第六十二話 張り込み
「じゃ、魔石屋は頼んだよ」
「はい」
俺は団長達に手を振った。今日から魔石屋と装備アクセサリー屋に張り込みをする。
今魔石屋にいるのは俺とガルアと副団長とエレイヤ。そして装備アクセサリー屋にはルイナと団長とヨミとえり。これはじゃんけんで決まった。もちろんルイナとヨミを説得するのは時間がかかった。逆にえりは副団長がいない団長と一緒だったので嬉しそうだった。
「にひひー、今日はアルトきゅんを独り占め出来るぜ!」
「はいはい、お前もちゃんと見張ってろよ」
「わかってるよ」
「アルト君、エレイヤちゃん、ガルアさん、これからは耐久勝負です。あまり警戒をせずリラックスしててくださいね」
「さすがにこんな都会の人混みの中でリラックスは無理ですけど気は張らないようにします」
俺達は魔石屋の近くをうろうろして店をずっと見張っていた。
それから数時間経った。
「はぁ~、そう簡単にいかないか~」
俺達は日が暮れて店が閉まってしまったのでホテルに戻ってきた。
「ア~ル~ト~、充電させて~」
ベットにうつ伏せで倒れているとルイナが乗っかってきた。重いし押し付けてくる胸が邪魔くさい。
「どけろ」
俺は仰向けになってルイナを横に転がした。
「私も充電~」
するとヨミが俺の上に飛び乗ってきた。
「いてーよ。充電ならえりの雷魔法でもくらってろ」
ヨミを持ち上げて横に寝かす。
「今日はノリが悪いわねー」
「疲れたんだよ」
「じゃあ私が癒してあげるよ。お風呂にいこ?」
「何しようとしてんだがわかんねーけどお断りするよ。それより弁当食べたい」
俺達は弁当を食べ、風呂に入った。
「明日には来てくれるといいな~」
「今日はお疲れ様でした、アルト君」
「副団長はまだまだ元気そうですね」
「私の体は鍛え上げられてますから。少しアルト君いいですか?」
そういうと副団長はベットに座っていた俺の後ろに回って肩を揉んだ。
「やっぱり凝ってますね。ほぐしてあげますよ。横になってください」
「あ、ありがとうございます」
俺はうつ伏せに寝ると丁度いい強さで副団長は肩を揉んた。そういえば副団長のマッサージは最高って騎士団の女の人がみんな言ってたな。
「上手ですね」
「ありがとう、よく言われます」
副団長は腰に手を持っていき、押しくれる。
「うっ、がっ!」
「ふふっ、気持ちいいですか?」
「も、もう少し優しくお願いします」
「わかりました」
副団長は力を緩めて腰を押した。気持ちが良くて眠くなってきた。少し目を瞑ろうと思ったら意識は遠くなっていた。
目が覚めると目の前にルイナの顔があった。辺りは少しだけ明るい。
あ~、俺寝ちゃってたのか。
目をパチパチとさせて前にあるルイナの顔をジッと見る。寝顔も可愛いなー。スマホがあったら写真を撮っておきたい。
あとなぜかルイナに腕を掴まれていた。背中にも誰かの手がある。仰向けになり見てみると副団長がいた。
な、なんで副団長が⁉
そう思っていると副団長は目を開けた。
「あわぁ、おはようございますアルト君……」
なんとも可愛らしいかすれ声で副団長は俺に挨拶をしてきた。
「は、はい、おはようございます副団長。あの、これは」
「アルト君の体の内側の傷が治っていなかったのでルイナちゃんとずっと回復魔法をかけてあげてました」
細目にして目をパチパチしながらも笑顔で説明をしてくれた。
「な、なるほど。だから副団長がいたのか。確かに体が動かしやすくなった気がします」
「それは良かったです。何かあったらいつでも言ってくださいね」
「はい、ありがとうございます」
それから全員起きて顔を洗い着替えて朝ご飯を食べ歯を磨きまた魔石屋と装備アクセサリー屋に向かった。
