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ゲームに飽きたから異世界に行ってみた。  作者: イル
第四章 騎士団殺人鬼
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第六十三話 ミカヅキ

 俺はホテルの屋上に来た。綺麗な明かりが町を彩っている。


 夜空を見ると三日月がある。あの騎士団殺人鬼の子に襲われて二週間ほど経った。


 俺が昨日も今日も気を張って疲れていたのは人混みで緊張してしまっていたからではない。昨日からホテル以外で俺達を見ている目があったから。


 そう、それは


「昨日からずっと後をつけて来てただろ。なぁ、年下の騎士団殺人鬼さん」


「……よく僕の気配に気づけたね」


 後ろを向くと俺と団長を襲ったあの子がいた。フードを脱いで俺を見て笑った。


「いつ襲ってくるかずっと警戒してたよ。ホテルに来たらいなくなるからホテルは安心と思ったんだけど」


「店を見張ってる人やつがいるってとある人から情報があってね、まさかとは思ったけど君達だったとは。丁度君だけ用があったんだ。今度は確実に仕留めてあげるよ」


「お前は三日月の時だけ戦うのか?」


「さぁ?君には関係ない」


「そうか。じゃあ今度お前から逃げきったらそれを教えて貰おうかな」


「……君は僕を舐めているのか?」


「そんなわけないよ。ちょっと強がってるだけだ。前と違って武器もあるし」


「よくそんなことが言えるものだ。それより、ビアンカ姉さんとドラク兄さん、さらにはジェリカ姉さんも倒したみたいだね」


「よくご存じで」


「君は凄いね。この二週間程度で前よりも強くなってる」


「そりゃどうも。てか怒ったりしてないの?」


「怒る?どうして?」


「他の騎士団殺人鬼の人だよ。ビアンカ以外死んじゃったし」


「僕はそれくらいで怒りはしないよ。あの三人が弱かった。それだけの話だ」


 結構冷たいやつなんだな。


「全く、君といるとお話ばかりだ。そろそろ殺らせてもらうよ」


 すると騎士団殺人鬼の子は前と同じナイフを取り出して構えた。俺は刀を抜いて闇属性の魔力を付与した。心配だったけど魔力回路ショートは治っていたようだ。


「バリス刀とはまたマニアックな武器を使うね」


「これが好きなんでなっ!」


 俺は騎士団殺人鬼の子に向かって走って刀を振った。しかしナイフで弾かれた。


 ちっ、ナイフでこの威力か。


 すぐに騎士団殺人鬼の子は俺の腹に向かってナイフを横に振る。それを弾かれた刀ですぐさまガードする。そのまま押してきて俺の体は一歩下がった。


 力が強すぎるっ!


 騎士団殺人鬼の子はジャンプして俺の顔の前でナイフを振ってきたが俺はかがんで回避し、回転して右足の(かかと)で攻撃したが掴まれた。するとナイフで右足を刺された。


「ぐぁっ!」


 振りほどこうと思ったが全く振りほどけない。騎士団殺人鬼の子はナイフを抜き、俺の足を掴んだまま一回転して俺を放り投げた。


「くっ!」


 体はホテルのビルを落ちていく。屋上のほうを見た。


 畳みかけてこないのか?


 そう思っていると左のほうから気配がした。見ると騎士団殺人鬼の子が突進してきていた。俺はそちらに体を向けて反射的に闇魔法で防御魔法を展開したが破られナイフが腹に突き刺さった。


