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第六十九話 手合わせ

 数分前、俺がリーザさんを探しているときルイナ達は……。


「大丈夫かしらアルト」


「前もこんなことあったよね。ゆう君いっつも一人でいっちゃうんだから」


 私達は本部の玄関にいた。


「ホントそれよ。バカなんだから」


「お主はルイナ殿、だったかの?」


 いつの間にか隣に松葉づえを持っている第一騎士団の団長らしき人がいた。


「は、はい!なんでしょう」


「ちょーっとだけ手合わせしてほしいのじゃが。どうかの?」


「っ!マギナさん、それは」


「少しくらいいいじゃろうミラス。老い耄れの願い、聞いてくぬか?」


「わ、私はいいですけど?」


「わかりました。少しくらいなら」


 なぜか私と第一騎士団の団長と戦うことを躊躇うミラス団長。さっきのアルトとリーザさんの戦いに関係があるのかしら。


「アルト君はまだ帰ってきませんね」


「じゃあ私が探してくるので先に闘技場に行ってていいですよ」


 私は本部内のアルトを探しにいった。そういえばあの第一騎士団の団長、見たことがあるような。





 俺達は再び闘技場に来た。俺とリーザさんが戦った時の同じ人がいるが関係者の数が多い。どうしてなのか。


「また会ったな、アルト君」


「ヘルサ先生、リーザさん。なんでさっきよりこんな人が多いんでしょうか」


「……騎士団にも、色々あってだな」


 どういうことだ。ルイナの親が関係しているのか?


「あの方って第一騎士団の団長ですよね」


「あぁ、騎士団殺人鬼に襲われた一人、マギナ団長だ」


 リーザさん、喋り方も声も戻ったんだな。


「マギナ団長、左足怪我して松葉づえ持ってますけどあれでどうやって戦うんでしょうか」


「少し無理するしかないだろうな」





 何気に人と戦うのは久しぶりね。しかも第一騎士団の団長なんて、ミラス団長でさえ敵わないのにどうしよう。


 けどアルトもさっき骨折しても戦い続けたしやるしかないわね。大丈夫よルイナ、人が多くても私にはアルトがいる。私にはアルトさえいてくれれば力が出る。


「先ほどのアルトのことがありますから先に聞いておきますけど、どうなったら終わりなんでしょうか?」


「う~む、そうじゃな~。わしが満足するまでか国王様が止めるまでじゃな」


「わかりました。それと、騎士団殺人鬼の傷は大丈夫でしたか?」


「わしのことなど気にせんでよい。本気で来い」


 本気、ね。万全じゃない人と本気で戦うのは私のポリシーに反するけど、本気出さないと終わらせてくれなさそうだし、やるしかないわね。


 男の人がマギナ団長に杖を持っていき松葉づえと交換した。あれは第一騎士団の副団長ね。杖には蒼く丸い魔石らしき物が埋め込まれている。


 マギナ団長は大きな白い帽子を被っている。そして杖を使うということは魔導師か魔術師かな。


「只今より第一騎士団団長マギナ・ルーク・ティール対第二騎士団ルイナ・エイス・セレーネの勝負を始める。両者、礼」


 国王様の進行で私とマギナ団長は礼をした。


「それでは、開始!」


 銅鑼が鳴った。鳴り終わって静寂になる。私は様子を見ていたがマギナ団長も動く様子はない。


 こうしている間にも何か魔術を展開しているかもしれない。なら何かさせる前にこっちから一気に仕掛けるしかないわね。


 私はマギナ団長に手の平を向け、風魔法を撃った。マギナ団長は杖を向けると前に結界を張ってガードした。私は土魔法でマギナ団長の周りから針のような土を次々と出した。しかしすらすらと避けられる。