「今日は一緒だね、アルトお兄ちゃん」
「すごい嬉しそうだな」
今日、俺は装備アクセサリー屋で、副団長とえりとヨミがいる。魔石屋はルイナとガルアと団長とエレイヤ。またじゃんけんで決まってルイナは昨日ほど騒がなかったがすごく残念そうだった。
「今日もお願いしますね。アルト君」
「はい、頑張りましょう」
副団長は手を握ってきた。昨日肩が凝ってたせいかなんかで心配されてる?優しい副団長だからそうかもしれない。
「副団長、あんまり俺のこと心配しないでいいですからね?」
「え?いや、心配しないでって言われると余計に心配しますよ。それもアルト君はまだ高校生なんだから副団長である私がしっかり見張っておかないと団長に怒られてしまいます」
「でもそこまで心配してくれないほうが俺も楽です」
「そこまで言うなら少し控えめにします」
「逆に副団長は俺以外に心配なことありませんか?」
「わ、私ですか⁉私はこの旅のこととアルト君達のこと以外心配はありません。アルト君は?」
「俺は……副団長と同じですね。この旅のこととルイナ達のことです」
「そうですか。一緒に頑張りましょうね」
「はい」
そしてまた昨日のように特に何もなく暇な時間を過ごした。
「今日も成果なし、か」
「アルト~!明日は何が何でも一緒になるわよ!」
「団長に交渉してくれ。俺は先に風呂に入る」
俺は風呂に入りベットに座った。
「はぁ~、疲れた」
「やっぱりアルト君、今日もずっと気を張ってましたね」
副団長は横に座った。
「人がたくさんいるとなんか緊張してしまうんです」
「またマッサージしてあげますよ」
「今日は大丈夫ですよ。副団長は肩凝ってたりしませんか?」
「わ、私は大丈夫ですよ!」
なんか必死に拒否された。そ、そんなに嫌だったのだろうか。
「ルイナちゃんもお風呂から上がってきたしお風呂入ってきますね」
「はい」
副団長はルイナと入れ替わるように風呂に向かった。
「ねぇ、最近副団長と仲良くしすぎじゃない?」
「仲良くしたら悪いのかよ」
「そうじゃないけどちゃんと私のことも見てよね」
「大丈夫だって。彼女はルイナだし、ルイナしか見てないよ」
そういうとルイナは走って俺を押し倒して抱き着いた。
「ん~!やっぱアルトが彼氏で良かった~!大好き~!」
「わ、わかったから、苦しい」
そう言ってもルイナは離れない。副団長への嫉妬がそうとう溜まってたんだろうな。
「むぅ~、ルイナお姉ちゃんズルい!私もアルトお兄ちゃんを押し倒したい!」
そこかよ。背の高さが全然違うからヨミに押し倒されるには何年かかるだろうか。
「も、もういいだろ。離れろ」
「え~、もうちょっといいでしょ~?」
酔ってるんじゃねーだろーなこいつ。
「元気な時ならいいけど今は疲れてるんだよ」
「なんでそこまで疲れてるのよ」
ルイナは横にゴロンと転がった。
「いやー、人混みで疲れてなー」
「ふ~ん?」
副団長も風呂から上がり少し喋ったあと全員ベットに入った。
こんな一日無駄にするような日々がいつまで続くんだろう。戦うんなら早く戦いたいな~。
みんなすぅすぅと寝ている。
俺も早く寝て疲れを取るかな。そう思い、目を瞑ったとき俺はあるものを感じた。俺は目を開けベットを静かに抜け出して壁に掛けてあった刀を取って部屋を出た。
〔装備アクセサリー〕
・指輪、イヤリング、ネックレス、スカーフ、ミサンガなどがある
・付けるだけで様々が効果が得られる
・魔力濃度レベルによって効果力が違う
・魔力濃度レベルは1~5まである
・魔力濃度レベル1のものは子供や力のない女性が使う