「ぐはぁ!」


「ふんっ、強くなったとはいえ君もこんなものか」


 そういうとナイフを抜き、肩を蹴り俺を上空に打ち上げた。そして先回りしてまた俺を蹴ろうとするところで俺は手をクロスしてガードしたがホテルの屋上に叩きつけられた。


「くそっ!」


「もう体が動かないか?」


 騎士団殺人鬼の子はゆっくり俺に向かって歩いてくる。


「そんなわけねぇだろっ!」


 俺は立ち上がり騎士団殺人鬼の子に向かって刀を突いたがスッとかわされ腕を掴まれた。


「ぐ、ぁ!」


「このまま腕の骨を砕いてもいいけど可哀そうだからそれはやめておくよ」


 騎士団殺人鬼の子は腕を離すとともに俺の手を蹴り刀を遠くにやった。


「これで終わりだ」


「も、もうちょっとお話してたほうがよくない?」


「君はいつまでもふざけてるんだね」


「ふざけてるつもりは一切ないんだけど、な」


 口から少しだけ血が出てきた。


「よく言うよ」


「お前は俺を傷つけて何の意味があるんだ?」


「はぁ~、懲りないね。君は僕とそんなに話がしたいのか?」


「そ、そりゃもちろん。このまま楽しくお話してあわよくば仲良くなってこのあと一緒に夜景を見ながらお茶でもしたいよ」


「残念ながらそれは無理だ。僕は君と仲良くなるつもりはない」


「ならなんでまた俺を傷つけようとするのかだけでも教えてくれないか?」


「それは前回君を始末出来なかったからだ」


「へぇ~、悔しかったんだ」


「……君は僕と仲良くなりたいのか僕を怒らせたいのか、どっちなんだ」


「気になるならこのあとお茶でも」


「もういい。お喋りは終わりだ」


 そう言うと怒ったような目で俺に向かってきた。


 今度こそダメか。俺は身構えた。


 その瞬間、騎士団殺人鬼の子の横に光線の矢が見えた。騎士団殺人鬼の子は一瞬で後ろに下がった。


「誰だ」


「……あなたですね。団長とアルト君を襲ったのは」


「副団長!」


 副団長が物陰から出てきた。


「確か第二騎士団副団長、クレストゼア・ヒーシスア・ユリア、だったか」


「よく知ってますね」


 副団長は弓を構える。


「アルト君、大丈夫ですか?」


「はい。これくらいならまだ」


「わかりました。こちらはあなたがこれ以上攻撃してこないのであれば何もしません。あなたはどうします?」


「君は標的ではないが、ついでに君も殺ってあげるよ」


「そうですか。なら私は全力で答えましょう」


 そう言って副団長は俺の刀を取った。


「アルト君、少し借りますよ」


「は、はい」


 副団長は刀に炎属性らしき魔力を付与した。


「……そういうことか。その魔力は――」


「黙りなさい!」


 副団長は叫ぶと刀を構えた。


 何の話をしているんだ?それより副団長は魔導師の服で刀を使って戦うつもりなのか。それは水の中で服を来て刀を振るようなものだが。


「君とは楽しめそうだ」


 騎士団殺人鬼の子もナイフを構えた。


 肌寒い風が吹く。副団長の髪が靡く。


 そして風が止んだと思うと空気が震えた。副団長の刀と騎士団殺人鬼の子のナイフが勢いよくぶつかったのだ。それは一瞬だった。