片足が使えないのによく避けられるわね。けどそれは気を逸らせるため。


「はぁっ!」


 マギナ団長の上に巨大な炎魔法で炎の玉を作り、落とした。確実にマギナ団長に当たった。砂ぼこりとともに熱風が押し寄せてくる。


 そう簡単に終わるはずもなく、マギナ団長に当たった炎の玉が小さくなっていった。そして炎の玉からマギナ団長の姿が見えると杖に炎が吸い込まれていっているのがわかった。


 その杖が私に向けられると私の炎の玉が出てきてこっちに向かってきた。私は土魔法と結界を張ってガードした。


 そんなことが出来るなんてさすがね。けどそれも囮よ。


 この闘技場全体に大量の氷魔法の尖った氷を作った。全てマギナ団長に向いている。それに足して


「我の力の見ゆ者よ、全てを凍らす絶対零度の氷に飲み込まれ、華やかに散りゆくがよい!」


 両手を向けて魔力を込める。


「零凍氷華!」


 詠唱魔法と大量の氷を同時に放った。


「流石じゃ。しかしまだまだ未熟じゃの。これも経験の差か」


 マギナ団長は何かを呟いた。すると視界が光に包まれた。


「くっ!これは」


 お腹に何かをくらった。


「あぐっ!」


 体が後ろに飛んでいき、地面を転がっていった。


「い、今のは光魔法?」


「そうじゃ。わしの得意属性は光」


 マギナ団長の後ろに大量の白い魔法陣があり周りには小さな氷が転がっている。


 私は立ち上がって警戒をする。まだ終わらないのね。


「次はわしの番じゃ。受けてみよ」


 杖を上に掲げると魔法陣が神々しく光り始めて光線が出てきた。うねうねと軌道を変えて向かってくる。


 逃げ場はない。ガードをするしかないけどあの強さの光線をあれだけ防げる自信はない。


 アルトをちらっと見た。えりかちゃんと目を輝かせている。私は凄く心配してたってのに呑気ね。


 いいわよ、これより凄くてカッコいいのを見せて私のほうに振り向かせてあげるわ。


 私は前に厚い氷の壁を作った。光線がバチバチと氷に当たる。





 これまでかのう。アルト殿のように追い詰めれば何か力が見れると思うが、それも良い手ではないな。


 魔法陣に魔力を流して威力を強くした。そして氷が砕けると思った時、魔法陣が消えた。


「ぬっ!」


 上から気配がし、後ろに下がって避けたが頬をかすった。頬が凍っていく。


「これは……」


 目の前にあったのは地面に突き刺さった氷で作られたバリス刀。そのバリス刀はルイナ殿の元へ向かっていき、空中で止まった。


 なるほど、魔力を固めて作った武器か。ルイナ殿の息が切れている。相当な魔力を使ったのだろう。さっきの魔法陣はその武器で斬撃でも飛ばして壊したのだろう。


 短時間であれほどの完成度の高い魔力の武器を作るとは。そういえばクレスが魔力で弓を作って戦うのを主流にしていたか。教えてもらったのだろうな。


「はぁっ!」


 刀が高速で向かってくる。体を横にして避けると方向転換し再び向かってきた。避ける度に早くなっていく。集中を切らすと危ないのう。


「もう一つ!」


 ルイナ殿は右手で氷のバリス刀を操り、左手で二個目の氷のバリス刀を作って飛ばしてきた。


 二つの刀の位置を把握するのが難しい。これはマズいのう。一つの刀が腕をかすると凍っていった。


 何度かかすり凍っていき体が鈍くなってきた。周りに結界を張った。


「はぁ~!」


 結界と氷の刀がぶつかり合う。結界がひび割れていく。


「ルイナ!頑張れ!」


 アルト殿の声がさらに勢いが増した。


 これが、あの二人の娘の力か。先が楽しみじゃわい。





「はぁっ!」


 ルイナの氷で作った二つのバリス刀は結界を破り、マギナ団長の前で止まった。


「ここまでじゃ」


 マギナ団長がそういうとルイナは倒れて氷の刀が地面に落ちた。


「ルイナ!」


 俺は観客席を飛び出てルイナの横に座った。顔が白くなっている。


「大丈夫か?」


「え、えぇ。それより、どうだった?私の刀」


「凄いカッコよかったよ」


「ふふっ、なら、よかった……」


 ルイナは笑って気を失った。俺はルイナをなんとかお姫様抱っこして医務室へ行こうとすると


「アルト殿」


「はい?」


「こんなことをしたわしが言うのもなんだが、ルイナ殿のこと頼んだぞ。お主とルイナ殿はもっと強くなれる。二人で高めていくようにな」


「は、はい。騎士団の足手纏いにならないよう日々精進していきます」


「うむ」


 そうしてルイナを医務室へ連れていった。


エレイヤ「なぁ、ヨミみん。今回俺達セリフないよな」

ヨミ「ない。でも今回はルイナお姉ちゃんが主役だから仕方ないよ」

エレイヤ「俺達が主役って登場回くらいしかないような」

ヨミ「そんなことないよ。多分」

エレイヤ「主役回はよ」

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