えりは袋から何かを取ってそれを俺の首の周りに巻いた。
「ま、マフラー?」
「そう。ゆう君速く飛んでる時寒いって言ってたから」
えりがくれたのは黒色に縦に赤色の線が入っているマフラーだった。
「おぉ、カッコいいマフラーありがとうな。丁度欲しかったから使わせてもらうよ」
これで全員が渡し終わった。みんな形ある物だったな。そしてみんな喜んでくれて良かった。
「さて、実はケーキも買ってきてるからみんなで食べましょう」
俺はマフラーを取ってルイナは冷蔵庫からショートケーキを出して4人で食べた。
「美味しかった……」
ヨミは俺に寄りかかってうとうとしている。ヨミから貰った腕時計を見ると。
「ほら、寝る前に歯磨くぞ」
「眠いよー」
俺はヨミを抱っこしてルイナとえりと洗面台まで連れて来て自分の歯を磨きながらヨミを歯を磨いてあげた。
そのあとルイナの部屋のベットにヨミを寝かせてヘアゴムとクロスヘアピンと取った。
「おやすみ」
「おや、すみぃ。アルトお兄ちゃ、ん」
ヨミはすぐに寝てしまった。俺はヨミの頭を軽く撫でて部屋を出た。
「ふぁ~、私ももう寝るね~」
「おやすみ、えり」
「おやすみ~、ゆう君、ルイナちゃ~ん」
「おやすみなさい」
えりはプレゼントされた物を持って屋根裏部屋に上がっていった。
えり「咄嗟に厨二病出るのゆう君のせいだからね!」
アルト「な、なんで俺のせいなんだよ」
えり「ゆう君がこんなカッコいい指輪やらネックレスやらあげるし厨二病にさせたのゆう君の影響だし」
アルト「確かに厨二病にさせたのは俺のせいだけど厨二病で良いって中学の時言ってただろ」
えり「あの時とは違うんですー!私はもう厨二病じゃないんですー!」
アルト「じゃあもう咄嗟に出ないだろ」
えり「ねぇ~、そうじゃなくてゆう君~」
アルト「(めんどくせぇ~)」




