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第三十八話 王様ゲーム


「ってことで、お泊り夜更かしよ!」

「おっしゃ~!夜も盛り上がっていくぜ~!」

「私ちょっとだけ眠いけど頑張る」

「クレープ食べたい」

「お前クレープばっかりだな」


 皆、風呂に入ったあと俺の部屋の床のカーペットに座っている。なぜ俺の部屋かというと俺の部屋が広いからだ。こればかりは仕方ないか。


「ていうかルイナがお泊りを許すとは珍しい」

「こういうときは別にいいのよ。こういうときだけね」

「それで、なにするんだ?」

「それはまだ考えてないわよ」

「じゃあじゃあ王様ゲームやろーよ!」

「マジか」

「王様ゲームって?」


 さすがにこの世界に王様ゲームはないか。えりはルールを説明して、例題を言った。


「なるほどね。面白そうじゃない、やりましょう」


 割り箸を用意して一つだけ先を赤く塗り、4つ番号を書いた。


「絶対地獄だろうけど俺が王様になったら面白いからやるか」

「進行は私がやるよ。ほい、みんな一つ引いてね」


 俺たちはそれぞれ割り箸を引いた。


「王様だ~れ」

「私」


 ヨミか。


「何番でもいいよ」

「じゃあ2番が10回回る」

「2番は私ね。うぅ~回るのか~」


 ルイナは立って10回回った。


「ちょっとくらくらする」

「じゃんじゃん行くよ~」

「王様だ~れ」

「王様私だ」


 ルイナか。


「ん~、なら4番が私の肩を揉む」

「4番私~」


 えりはルイナの後ろに行って肩を揉んだ。


「あぁ~、気持ちいい。私すぐ肩こっちゃうのよね~」

「なんでだろうね~、あはは」

「ちょ、ちょっとえりかちゃん強い。もういい、もういいから」

「はい次々!」


 えりが少し怒っている。


「王様だ~れ」


 この感じだと次も軽い感じかな。このまま平和に終わればいいんだけど。


「おっ、俺だ!」


 エレイヤか。


「じゃあ1番が4番の背中を舐める」


 ……はぁ⁉


「それマジで言ってる?」

「マジのマジのマジだ!」

「4番は?」

「私」

「ヨミちゃんね。で、1番は?」

「……俺」

「よりによってなんでアルトなのぉ~⁉4番じゃなくて3番なら良かったのに~」


 ルイナだったとしても嫌なんだけど。


「早くやれよ。命令だぞ」

「アルトお兄ちゃん、好きなだけ舐めて」


 ヨミは背中を俺に向け、手を後ろにしてパジャマとシャツをたくし上げた。


「くっ、やるしかないのか……」


 俺は躊躇いながらもヨミの背中をほんの一瞬だけ舐めた。


「これでいいかよ!」

「舐めたかわかんなかったからもう一回」

「だとよ」

「だとよじゃねーよ!こんな意味不明な命令しやがって!」

「面白いからいいだろ~」

「俺は微塵も面白くないけどな!」

「いいからもう一回!」

「お前絶対覚えてろよ」


 俺は再びヨミの背中を舐めた。しっかりわかるように少し長く怨念を込めて舐めてやったよぉ!


「ふぅ、気持ちよかったよ」

「お前もお前で覚えとけよ」

「ほい次。王様だ~れ……あ、私だ」


 えりか。


「なら~、4番が3番の耳を舐める」


 ……はぁ⁉⁉


「おい、もう舐めるのはやめようぜ」

「なんで?面白いからいいじゃん。で、4番は?」

「また私」

「3番は?」

「俺だよこのくそ野郎!しかもなんでまた4番なんだよお前は!」

「私とアルトお兄ちゃんは舌の糸で結ばれているから」

「キスのイメージしか浮かばないからやめろ」

「いっそのこと舌を舐めてもいいよ」

「そういう命令じゃないだろ」

「じゃあ耳を舐めるよ」


 ヨミは俺の後ろに回って耳を舐めた。ほぼ咥えている。


「どう?飼い猫に舐められる気分は。擽ったい?気持ちいい?」

「気持ち悪いです」

「ふふっ、我慢しなくていいんだよ」

「わかった」


 俺は我慢せず、ヨミから離れた。


「アルトお兄ちゃんは本当につまんないね」

「つまんないならいちいち変なこと言うな。そしてえり、お前も覚えてろよ」

「なに言ってるかわかんな~い、次々。王様だ~れ」

「っしゃ俺だ!やったぜゴラァ!」

「で、命令は?」


 ここは慎重に決めよう。


「えっと、1番が――」


 俺がそういうとエレイヤの頬がピクッと動いた。これは多分一番がエレイヤということか。


「やっぱり3番が――」


ルイナが瞬きを早く二回した。3番がルイナ。


「いや4番が~――」


 ヨミの体が少しビクついた。4番がヨミ。ということは


「と思わせて2番が――」


 えりの指がピクッと動いた。2番がえり。


 これで多分だが全員の番号がわかった。問題は誰をなにさせるかだが……。


「結局何番なのよ!早くしなさいよ。それともなに、ヨミちゃんの耳舐めが気持ちよすぎて頭が回らない?」

「よし、3番が俺が今から書く言葉をあるポーズで言う」

「えっ⁉」


 俺は紙とシャーペンを持ってきてある言葉を書いた。


「ほ、ホントにこれ読むの?」

「ああ、そうだけど?で、3番って誰なの?」

「わ、私」


 知ってるよぉ~!


「それはちょうどいい。ほらそこで寝っ転がってそれらしいポーズで言え。ちゃんとやらなかったら何度でもやり直させるからな」

「う、うぅ~、恥ずかしい」


 ルイナは仰向けに寝っ転がり膝を曲げて手を猫の手にした。


「ご、ご主人様、反抗して申し訳ありませんだニャ。もう二度と歯向かいません、ニャ」

「よく出来ました。実に滑稽だったよ、よしよし」


 俺は恥じらってるルイナの頭を撫でた。


「頭撫でられるのは嬉しいけど、こういうのじゃない!恥ずかしい恥ずかしい!」


 ルイナは顔を隠してゴロゴロと転がり回る。


「照れてるルイナは可愛いねぇ」

「やめてぇ~!今そういうこと言わないで~!」

「ど、どうするの?ルイナちゃん続行不可能みたいな感じだけど」

「全員王様になったしもういいんじゃない?」

「そうだね」

「あぁ~、疲れたし変な目にあったけど楽しかった」

「猫は私一人で十分だけどさすがアルトお兄ちゃんだね、勉強になったよ」

「お前はこれ以上Sになるな」

「私もあのポーズに言ってあげようか?アルトご主人様」

「やめろ。楽しめるのはルイナだけだからな」

「ふふっ、私もアルトお兄ちゃんに舐められたし舐めれたし楽しかった。またしようね」

「二度とやらないと思うけどな」


〔クレープ〕


・文化祭で生徒が作ったクレープ

・一番売り上げが高かったそう

・果物は生徒の祖父母の果樹園から貰ったもの


=======

アルト「嫌な予感はこれか。まぁルイナに面白いこと出来たし良かった」

ルイナ「次やるときは覚えてなさいよ!」

アルト「そうやって牙むき出してるとまた言わせたくなるなぁ。もう一回やってくれる?」

ルイナ「やるわけないでしょ!」

アルト「膝枕してあげるから」

ルイナ「あ、やりま~す」

アルト「ちょろいな」

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