「は、はやっ!」


 姿がほとんど見えない。刀とナイフがぶつかる音が次々と聞こえる。二人は上空へ行った。


「ふ、副団長のほうが押してる」


 二人とも所々血を流しているのが見える。副団長は本気になるとあれほどまでに強くなるのか。


「ふっ!」


 副団長が騎士団殺人鬼の子を蹴飛ばした。


「はぁ~っ!」


「……想像以上だ。仕方がない」


 騎士団殺人鬼の子は何を呟くと懐から何かを取り出した。副団長は騎士団殺人鬼の子の左肩に刀を刺した。すると騎士団殺人鬼の子はそれを副団長の首に刺した。


「ぐっ」


「いっ!な、なにを刺したのです、かぁ……」


 副団長は空中で気を失い刀と一緒に落ちてきた。


「副団長っ!」


 キャッチしようと動こうとするが足が痛く動かなかった。俺は風魔法で副団長を浮かせてゆっくり下ろした。


 すると刺された肩を手で押さえている騎士団殺人鬼の子が俺の前に降りてきた。


「副団長に何をしたんだ!」


「もしものときに貰っておいたビアンカ姉さんの麻痺魔法の注射器だ。一時的な使い捨てだが、必要なときが来るとはね」


 そう言うと注射器を投げ捨てた。


「そ、それでまた目標を俺に変えるのか?」


「いや、今日はやめておくよ。また命拾いしたね。それじゃ、今度会うときは必ず殺ってあげる」


 騎士団殺人鬼の子は俺を睨んでホテルの端に立った。


「ま、待て!」


「なんだ?」


「今回も逃げきったしさっき言ったこと教えてくれよ」


「……君という人は」


 呆れた顔をされた。


「いいよ、教えてあげる。なぜ僕が三日月の日に戦うのかと言うと、僕の名前がミカヅキだから何となくでやってるだけだ」


「なるほど、いい名前じゃねーか」


「ふん、これで気が済んだだろう。おっと、言い忘れるところだった」


「な、なに?」


「警告だ。もうこれ以上旅を続けるな。というより続けても無駄だ。僕ともう一人の騎士団殺人鬼はどこに行っても見つからない」


「続けたら?」


「君たち全員を襲う」


「ま、まぁ団長と話し合うよ」


「続けても時間の無駄だよ。それではまた会おう、アルト」


 そう言ってミカヅキはホテルの屋上から飛び降りた。


 俺は足を右足を引きずりながら飛び降りたところを見てみたが彼女の姿はなかった。


「う、んんっ」


「副団長!」


 副団長の元へ行くと目を覚ました。


「アルト君!奴はっ!」


「もう逃げました」


 逃げたと言うか撤退しただけだけど。


「そ、そうですか。足の怪我は大丈夫ですか?回復魔法をかけますね」


 副団長は冷静になって俺の足に回復魔法をかけ始めた。


「アルト君が昨日今日と気を張っていたのはあの人のせいだったんですね」


「はい。すみません、見張ってるときに言ったらパニックになりそうだったし心配かけたくなかったので俺だけで何とかしようと思ったんですが、少々自分に酔ってました」


「いえ、アルト君が何かに警戒していたのに気づけなかった私のミスです。実は昨日の夜ホテルに戻るときに団長が『アルト君が異様に凄い気を張ってる』と言われ私に任されたのでずっとアルト君のことを気にしていたんです」


「あぁ、だからあんなに心配していたんですね」


「はい、アルト君がさっきベットから出て行ったので心配になって後をついていってました。あの、目障りだったでしょうか?」


「全くそんなことありませんよ。そのおかげでこれくらいの傷で済んでるんですし、副団長は優しいなって思ったくらいです」


「ふふっ、やはりアルト君は優しいですね」


「人間ならこれが普通だと思いますけど」


「アルト君みたいな優しい人はそうそういませんよ。しかも面白いですし」


「な、なんですか急に褒めだして」


「最初に褒めたのはアルト君ですよ~?」


「あれっ、そうでしたっけ?」


「ふふふっ、そういうところですよ」


「……やっと落ち着いた顔になりましたね」


「え?」


「さっきすごい落ち込んでる顔をしてましたから」


「そ、そうだったんですね。気が付きませんでした。ごめんなさい、心配させてしまって」


「俺と同じようなこと言わないでくださいよ。こうして笑えるようになったんですから」


「そうですね。アルト君、ありがとうございます」


「いえいえ」


 話している間に足の傷は塞がった。


「私の力では完全に治らないので激しい運動などは控えてくださいね」


「わかってますよ」


 俺は落ちている刀を拾って鞘に入れ、ホテルの端に座った。


「はぁ~」


「どうしました?今度は私が笑顔にしてあげます」


 副団長は隣に座って自分の体に回復魔法をかけ始めた。


「いやー、この二週間で結構強くなったし色々経験出来たし、前と違って武器もあるからあの子に勝てるかもって思ってたんですけど全く歯が立たなかったなぁ~と思って」


「アルト君はまだ高校生なんですから!でもアルト君は世界中の高校生の中で一番強いと私は思ってますよ!ルイナちゃんも一番だと思ってます!」


「一番が二人いたら一番じゃないですよ」


 って言ってもゲームとかでも点数が同じで一番が二人のときもあるしな。


「確かにそうですね、あはははっ」


「これじゃ副団長しか笑顔になってないですよー」


「あぁ!ご、ごめんなさい」


「ははっ、副団長はルイナと違う面白さがありますね」


「そ、それは褒めてるんですかっ⁉」


「79%褒めて21%ディスってます」


「なんでそんな微妙なんですか!」


「ははははっ」


「あっ、笑顔になりましたね!」


「今のは笑うしかないですよ。あっははは」


「もう、そんなに笑わないでください。それよりこんなこと言ってたらルイナちゃんに怒られますよー?」


「今はいないから大丈夫ですよ。副団長がチクらなければですけど」


「どうしましょうかね~。さっき散々笑われましたし」


「その節は申し訳ありませんでした」


「ふふっ、冗談ですよー」


 副団長の回復が終わった。


「さてっ、そろそろ部屋に戻って寝ますかね」


「あ、そういえば大分前から聞きたいことがあったんですが」


「なんです?」


「副団長は団長のことが好きなんですか?」


「なっ!なんでそんなこと聞くんですか⁉」


「だってそんな感じがしてましたしー、騎士団の皆さんも気になってましたよ」


「わ、私は別に団長のことなんて……」


 副団長は顔を赤くする。


 これは確定だな。


「本当ですか~?いつも傍にいて、いつも楽しそうに話してるのに~」


「き、気のせいです!第一、私が団長をす、好きだったとしても団長は私のことを友達というくらいの目でしか見てませんから」


「そりゃあ立場が立場ですから、そういう目したらいけないとか思ってるんじゃないんでしょーか」


「だ、団長がそんなこと思うはずがありません!」


「頑なですね。副団長が団長はそういうと人って思ってても実際は違うかもしれませんからね。チャンスがあるときに言ったほうがいいですよ~」


「うっ、うぅ~」


「その悩むとうぅ~って言うもの可愛いですよ」


「そっ!なっ!」


 めっちゃテンパってる。やっぱりルイナと同じ面白さがあるかも。


「か、可愛いとか、言わないで……」


 副団長は手で顔を覆って、俯いた。


「可愛いって言われるの慣れてないんですか?」


 何も言わずコクッと頷く。


「へぇ~、意外と副団長もピュアなんですね」


「だ、だって昔は全然言われなかったんですから」


 あ~、俺も昔はカッコいいとか言われなかったな~。今はめっちゃ言われるけど。


「まぁこれ以上いじったらマジでルイナにチクりそうなんでやめておきますよ」


「そうしてください。はぁ~」


 副団長は顔を手でパタパタと扇ぎながら深呼吸した。


「恥ずかしかったけど、アルト君と話してると楽しい、ですね」


「それは団長に言ったほうがいいと思いますけど、ありがとうございます」


「ま、まだ言いますか!まったくもう、旅が終わったらキツく訓練しますからね!」


「うぇ~、あの子と戦った時みたいに本気出されたら瞬殺ですよ。そういえばあの魔力って炎属性の魔力、ですよね?」


「え、えっと……」


 副団長は目を逸らして黙り込んだ。


「副団長?」


「ア、アルト君、私、実は……」


「はい」


「や、やっぱりなんでもないです!あれは特殊な炎属性の魔力です!はい!」


「そ、そうでしたか」


「ほら早く部屋に戻りましょう!」


 副団長は立ち上がって歩き出した。


「あっ、副団長~」


 副団長を追うと下に降りる階段のドアの前で止まった。


「どうしました?」


「なんでルイナちゃん達がアルト君が好きになったか少し、分かった気がしました」


「は、はぁ。そうですか。俺からしたら謎ですけど」


「ふふっ、行きますよ」


「はい」


 俺と副団長は部屋に戻ってみんなが起きないようにベットに戻って少しして眠りについた。




「アルト~!さすがに起きなさいよ~!」


「ん、んぁ~」


「アルトお兄ちゃ~ん、起きないとキスするよ~」


「お、起きる、よ」


 俺は上半身を起こしてあくびをした。


「ふぁ~、う~ん。って、あれっ⁉」


 目を開けるとみんながいた。


「おはよう、アルト君。昨夜のことはクレスから聞いているよ」


「アルト、大丈夫だった⁉」


「う、うん。副団長が助けてくれたし大丈夫だよ」


「寝起きで頭が回らないかもしれないが、アルト君は何か情報を得たかい?」


「え、えっとですね、何があったかは副団長が話しておいてくれたんですよね?」


「はい、しっかりと」


「なら副団長が麻痺で眠らされてるときにあの子から聞いたんですけど、情報としては二つくらいですかね。一つ目はあの子の名前はミカヅキで何となく三日月の日に襲ってるのと、二つ目はこれ以上は旅を続けても無駄ってことです」


「それはどういう意味だい?」


「団長なら知ってる通り残り二人の騎士団殺人鬼の情報はほとんどなくて見つかりにくいのと、ビアンカやドラク、ジェリカみたいに姿を隠さずにいるのとは違い本格的に姿を消していると思うのと、この感じだと探していた騎士団殺人鬼もこの町にいないと思われるからです」


「そうか」


 団長は何かを考え始めた。その間に時計を見てみると9時半になっていた。


 お、俺そんなに寝てたのか。副団長も寝不足そうだな。


「よし、今日でこの旅は終わりにしよう」


「そうですね、私も同意見です」


「はぁ~、どうせなら騎士団殺人鬼全員倒して終わりたかったな~」


「でも3人も倒したんだからこれでもいい成果だよ。生き残ってるのはビアンカだけだけどね」


「あっ、そうだ。今度ビアンカに会わせてほしいんですけど」


「はぁ⁉何言ってるのアルト!あいつはアルトを襲って私を小さくしたやつなのよ⁉一生会わなくていいでしょ⁉」


「聞きたいことがあるんだよ。そんなに怒るなって」


「わかった。特別に面談を許可してくれるようにしておくよ」


「ありがとうございます、団長」


 こうして騎士団殺人鬼を倒す旅は旅を始めてたったの八日という短い期間で終わった。しかしこの八日間で色んなところに行けた。大人な的な店にも行ったし、豪華客船にも乗ったし、ダンジョン型の洞窟や魔石で強化された魔物も倒したし、大都会のこの国の首都に行った。


 そしてあの不思議な魔力の力。人生一番の自分の謎だ。あの謎の魔力は一体なんだったのか。いつかわかるといいな。


 俺達は町を出て騎士団訓練所に向かって竜車は進んでいった。





「母様、只今戻りました」


「ミカヅキ、どうしたのですかその傷は」


「申し訳ありません。予想外の事態になり失敗に終わりました」


「二度も失敗をするとは鍛え直しが必要ですね」


「こ、今回の失敗の原因としては相手の戦力を見誤りナイフで戦闘をしたことです。剣があればあの程度の敵など容易いものです!だから鍛え直しだけは……」


「わかりました。しかし、次失敗に終わればあなたに自由はありません」


「はい。全ては魔王様のために……」






「ふむ、久しぶりに見てみれば少々厄介なことになってますね」


「…………」


「そんな呑気なことを言って、知りませんよ?」


「…………」


「はい、魔王の復活の問題は今ところは大丈夫です。今のところは、ですが」


「…………」


「また何かあれば監視をします。それでは……」


アルト「前に団長とぶつかった時、団長が『大丈夫かい?』って言って頭撫でられた時めっちゃ照れてましたよね」

副団長「なぁ⁉そっ!そんなことないです!」

アルト「でも顔赤くなってましたよ。今もですけど」

副団長「うぁ、うぅ~」

アルト「騎士団の皆さんから聞いた副団長が団長に照れたシーンを言ってあげましょうかぁ~?」

副団長「やめてください!ルイナちゃんに全部言いますよ⁉」

アルト「それだけは命の危険が伴うのでやめてください。すみませんでした」

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